Podcast
【KITT RADIO #32】マーケティングとAI
マーケティング目線で世の中を見ると、見えるものが変わってくる!
映画の宣伝プロデューサーが日々考えていることをあれこれ雑談す
「KITT RADIO|マーケティングあれこれ雑談」
出演:木村徳永さん(KICCORIT)、ターニャ(KIQ REPORT)、ダビデ(KIQ REPORT)
<#32のキーワード>
・今はパーソナライズ化されたマーケティング
・新しい広告の形=質問でコミュニケーション?
・AI登場により、WEB媒体の強弱はなくなった!?
・AIは優秀、そして優しい!
気になるキーワードがあったら下記をチェック!
【Spotify】
番組では宣伝プロデューサーに聞きたいことなど、リスナーの皆様からの質問も募集中!
その他、ご意見・ご感想は<info@kitt-marketing.com>までお寄せください。
YouTubeやテキストでご覧になりたい方は下記よりどうぞ。
【YouTube】
【Text】(文字起こし)
ターニャ
今回はマーケティングとAIについてです。
キコリ 木村
何か欲しいものあるかなとか、読みたい本あるかなとか考えたときって、自分の中からは出てこないですよね。
ターニャ
うん、うん、うん。
木村
例えばお店に入ったり、本屋に行ったりして見てると、あっこれこれ読みたかったのはって出てくるんだけど。それ本当に自分が読みたかったのか、平置きで積んであるから読みたいと思ったのかって微妙じゃないですか。
ターニャ
めちゃわかりますね、それ。
木村
目の前に現れたから自分の欲望が発動しただけであって、違うものが現れたらそれは買わなかったかもしれないって思うと、それって本当の自分の欲求に従ってるのか、または誰かの誘導に従わされてるのかみたいなことって、わかんないよね。
ターニャ
わかんないですね。確かにすごいマーケティングですね。なんかそれって。
木村
そう、それが昔はTVスポットでいっぱい露出していれば、新製品出たんだみたいになったけど、それはわかりやすかったけど。
ターニャ
はい。
木村
今はパーソナライズ化されたマーケティングがどんどん高度になってるから、知らないうちに買わされてることはよくあるよね。
ターニャ
ありますねー。
木村
だから自分の意思を持つこと自体が難しいわけで。だから、1回立ち止まって考えましょうってことですか。
ターニャ
そうですね。確かにパーソナライズ化されて出てきた情報に流されてくことってめちゃくちゃありますよね。何か立ち止まらないとたまにやばいところにいるときあるから、なんだそれはって感じですけど。だから、すごく怖いし面白い。
ダビデ
でもそれって、僕今車が本当に欲しい気持ちをずっと持ってるんですよ。車今1台あるんですよ、あるんですけど、今の車じゃなくて、新しい車が欲しいっていう気持ちがずっとあって、でもいつかみたいな気持ちで納得してるんですけど。そうするとやっぱり見ちゃうじゃないですか、ネットで。クリックしちゃって見ちゃうと、もうそれに関連するとか、それに似たような商品がガンガン来るんですよ。
木村
うん。
ダビデ
どんどん欲しいっていう気持ちがなんかもう増幅されちゃう。なんだろ昔はねテレビを見て、偶然流れてきたCMを見てほしいなと思って自分で能動的に調べたりとかして、もっと欲しい気持ちが作られていったんですけど、今はもう勝手にどんどんその関連する情報が入ってきちゃうから。それを見ると、欲しくなっちゃうからやめようっていうことがもうできないじゃないすか。
木村
できない。
ダビデ
昔はできたけど。だからこの欲望がどんどん増幅されちゃって、欲しい欲しい欲しいみたいな。だから我慢するしかないんですけど、我慢をするっていうことができない人はもうとにかく買っちゃう。もう借金してでも、何でも、高騰してでも買っちゃうみたいな気持ちが膨らんでいっちゃう感じもわかるんですよね。
でも冷静にそれって本当に欲しいのかっていうのをもっとフラットで見たら、今車を持っていて別に困ってないんすよ、別に。動くし。さらにいいのが欲しいってだけなんで。単純に言うと。
ターニャ
うん、うん。
ダビデ
だから全然困ってないから、これがもう壊れるまで乗ろうっていうふうにシフトすることもできるんですけど。もう欲望のスイッチがネット広告によってとめどなくなっちゃうみたいな感じは、恐ろしい世の中になってるんだなって気がしちゃいますよね。
木村
うん。欲しい気持ちが増幅しちゃうからね。
そこまでじゃないんだけどっていう感じもあるけど、ずっと考えちゃうよね、忘れさせてくれないっていうか。
ダビデ
そう、逃げようがないですよね。スマホとか持っていると。
だから多分中学生とかが、男子中学生とかは、ターニャの前であれですけど、性に目覚めるじゃないですか。だからエロ本とかを隠れて友達とかと森の中で見るみたいなことをして。それが限定的な、その時ならではのあれだけど。今とかピッと押したらどんどんきちゃうから、仮に僕が中学生だったらそういうのを何か気になるっていやらしい写真を見たら、どんどんきちゃうじゃないですか。
木村
やばいよね。
ダビデ
これやばいと思うんすよね。
今は大人だしそんなのは別に制御できるんだけど、あの時の中学校の僕の脳みそでそんなのがバンバンきたら、それはちょっともしかしたら犯罪を犯してしまう子になっちゃう可能性もあるなと思って。
だから、この欲望の増幅マシーンみたいなのちょっとやばいなと思ってます。
木村
でもこれはもう止まらないからね。もう今までの反復的に広告を当てていくっていうことだけじゃなくて、もう今AIが入ってるから。これを検索したあなたに対しての、さらに深いところというか、よりリコメンド力が強くなってるから。
ダビデ
うん。
木村
そんなに欲しくなくて、ちょっと調べただけでもこれを調べた人はこういうことも知りたいんじゃない、これも知りたいんじゃない、もしかしてこれも知りたいんじゃないっていう。最近の検索結果って昔は検索するとそのワードに対応したリンクがドンと出てきたけど、今の検索ってリンクに飛ばさないようにしてるのって知ってます?
もちろんリンクには飛べるんだけど、そのサイトの中でGoogle検索で検索すると、そこでもう答えが見えてるから、わざわざ飛ぶ必要がなくて。
ターニャ
あー、はいはい。
木村
例えば映画八犬伝って検索すると『八犬伝』はこういう話ですっていうのがもうその場で見えてて、『八犬伝』ってどんな話?とか、『八犬伝』は誰が出てるの?とか、『八犬伝』はいつからやってるの?みたいな自分がその次に調べたいようなワードの答えが次々質問で出てるの知ってます?
ターニャ
はいはい、出てますね。
木村
あれ最近ですよね、出てきたのね?
ターニャ
確かに最近!
あれめっちゃ助かります。(笑)
木村
あれ便利だよね。『八犬伝』に出てくる八つの玉の名前は?とか、全然知りたくなくてもそこに質問があるから、さっきの買いたい本の話じゃないけど、質問がそこに出てると知りたかった自分が勝手に出てくるっていうか。
ターニャ
はい、はい。
木村
だからどんどんどんどん深く深くサイトに飛ばなくても見れちゃう感じがあって。
ちょっと前ってサイトに飛んでたから、1個サイトに飛んでまたさらにそこから飛んでいくと、どんどんどんどん違うサイトに飛んじゃって、あれ?元々何検索してたんだっけみたいなことって昔はあったけど、もうそうならないよね。
ターニャ
ならない、確かに。
ダビデ
あと何か知りたいことってそんなに深いことを知りたいわけじゃないじゃないですか。だからそういう意味でいうと、2,3行コピーって、Googleの検索内で出てくるぐらいのにちょうどいいみたいな。
木村
そうそうそう。
ダビデ
もちろんもっと知りたいみたいな感じで使うときは外部に飛ぶけど、大体Google内でてくる内容で、AIが教えてくれる状況で、大体事足りる、あーそうだよねって思い出せる感じがあるから、なんかそのぐらいでちょうどいい感じ。
ターニャ
そうですね。
ダビデ
だから広く浅く知ってくみたいな感じになってく感じかもしんないですね。
木村
だから、あれがもうみんなそういうふうに使ってるとなると、公式サイトに飛ばしてっていう感覚で僕らやってるけど、もうそこさえも成立しない可能性もあるから、あそこの質問にクリックして出てくる答えって、外部のサイトのニュースサイトをAIが、引っ張ってきてるんだよね。
ターニャ
うん。うん。
木村
どこかのサイトにニュースとして出てるものが引っ張ってられてくるから、僕らの方は公式サイトでも入れるのはもちろんなんだけど、『八犬伝』っておもしろいのっていう答えをどっかに仕込んでおかなきゃいけないし、『八犬伝』って誰が出てるの?っていうのがどっかに仕込んでおかなきゃいけないんだけど。
細かく見てたら、映画.comとかそういう大きな映画メディアだけじゃなくて、ローカル新聞の記事とかも引っ張ってきてるんですよ。
ターニャ
ふーん!
木村
だから普段だったら絶対に接触しないようなローカルメディアっていうところも、そこに出しとくとこんな形で引っ張ってもらえるのかっていうのが新たにわかったりとかして。だから、東京のメディアは情報量が多いからなかなか出してくの大変なんだけど、ローカルだから簡単ってことでは全然ないんだけど、比較的ご当地映画とかだったら大きく扱ってくれたりとかするから、ローカルの新聞なんてあんまり発行部数ないから必要ないってことではないなみたいな。
ターニャ
なるほど。でもそれはまたパブリシティに関して新しい何か考え方が生まれてきますね。
木村
そうですよ、また仕事が増えますよ、やること。(笑)
結局全部。大きいメディアから小さいメディア、都会からローカルまで、結局全部やってくださいって話になってるから大変、また寝れないよ。
ダビデ
それはAI的に、例えば一般の人のブログよりは、ローカルの新聞社っていう、そういう一応報道機関というか、調査機関ではあるじゃないすか。権威まではいかないけどプロがやってます。そのランクがあるってことなんですかね?信頼性みたいな。
木村
そうそうそう。ここ最近よく見るから調べようと思って調べたら、そこの質問を出してるのを作ってるのがアメリカのベンチャー企業で、ちょっと会社の名前忘れちゃったんだけど。
そこの社長のインタビューがあって読んでたら、そういうふうに書いてあった。信頼性の高いところから情報を引っ張ってくるから、もしこの中で正しくブランディングをしたいのであれば、きちんとしたニュースソースのメディアに情報を置いとくと、AIが引っ張ってくれますよっていうふうに答えてたね。
ターニャ
ふーん!
ダビデ
さらに来年ぐらいから、日本でも、もう海外、アメリカはもうやってるらしいんだけど、その質問を広告として買えるみたい、購入できるみたい。だから答えはAIが引っ張ってくるから、答えは変えないんだけど、ユーザーが知りたいであろうワードを購入することができるというふうになるみたいですよ。
だからやっぱ広告の考え方自体もちょっとね、今までは答えをアピールしていくっていう広告のコミュニケーションだったけど、知りたいであろう質問でコミュニケーションを取るっていう。でもそっちの方がクリックされそうだよね。
ターニャ
確かに、答えを知りたいからそうですよね。
木村
新しいなと思って。
ターニャ
新しいですね!
ダビデ
映画の宣伝とかだと、どういう質問がいいんだろう。
木村
僕が真っ先に思ったのが、この映画って面白いの?っていう質問が一番クリックされるんじゃないですかね。
ダビデ
確かに、一番知りたいのはそこですもんね。
木村
そう。そしたらどっかにこの映画はこういう年代の人が見てて、こういう感想を言ってて、思ったよりも評価が高いです、みたいなのがきちんと出てれば、いいじゃないすか。いわゆる宣伝っぽい、みんなが褒めてる感じじゃない答えがいいよね、きっと。
ダビデ
だから、Filmarksとかそういうところに飛ばすわけじゃなく、評価としての記事になってるところに飛ぶって感じですよねそう。
木村
もう何が真実で、何がフェイクなのかっていうのはもう、関係ない時代ですからね。
ターニャ
でもそうですよね。だってあの質問の一番上に来れば、例えばそのサイトがどこなんてあんまり気にしてないじゃないですか、正直。
ダビデ
全然気にしてないですね。
ターニャ
だからそれが例えば本当に素人の人が運営してるサイトであろうと、そこが一番上に出てきたら信じますもんね。
木村
信じる、信じる。
ダビデ
Googleが答えてるっていう感じですよね。
ターニャ
Googleが答えてるみたいな。そうそうそう。
ダビデ
そうそう!
木村
そうなんですよ。だから色々アプローチの方法も変わってきてるから、地上波のパワーがどんどん落ちてるっていうのはもう皆さんわかってるとこかもしれないけど、逆にWEBの中では媒体の強弱みたいなものが、もうAIが登場したことによってなくなってきてるから。出しどころ、出し方みたいなところの考え方は少し改めてかないといけないのと、それをうまく利用して中央集権になりすぎない形で出していっても、全国に届けることもできるかもしれないので。
ダビデ
確かに。だからあれですよね。映画の宣伝っていうと、いろんなところに同じような記事が結果的に、こっちがリリースを書いてご案内してるから、そのリリースを元に書いてくれる記事がいっぱい出るじゃないですか。
そういう記事っていうよりは、もう少しちゃんと媒体側が調べて、要はちょっとジャーナリズムっぽい感じになるかもしんないすけど、そっち側の記事がちゃんと出るような形になるってくって感じなんですかね。
木村
そうそう。発信したいものが出るわけじゃないからね。質問の答えが広まっていくってことだから、こちら側が作ったリリースがどんどん質問の答えになってるかっていうと、ちょっと違うもんね。
ダビデ
そうっすね。
木村
だからそれを想定したいろんな露出が必要ですってことかな。
でもそれが決して大きいところで大きく扱われている必要はないですってことだね。
それをAIに考えてもらえばいいんだな、この戦略をね。
ダビデ
確かに。
木村
AI使ってますか?
ダビデ
めっちゃ使ってますね、はい。
ターニャ
私も使うようになってきました。
木村
そうだよね。僕いつも企画書作るとき、誰かに聞いてもらうんですよ。これちょっとどう思う?とか言って、話しながらその反応を見て直してくんだけど、もう最近はAIに見てもらって、これどう思う、これどう思うって聞いていくともう的確に反応くれるから、それでこのあいだ1個企画書出来ましたよ。
ダビデ
すごいっすよね。
木村
自分一人でやってると、盛り込みすぎちゃうんだよね。例えばジャンルを決める時に、良く思われたいから、サスペンスミステリー感動巨編みたいなのを書いちゃったりするわけですよ。コンセプト書いて、こういうジャンルどう思う?って投げると最初は褒めてくれんだよね。とてもいいと思いますと。
ダビデ・ターニャ
(笑)
木村
もちろん前提は、この原作がいついつ映画化になります、こういう人に見てもらいたいんだけど、今宣伝の企画書を作ってるんだけどどう思うっていうのが前提にあって、それを自分が考えたのを見せるととてもいいですねってまず褒めてくれて、嬉しい気持ちにさせてくれ。
ダビデ
わかります(笑)
木村
強いて言うと、ここはちょっと情報が絞り込まれてないので、もしかすると絞り込んだ方が作品の特徴が見えるかもしれませんね、でも一番最初に木村さんが考えたこともていうのが前提ですよみたいな、なんかすごく丁寧に教えてくれるんだよね。
ダビデ・ターニャ
(笑)
ダビデ
いい人!めちゃくちゃいい人!(笑)
木村
すごくいい人。人でもいるじゃん?もう全然駄目っすねって、ダメ出しから喋る人とか、ちょっと残念な気持ちになるじゃん。
ダビデ
はい。
木村
もう今やAIでさえそんな気遣ってくれるんだから。
ダビデ
そうっすよね。AIすげえ優しいんだよなー。
木村
優しいよね。誰が作ってんだろ?
いいやつだよね、いいやつが作ってるからいいやつなのかも。
ダビデ
基本謙虚。でもわからない、そういうのが喜ぶよっていうプログラミングされてるんじゃないですか?
木村
そうだよね。それでどんどんどんどん使わせて金を儲けるわけだもんね。
だからここでもまんまとはまってるんだよ、俺たちはね。
ダビデ
でもいい人は間違いないから、気持ちよくしてくれることは間違いないから、それを使うわって感じですよね。
木村
使うよね。
ダビデ
しかも的確だし。
木村
そう。
ダビデ
僕も長めの文章を、これをもうちょっとわかりやすくしてくださいって言ったら、すげぇ瞬間ですごいのが上がってくるから。
ターニャ
瞬間できますよね。
ダビデ
うん、だからありがとうございますって感じですね。
木村
しかもさ、何回も何回も直しても、全然OKですって対応してくれるんだけど、ちょっとさ、相手はAIなのに4回も5回も直してると、いや申し訳ないなって気持ちがこっちが出てきちゃう感じあるよね。
ダビデ
ありますね。超ある。
木村
でもさ、なんか何回も直して感じるのは、一発目が一番いいのを出してくるよね、大体。
ダビデ
確かにそうかもしんない。
木村
一発目がいいから、同じような方向性であと4個ぐらいバリエーション出る?とか言うとさやっぱり1個目が一番いいんだよ。だからAIは手を抜かないんだよ。一発目で全力で出すんだろうな。
ダビデ
すごいっすよね。でもたまに言われるのはもう少し具体的なことを教えてくれればとか、そういう要望をされて、確かにばくっと指示してた時。
木村
そうだよな。
質問する側の質問の能力のレベルの低さを優しく指摘してくれる。(笑)
ダビデ
そう、そう、そう(笑)
優秀だなー。
木村
確かにこの具体性のない質問じゃ答えようがないよなって、AIだとさそうやって言ってくれるけどさ、自分の部下とかだと、「なんかよくわかんねーなこの人言ってること」って言いながら、わかりましたって言いながらやるわけじゃん。かわいそうだよね。
ダビデ
いやAIは素晴らしいですね。
ターニャ
ありがとうございました。では、本日はここまでとさせていただきます。
そしてKITTラジオではリスナーの皆様からのご質問を募集中です。概要欄に記載のメールアドレスに日々の生活に役立てたい、こんな話を聞きたいなど、ぜひお送りください。ありがとうございました。
木村・ダビデ
ありがとうございます。
<END>
映画の宣伝プロデューサーが日々考えていることをあれこれ雑談!
★宣伝プロデューサーに向いてる人 後編
★宣伝プロデューサーに向いてる人 前編
★「エンタメ」と「インバウンド」
★〈番外編〉激推しの「ルックバック」を見てみた。
★宣伝ターゲットの決め方は?
COMMENT
コメントをするにはログインが必要です。不明なエラーが発生しました