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【KITT RADIO #27】宣伝ターゲットの決め方は?

2024-08-01更新

マーケティング目線で世の中を見ると、見えるものが変わってくる!

映画の宣伝プロデューサーが日々考えていることをあれこれ雑談す
「KITT RADIO|マーケティングあれこれ雑談」

出演:木村徳永さん(KICCORIT)、ターニャ(KIQ REPORT編集部)

 <#27のキーワード>
・リサーチをもとにしたターゲティング
・最近のトレンドは“応援団を形成する”
・マスで考えない、ターゲットの細分化がポイント

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【YouTube】

【Text】(文字起こし)

ターニャ
木村さん本日はですね視聴者様から、質問をいただきまして、今日はぜひ木村さんにそれをお答えいただきたいなと思っております。

キコリ 木村
分かりました。

ターニャ
質問がですね、「映画宣伝のターゲットってどう決めてるんです」かという質問をいただいておりまして、結構、ざっくりした質問ですが、木村さんのお話をお伺いできればなというふうに思いますが、どう決めてますか。

キコリ 木村
そんな難しいこと考えてないですよ。だって、ターゲットって何かって言うと、映画を見たい人じゃないすか。だから映画を見たい人をターゲットにしますっていうそれだけですね。

ターニャ
なるほど。

キコリ 木村
そうー、だから、原作ものだったら、原作ファンの人がまずターゲットになるじゃないですか。でも原作ファンの人に嫌われちゃうような映画だったら、ちょっと問題ですけど、結果的にファンが求めているものと違うパターンはありますけど、前提としては、ファンに見てもらいたくて作ってる作品がほとんどじゃないですか。

ターニャ
確かにそうですね!

キコリ 木村
だからターゲットの中心は、そういった原作だったり、連載しているコミックとか、そういう放送してるアニメとか、そういう大元の作品が好きな人っていうのはターゲットなんじゃないですか。

ターニャ
なるほど、なるほど!

キコリ 木村
そこで足りるかどうかってところですよね。

ターニャ
はい、そうですよね!

キコリ 木村
だからターゲットの設定で難しいのは、どこにお客さんがいるのかって探すことよりも、目標設定がどこにあるかってことなんじゃないですか。

ターニャ
なるほどー、はい。

キコリ 木村
100万部売れている原作で、100万人のうち30万人の人が来てくれて、それで十分ビジネスとして成り立つ目標設定だったら、もうそこでOKじゃないですか。

ターニャ
はい、そうですね。

キコリ 木村
原作ファンの中で30万人みたいっていうのを40万人、50万人にするにはどうすればいいのかって考えていけば、いいわけですよね。

ターニャ
うん、うん、そうですね。

キコリ 木村
でも大体その目標設定がもっと高いんですよね。

ターニャ
そうですよねー。

キコリ 木村
だからその原作ファンだけでは足りない部分をどういうふうに設定するかっていうところが、コアターゲットの次に存在するサブのターゲットになると思うんですけど。そこの設定はあれですかね、その原作が好きな人も、その一個だけの原作を好きっていうことではないじゃないですか。

ターニャ
うん、そうですね。

キコリ 木村
過去には他の作品も好きだろうし、同時並行で別の作品も好きだろうし、でも大体こういう作品が好きだっていう傾向はあると思うんですよね。

ターニャ
はい!

キコリ 木村
だからそのコアファンの人が好きである傾向を色々リサーチをしながら見つけ出して、こういうのが好きな人は、この辺の作品も好きなんじゃないかっていう仮説とともに、ターゲットを導き出すっていうのが、2段階目かなと思いますね。

ターニャ
うんうん。

キコリ 木村
それでも、足りないっていうのが、ターゲットなので、コアがいてサブがいて、今例に挙げた人たちは、見る理由を持ってる人たちなんですよね。

ターニャ
うん、確かにそうですね。

キコリ 木村
この人が出てるから見ようとか、この原作好きだからちょっと確認してみようとか、この人が書いた作品結構面白いから、これも面白いはずだって言って、類似作品が好きな人が動いたりとか、そこ見る理由があるじゃないですか。

ターニャ
はい、はい。

キコリ 木村
その次がエンターテイメント・ライト層っていうところだと思うんですけど、何となく映画を選んで見ているっていう人たちがいるわけですよね。例えばアニメの作品のターゲットを決めるっていうときは、やっぱりそのアニメのコアファンを設定して普段アニメをよく見る人っていうのを、コアなターゲットとして設定していくはずなんですけれども。

ターニャ
はい。

キコリ 木村
でも、普段アニメは見ないけど、見に行く人たちも当然いるわけじゃないですか。

ターニャ
うん、そうですね。

キコリ 木村
その人たちは原作は追っかけてないけど、なんかそういうブーム感だったりとか、なんかお客さんが入ってるぞとか、そういった二次的情報を受け取って、ちょっと何か流行ってるから見に行こうとか、評判がいいから確認しておこうとか、そういった感度が高い人っていうのがたくさんいるわけですよね。

ターニャ
うん、はい。

キコリ 木村
その感度高い人たちが、男性女性、性別で分けたときに特徴があるのか、年齢で分けたときに、若い人の方が反応が高いのか、年齢層高い人の方が反応が高いのかっていうことで、いろんな角度から見ていきながら、ある法則を見つけ出して、この辺がもしかしたらこの作品好きなんじゃないかっていう仮説をもとにまたリサーチをして確認しながらターゲットを決めてくみたいなことなんじゃないでしょうか。

ターニャ
うん、そうですね。やっぱその広げてく作業って結構本当に仮説を立てて広げて、また違ったらまた仮説立てて広げてっていうその繰り返しで広げてるってことですよね。

キコリ 木村
そうですよね。そんな感じで広げていってます。あとは原作がない場合っていうのがあるじゃないすか。

ターニャ
はい。

キコリ 木村
完全オリジナルだと、ベースになるコアファンがいない場合はどうするのかっていうのがありますよね。ターニャはどうしてますか?

ターニャ
そうですね、でもちょっと難しいですけど、同じ作品はないですし原作もないですけど、似た作品とかどういう人が見てたのかなとか、この作品を好きそうな人はどんな人かっていうところで、仮説を立てながら考えてるのかなと思いますけど、どうでしょうか?

キコリ 木村
なるほどね、それもそうですよね。難しいですよね。答えないですから、もう。そのターゲットをどうやって設定するのかって、難しいですよね。それが、簡単だったら、もっとお客さん入るわけで。

ターニャ
そうですね。

キコリ 木村
ニーズがあるからニーズがあるところに情報を出すからお客さんが動くのかっていうことなのか、面白い情報を出すからニーズが生まれるのか、どっちかっていうところもあるわけですよ。

ターニャ
うーん

キコリ 木村
そのコンテンツとしての吸引力が高い、オリジナリティのある作品だったら、元々そういうのは好きじゃないんだけれども、情報を出していったら見たくなるっていうパターンもあるわけじゃないすか。

ターニャ
そうですね、確かに。

キコリ 木村
だから色々じゃないですか。

ターニャ
そこは作品に合わせてってことですよね。だから結構試し試しに、やってるっていうところもありますかね、宣伝の中で。ニーズ重視の情報出しと、盛り上がり重視の情報出し、そういうのもちょっと比べながらも考えたりとかしてますか。

キコリ 木村
そうですね。ターゲットは最初に作り上げるものではあるんだけど、情報を出しながら、そのターゲットをあぶり出し、そこで応援団を形成するっていうのが最近の流れじゃないすか。

ターニャ
確かに、そうですよね。しかも広げてくっていうことも考えていくと、やっぱりその情報出しの中で、さらに厚くしてくとか、更に広げてくみたいなことをやってますもんね、最近。その熱量というか。

キコリ 木村
そう、だから何かちょっと情報を出しながら少しずつ、反応を見ながら、深いところの情報を与えながら応援をしてもらうような、コミュニティを形成していくような流れがあるかもしれないですね。

ターニャ
そうですね、確かに。

キコリ 木村
意外とこの話難しいね、ターゲット設定の話、結論がないから。

ターニャ
そうですね。でも基本はやっぱ初め考えてたもののベースがありつつ、そこからそこをベースに広げてくのか、何か熱を熱くしていくのか、っていう感じですかね。ターゲットの考え方として。

キコリ 木村
ターゲットってそもそも何のために設定する必要があるのかっていうところから考えていくと、やっぱりその作品が元々ポテンシャルとして好きな人がいれば、それはターゲットに入りますよね。

ターニャ
はい、入りますね。

キコリ 木村
その次の層は、この作品が好きな可能性がある人たちっていうところで、その人たちをまとめていくと、こういう属性の人たちだなっていうのが見えてくるわけだけど、じゃ、何でそれをあぶり出す必要があるのかってことがポイントだとしたら、何だと思いますか。

ターニャ
やっぱりその相手が誰かわかってないとコミュニケーションが取れないからだと思います。

キコリ 木村
その通りですね。だから、こういうプロファイルの人がターゲットだよっていうのが見えてくると、この人はこういう媒体を読んでそうだなとか、こういう時間帯にこういう行動してそうだなとか、みんながみんな同じ行動するわけじゃないんだけれども、何か代表的な行動パターンのイメージが見えてくるじゃないですか。

ターニャ
はい、そうですね。

キコリ 木村
そうするとAという媒体よりもBという媒体がいいなとか、Bっていう媒体に出すにしてもこういう切り口で行った方が、このターゲットは反応するんじゃないかなとか、そういうことを決めていくためにはターゲットは絶対必要ですよね。

ターニャ
そうですね。

キコリ 木村
でもこの最近の流れでいくと、ABCというこの三つのターゲットで、大きな動員を図ろうとしたときに、なかなかうまくいかないわけですよ。なんでかっていうと、やっぱりマスっていう媒体自体がもうなくなってきて、どんどんどんどん細かいグループに分かれているから、そのターゲットを設定するのも、細かいターゲットがたくさん必要になってると思うんですよね。そう、だからいろんなターゲットに向けていろんな切り口が必要だし、短期集中でリーチすれば意欲が上がる人たちもいれば、長期でいろんな情報を出していかないと意欲が上がらない人たちもたくさんいるので、何かそういう意味では、ターゲットがどんどん大事になってくる。

具体的に、ターゲットのイメージをしていくってことが大事になってきてるような気がしますね。昔はね、男性か女性かみたいなこととか、30代の女性がターゲットみたいなことでざっくりとしてた時代もありましたけれども、その中でどういう趣向性の人たちが、メインのターゲットなのかっていうのを考えていくのが大事な時代にはなってるような気がします。

ターニャ
はー、それはすごく面白いですね。だからデモグラって言われるものではなくて、もっとよりそのサイコグラフィック、そこがすごく大事になってるってことですかね。

キコリ 木村
そうですね。じゃーそれをどうやって決めるんですかっていうのが質問なわけじゃないですか。

ターニャ
はい。

キコリ 木村
もうまずは想像していくしかないですよね。この辺の人が好きかなっていう仮説を立てて、それを検証していくしかないので、何回かリサーチしながら、仮説に対して、合ってるのかどうか、反応が良かったのか悪かったのか。言い回しを変えてみたら、どこの層が反応がいいとか、そういったことをやりながらターゲットを絞っていくそういう形で決めてることが多いかもしれないですね。

ターニャ
ありがとうございます。

ダビデ
すみません、ちょっと横入りいいですか?

キコリ 木村
どうぞ。

ダビデ
すみません、裏側をやってますダビデですけど。
一方ですけど、なんか僕もものすごく細分化しててやってくって感じだけど、結果あの映画ってどうやって当たったのかなとか、この前のあの都知事選の石丸ってどうしてあのナンバー2になれたのかなっていった時って、どうしてもこれは若者が切り抜きの動画をいっぱい作って、ばらまいたことによって、YouTubeとかで、若者、若者だけじゃないけどシニアには届かないけど、三、四十代ぐらいまでの、あんまり選挙に行かない層が動いて、5%ぐらい投票率伸びたっていうじゃないですか。

だからデモグラフィックからサイコグラフィック、これもサイコグラフィックなのか。すいません、何が言いたいかっていうと結果デモグラにた戻ってる気もしちゃってて、なんか。この年代はこういうのをやってる人が多いよねって昔からそうなんのかもしんないですけど。

キコリ 木村
あとはね、石丸戦略でいくと、なんかねトレンドの作り方が、短期トレンドと、長期トレンドの作り方をうまくやってる感じだと思うんですよね。

ダビデ
うん。

キコリ 木村
石丸さんって、実は大したこと言ってないですよね。

ダビデ
はいはい、そうですね。

キコリ 木村
ポイントとしては、大したこと言ってないんだけど、僕のイメージでは、時間をかけて小さくアプローチしていることの数が多いっていうふうに思ってんですよ。だから究極は1人ずつ1000回口説いている感じに近いんじゃないかなと思うんですよ、これ、もうマスを対象にしてテレビでドーンと視聴率10%バーンって喋っても、何も届かないんだけど、10人集めて熱量高く10人に話をしたら10人の心には深く刺さってるはずなんですよね。

それを永遠、永遠、永遠、永遠に深くやり続けたのがこの長期トレンドの作り方で、最後の爆弾の短期トレンドのぐわって上がるところに関して言うと、それはね、最後マスコミが踊らされてるところで、「最後の追い上げがすごいです」とか、何かそういうところに、今までマスコミが扱わなかった分、そこが最後の追い込みのところで扱い始めたから、その長期で作ってきたトレンドの部分がきちんと昇華したんじゃないかなみたいなイメージだと思うんですよね。

ダビデ
なるほど。

キコリ 木村
だからそれが、YouTubeの中でいくと、こたつ記事をせっさかせっさか書いてるような、ああいう拡散も聞いてるんだけど、ベースになる部分としては、もう本当に1対1のコミュニケーションの対人コミュニケーションを大事にした、少人数の応援団の形成っていうところを徹底的にやったから、成功したんだと思うんですよ。だから決してYouTubeでバズったってことだけではない気がしますね。

ダビデ
なるほど、じゃーまさにここで今日話してたみたいな、マス媒体じゃなくて細かいターゲットに対して具体的なアプローチを細かくやって、この人、この10人この10人っていうのをやり続けてだすとマスで、だからまさにそういうプロモーションですよね、今は。

ターニャ
ありがとうございます。ターゲットをしっかりと見据えて、それぞれのターゲットに対してしっかりとコミュニケーションをとっていく必要性が重要ですね。
いやー、今日もとても勉強になりました!ダビデさんも飛び込み参加ありがとうございました。

それでは、本日はここまでとさせていただければと思います。
本日は、リスナーの方からの質問にお答えする形でお送りしましたが、KITTラジオでは引き続きリスナーの皆様からのご質問やご感想を募集中です。概要欄に記載のメールアドレスに、日々の生活に役立てたいこんな話を聞きたいなど、ぜひぜひお送りください。
本日もありがとうございました。

キコリ 木村
ありがとうございます。

<END>

映画宣伝 映画宣伝プロデューサー キコリ 木村


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