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【KITT RADIO #30】宣伝プロデューサーに向いてる人 前編

2024-09-27更新

マーケティング目線で世の中を見ると、見えるものが変わってくる!

映画の宣伝プロデューサーが日々考えていることをあれこれ雑談す
「KITT RADIO|マーケティングあれこれ雑談」

出演:木村徳永さん(KICCORIT)、ターニャ(KIQ REPORT)、ダビデ(KIQ REPORT)

 <#30のキーワード>
・映画宣伝に向いてる人と向いてない人
・担当する映画のいいところを見つけるのが仕事
・評論はいらない。面白がれる無垢な心。
・仕事として映画に向き合う、心のスイッチの切り替え

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番組では宣伝プロデューサーに聞きたいことなど、リスナーの皆様からの質問も募集中!
その他、ご意見・ご感想は<info@kitt-marketing.comまでお寄せください。

 

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【YouTube】

【Text】(文字起こし)

ターニャ
今日は、私は皆さんと話したいことがありまして、やってきました。

キコリ 木村
何ですか?

ターニャ
最近ちょっと私も仕事していて、たまに宣伝プロデューサーをやらせていただくんですけど、あと、後輩もこれから目指してくっていう感じで頑張っているところではあるんですけど、実際やっぱ宣伝プロデューサーってすごい大変な仕事だなとか、あと悩むことも多いんですけど。
木村さんや、ダビデさんもそうですけど、なんか宣伝プロデューサーに向いている人とか、何かこういう人があってるとかってあったりしますか?

キコリ 木村
なるほどなるほど。ちょっと簡単に答えるのは難しいんですが、宣伝プロデューサーに向いている人と、向いてない人はいるような気がします。

ターニャ
それはなんですか、ズバリ?

キコリ 木村
ズバリはないけど(笑)
ズバリ一言でこういう人ですっていうのは、ないんですけど。

ターニャ
はい、はい、はい(笑)

キコリ 木村
映画の宣伝って、まず前提としては誰でもなれると思うんですよ。

ターニャ
はい。

キコリ 木村
向き不向きはあるけど、誰でも目指せると思っていて。

ターニャ
はい。

キコリ 木村
特別な技術が必要だったりとか特別な知識が必要だったりとか、目指すときにその知識はなくても、全然宣伝を少し勉強すれば理屈はわかるし、そういう特別なことじゃないと思うんですよね。

でも、誰でもなれるといいながら向き不向きがあるっていうところでいうと、やっぱね、なんか映画の宣伝って平たくいうと、まず最初に大切なのは自分が担当する映画を見て、めちゃくちゃ面白いって面白がれる心だと思うんですよね。

ターニャ
なるほどですね。

キコリ 木村
そう。だから時々聞かれるのは、もし自分が好きじゃない映画の担当になったらどうするんですか?って質問してくる人がいるんですけど。

ターニャ
はい。

キコリ 木村
好きじゃない映画を担当することなんてないわけですよ。

ターニャ
ふーん!

キコリ 木村
そう。好き嫌いじゃないから。

ターニャ
なるほどですね。

キコリ 木村
そう。だから自分が担当する作品のいいところを見つけるのが仕事だから、それが好きか嫌いかっていう目線で見るわけじゃないですよね。

ターニャ
なるほど。

キコリ 木村
そう、だからどんな映画でも、どうやってもいいとこが一つも見つけらんないから、この映画は嫌いって思っちゃう人は、その人は、宣伝プロデュースは絶対できないですよね。だっていいとこ見つけられないんだもん。

ターニャ
そうですね。

キコリ 木村
そう、だからまず一番大切なのは、あまりにも当たり前だけど、映画が面白いって心の底から思えることと、その次に必要なのは、自分がすげえ面白いと思ったことを聞いて聞いてって、こんな面白いんだけど見た方がいいよって、伝えたいって思えること。

ターニャ
なるほど。

キコリ 木村
もうあまりにも単純だけど、面白がれない人っているからね。

ターニャ
いや、いると思います。なんか今木村さんすごい当たり前って言ってましたけど、そこが本当にできてる人ってなんか少ないんじゃないかなって私はちょっと聞いてて思いました。
もちろん仕事だけど、それを心から楽しむっていうか、心から好きになって仕事できてる人って、本当はそんなにいないんじゃないかなって。すごい当たり前だけど、できてない人っていそうだなって私は思いましたね。

キコリ 木村
確かに。僕ね、他の宣伝プロデューサーと話していたときに、いや、本当はこの映画こんな感じなんだけどさ、みたいになんかちょっと魅力じゃないところを言ってくる人が時々いるんですけど、それ聞いちゃうともう絶対見ないっすよね。

ターニャ
そうですね。

キコリ 木村
だからやっぱりそういう駄目なところが気になっちゃう宣伝プロデューサーって人も中にはいるんだと思うんだけど。その本当面白くないと思ってる作品を永遠に宣伝してくって多分辛いですよね。

ターニャ
いや、めちゃくちゃ辛いですね。

キコリ 木村
だからこれって本当に面白いと思ってるかどうか、ちょっとわかんないんだけど、自分で自分に魔法をかけてる可能性もあるわけですよ。

ターニャ
うん、うん。

キコリ 木村
自分が担当した作品でつまらないって思った作品は1本もないんだけど、でも自分で個人的に映画を見に行くじゃないですか。

ターニャ
はいはい。

キコリ 木村
そういう場合は、これイマイチだったなとか、もちろんすげえ面白かったっていうのがあるんだけど、ええー2時間ちょっと残念みたいな作品も当然あるわけ。
ということはその感覚で仕事に向き合ってたとしたら、いやマジか、この映画宣伝するのか、辛いなっていうところからスタートするパターンもあってもいいと思うんだけど、やっぱ仕事で映画を見るのと、個人的な趣味嗜好で映画を見るのと、やっぱね全然違うと思うんですよね。

ターニャ
いや、そうですね、確かに。ちょっと何かそこを混同していたかもしれないです。私もなんか今聞いてて。

キコリ 木村
だから面接とかしてると、私映画好きなんでっていう人がほとんど。当然、映画が好きな人が映画の仕事に就きたくて入ってくるんだけど。

ターニャ
はい。

キコリ 木村
映画をたくさん見てれば見てるほど、もう自分の中にそういう面白い、面白くない、これはいい、これは良くない、この音楽はいいけどここの音楽は良くないとか、評論する心がもし出来上がっちゃってたとしたら、職業として宣伝プロデューサーは、ちょっとマインドを少し変えないとちょっと違うのかもしれないなって気がしますね。

やっぱり宣伝プロデューサーってもう、盲目的に担当した作品を愛して、まっ、愛してっていうのはあれけど(笑)別に愛さなくてもいいんだけど、もう面白いところを、誰も気づかない、どんなに些細な面白い部分でもいいから見つけ出して、それを伝えてくっていう役割だから、つまらないところをとか、駄目なところなんて、誰でも見つけられますよ、そんなの。

ターニャ
確かに。

キコリ 木村
だから、そう考えると作品のいいところを自分の心できちんと感じ取れるっていうのは、必要最低限な条件かもしれないっすね。

ターニャ
なるほど。

ダビデ
確かに。完璧を求めちゃうみたいな、映画が好きすぎて、もちろん映画が好きでこの業界入ってくる人も多分いろんな映画を見てつまんなかったなとか、面白かったなっていう、いろんな経験を積んでいて、マルっと映画好きって感じだけど、多分その人たちも多分好き嫌いがあるじゃないですか。
だけど、その好きな映画の宣伝を、偶然でもできればラッキーなんだけど、そうじゃない映画も宣伝することがあるから、その時にどう宣伝プロデューサーとして向き合えるかっていうのは、ちょっとなんていうんすか、なんかちょっと難しいですけど凝り固まってる人はちょっと難しいかもしんないっすよね。

キコリ 木村
そうね。

ダビデ
映画とはこういうことですっていうふうに、ちょっと評論的な立場で向き合う、映画との関係がそうなっちゃってる人はちょっと難しいのかなって今聞いてて思ったんすけど。
だから逆にいうと、もうちょっとスポンジ的に何でも吸収できますみたいな人の方が、なんか凝り固まってなくて、それも面白い、それも面白いってどんどんいける人の方がもしかして向いていそうな気がしますね。

キコリ 木村
そう思います。
だってさ、子供の頃に映画を見た記憶を思い出すと、もう何見ても面白かったじゃん。何見ても驚いたし、全てが新しくて、うわすげえ、またすごいのが来たよって、映画=面白いものでしかなかったじゃん。

ターニャ
確かに!

キコリ 木村
だんだんそれが慣れてくると、これは面白いのかな、つまらないのかな、っていう自分の価値基準が入ってきて、これはいまいちだよとか、この監督は好きだけどとか色々プラスアルファの知識が入ってくるけど、それが入ってくる手前の気持ちに戻らないと、戻れば何でも楽しめるはずだよね。

ターニャ
そっかー。

ダビデ
それ超思いますね。

なんか、すげー脱線しますけど、うち娘がいて、自分の奥さんの教育方針だとあんまテレビ見せないんですよ。あんまテレビ見せてなくて、唯一1日1回見ていい時間があって、そこでいつも「おさるのジョージ」を見てたんですよね。もう1年ぐらい、ずーっともう同じのを繰り返し繰り返しずーっと見てたけど、ある日僕が他のも見せてあげたいなと思って見せちゃったら、もう2度と「おさるのジョージ」を見なくなってしまって。だから、どんどん違うものをどんどん見たくなる欲望に走っちゃってるんですよ。
だからどんどん選択肢が増えると、それはそれで感動は毎回あるんだと思うんですけど「おさるのジョージ」でずっと何回もループして見てるのに毎回感動してたものが、なんかなくなってきた感じは若干あって。

僕も初めて見たときの感動みたいなところはすごい覚えてるから。初めて「ドラえもん」を映画館で見た時とか。映画館という空間に入ったときの感動みたいな今も残ってるんで。
なんかすいません。すげー脱線してますけど。

キコリ 木村
いや、でもそれ一番大事だと思うよ。
だってそこにはさあ、誰が監督で、誰が主演で、誰が主題歌つけてるっていう情報って全く関係ないじゃん。物語の展開がどうなのか、それがどういう映像描写で伝わってくるのかっていうことだけでの評価じゃん、面白いっていう風に思える。

ダビデ
はい、はい。

キコリ 木村
そこに演技の上手い下手っていう基準もないわけじゃん。

ダビデ
ないっすね。

キコリ 木村
そう。やっぱり無垢な心で作品と向き合うっていうことが、本当にそこに映画制作者が込めた想いがまっすぐ届く形だと思うから、まずはその目線で見る、それで何を受け取ったのか、それをどう伝えていくのかっていうところがやっぱ大事な気がするね。

ダビデ
確かに。

キコリ 木村
だからやっぱ担当してる作品は何見ても面白いっていうのは、多分そこなんだと思うんだよね。何が良い、何が悪いじゃないんだもん。どこが面白いのかっていう、もう一点だから、見る心構えとして。

ダビデ
そうっすね、邪念があるとちょっと何か言いたくなりますもんね、なんか。

キコリ 木村
なる、なる。

ダビデ
悪いところを言いたくなっちゃうみたいな。

キコリ 木村
そう、宣伝始める前って試写を見るわけですよね、宣伝のスタッフとかで。あと完成する前にラッシュで見れるパターンもあるわけですよ。

ターニャ
うん。

キコリ 木村
だからそのときにやっぱり、見た人全員が、宣伝の担当は売る側だから、もうめちゃくちゃ面白いって思えると幸せだよね。でもどうだった?みたいなこととか、あと宣伝のレポートとか上がってくるのを読むと、やっぱりいいとこ、悪いとこみたいなのが並んでるわけですよ、同じぐらいの分量で。

ターニャ
なるほどですね。

キコリ 木村
でもそれってやっぱり目線として、どうなのかなっていう気持ちはやっぱちょっとあるといえばある。多分ね、いいところを見つけるのと、悪いところを見つけるのと、どっちが難しいですかっていったらやっぱりね、いいところを見つける方が難しいと思うんだよね。悪いところなんて、誰でも見つけられる。ターニャってさ、こういうとこ嫌だよね、ってそんな誰でも言えるけど、いやいや、ターニャって意外とこういうとこあるよっていうのを見つけてあげるのって、やっぱりそっちの方が難しいじゃん。表面的に出てくる部分じゃないところに、大体良さは潜んでいるから。

ターニャ
うん、うん、うん。

キコリ 木村
そう。だからやっぱりその宣伝担当者が出す映画の感想としては、やっぱりいいことを言うべきであって、それが十分に伝わった後に、この人はこの作品のいいところ、こんなに深く理解してるんだってわかった後に、ここはこう思ったっていう、わかりにくかったところがあったりとか、ここはちょっとこういう気持ちになったとか、少しネガティブなポイントがあるっていうのはいいんだけど。やっぱり人によってはもうお客さんと同じ気持ちで、なんだよ、長いなこの映画みたいなこととか、なんかラストよくわかんなかったっすね、みたいなこととか、そういうことを言っている宣伝担当もいるわけですよ、中には。でもそれはやっぱり仕事になってないような気はしますね。

ターニャ
そうですねー。

キコリ 木村
映画を仕事で見るっていうのはどういうことなのかっていうところがわかってないと、全然駄目なので。やっぱり宣伝プロデューサーになる、向いてる、向いてないみたいなところは、そういう心のスイッチの切り替えができるかできないかみたいなこととか、そういうことが大事なのかなって思いますけどね。

ターニャ
確かにうん、それはそうですね。

ダビデ
意外とそれはそれですごい能力の気がしますね。

ターニャ
本当そう思います。

ダビデ
テクニックではないかもしんないすけど、そうなれる人となれない人は意外といそうな気がするなと思って。

ターニャ
はい、ありがとうございます、本日はここまでとさせていただければと思います。
続きは次回、楽しみにしていてください!

そしてKITTラジオではリスナーの皆様からのご意見・ご質問を募集中です。概要欄に記載のメールアドレスに日々の生活に役立てたい、こんな話を聞きたいなどぜひぜひお送りください。本日もありがとうございました!

<END>

映画宣伝 映画宣伝プロデューサー キコリ 木村


映画の宣伝プロデューサーが日々考えていることをあれこれ雑談!
「エンタメ」と「インバウンド」
〈番外編〉激推しの「ルックバック」を見てみた。

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