業界人インタビュー

【ENDROLL】「データと映画愛」デジタル広告プランナー 雫石海さん~前編~NEW

2024-11-15更新

この業界、とにかく面白い人が多い。

そんな気づきから、映画・エンタメ業界で働く人とその成りに焦点を当てたインタビュー企画「ENDROLL エンドロール ~業界人に聞いてみた」。
業界の最前線で働く方にインタビューを行い、現在業界で働いている人はもちろんのこと、この業界を目指している人にも刺激を与えていきたいと思う!

 

今回は、エンタメに特化したデジタルマーケティング・広告代理店業やリサーチなどを展開しているGEM Partners 株式会社にて、デジタル広告プランナーとして活躍する雫石海さんに話を伺った。

前編では、雫石さんの人生に大きな影響を与えた「古畑任三郎」との出会いや、日本芸術大学で映画宣伝を学んだ経験がターニングポイントとなったエピソードをお届けする。

「古畑任三郎」から全てが始まったー

テレビドラマ「古畑任三郎」に影響されて、小学生で脚本を書き始めたという雫石さん。脚本家を目指して日本芸術大学に進学後、GEMに入社することになった経緯について聞いてみた。

KIQ:現在の主な業務は?

雫石:デジタル広告のプランナーとして、映画作品を中心に、広告のプランニングから運用まで一括して担当しています。

KIQ:入社されてからずっと現在の業務をご担当されているのですか。

雫石:いえ、僕は新卒でGEMに入社したのですが、当時はリサーチ業務を担当していました。その数年後、現在のデジタルマーケティングの部署ができたことをきっかけに異動になり、5〜6年デジタル広告の業務をやっていまして、ありがたいことに今はチームの副統括までやらせてもらっています。

KIQ:そもそもなぜGEMさんに入社しようと思われたんですか。

雫石:僕は、日芸(日本芸術大学)出身で、大学で映画について勉強していたんですが、入学当初は映画にそこまで強い思い入れはなかったんです。でも、授業などで否応なく色々な映画を見る機会があり、気づくと映画が好きになっていました。ある日、映画宣伝の授業がありまして、そこで結構褒められて、宣伝ってすごく楽しいなという印象を勝手に受けまして(笑)、それで宣伝に興味を持つようになりました。その後、就活がうまくいっていない時期に教授に相談していたら、社長と知り合いだったということもあり、GEMのアルバイトを紹介してもらいました。そこで実際に働いてみたらとても面白かったので、そのまま入社しました。

KIQ:そういった経緯だったんですね。ちなみに、日芸に入学したきっかけは?

雫石:きっかけは「古畑任三郎」です。子供の頃、僕の家庭ではアニメやドラマをあまり見せてもらえなかったのですが、父が好きだったウルトラマンと、母が田村正和さんの大ファンだったので「古畑任三郎」だけは一緒に見ることができたんです。「古畑任三郎」をきっかけに、「話を作る仕事って面白そうだな」と思い始めて、小学生の頃は友達と一緒に「古畑任三郎」のミニ脚本を書いて、みんなで劇のようなものをしていました。

KIQ:え、小学生で脚本を書いていたのですか?

雫石:はい、小学生の頃から脚本家になりかったんです。『スター・ウォーズ』をもじって「シーウォーズ」なんて作品を作ったこともあります(笑)カメラを一時停止して、人を少しずつ動かして瞬間移動しているように見せる映像を作って、学校に自由研究として提出したりしていました(笑)

KIQ:すごい!では日芸では脚本を専攻されていたのですか。

雫石:はい。でも、脚本以外にも映画ビジネスや映画批評、映画宣伝の授業もあって、宣伝のおもしろさを知ることができたので、自分でもすごく運命的なものを感じています。

KIQ:実際にGEMさんでアルバイトを始めてみて、どんなところに面白さを感じたのでしょうか。

雫石:アルバイトの時は細かいアンケートの集計や、当時はYouTubeがまだそこまでマーケティングに使われていなかったのですが、YouTubeと興収と相関があるかなどデータ分析などをしていました。数字を見ながら映画の裏側を知れたのは楽しかったですね。元々細かいデータなどを見るのが好きなタイプだったこともあり、性に合っていたのだと思います。

KIQ: :細かい数字を扱うのは元々お好きだったんですね。

雫石:そうですね。逆にそこに面白さを感じられないとGEMにはあまり向いてないかもしれません(笑)

まずは、作品を好きになる。

デジタル広告プランナーのやりがいやおもしろさについて詳しく聞いてみた。どんな作品でも “作品を好きになること”が大事だと、熱く語ってくれた。

KIQ:現在の業務でおもしろい部分ややりがいはどんなところですか?

雫石:データを使った細かい調整ができるのがデジタル広告の強みなので、ターゲットを細かく絞ったり、さまざまな工夫を凝らすことで、宣伝効果を最大限に引き出せるところが楽しいです。データを活用しながら、より良いプランを作っていくことにやりがいを感じます。

KIQ:御社のエントランスにはエンタメ関連の本がたくさん並んでいましたが、やはりエンタメ好きの方が多いのですか。

雫石:そうですね。もともとは映画好きが多かったのですが、最近は会社としても映画以外のエンタメコンテンツにも業務を広げていこうとしているので、ゲーム好きや漫画好き、推し活をしている人など、映画以外のジャンルに強い社員が増えてきました。僕は漫画やアニメにはそこまで詳しくないので、そういった作品を担当するときは知識のある人に協力してもらいながらプランを作ったりしています。

KIQ:プランを考える時に、ターゲットや広告の内容、実施期間などを細かくカスタマイズする作業はやはり経験が重要なのですか?

雫石:はい。過去の経験やデータを活かしつつ、各SNSの傾向などを踏まえてプランニングしています。

KIQ:今、SNS広告ってちょっと違うフェーズに入ってきたのではないかと感じる部分があるのですが、そういった感覚ってあったりしますか…?

雫石:あります。やっぱりコロナ以降でメディアの利用者層も、各広告のメニュー自体も変化していて、アップデートの周期が早くなっている感覚があるので、そこはしっかり追いかけていかなければなと。

KIQ:変化をキャッチアップしてくことが重要なのですね。

雫石:はい。弊社は代理店であるがゆえに、色々な会社さんの様々な方の意見に出会えるので、それはすごく刺激的でおもしろいですし、すごくありがたい環境だなと思っています。あとは、デジタルマーケティングの中でも、映画って本当にすごく特殊だと思っていて。初週に人を集めることが重要なので短期間の勝負になることや、全く同じ内容の作品はないわけで、そうなると宣伝やデジタル広告の戦略も全く同じものはなく、各作品に合わせた宣伝をしていくことが難しいところでもあるし、そこが携わっていて一番楽しい部分でもあります。

KIQ:自分と全く接点のなかった作品を担当することになったら、やはりドキッとするものなのでしょうか。

雫石:ドキっとはしますが、どんな作品でもまずは好きにならないと宣伝はできないと、僕はいつも思っているんです。なので、以前『セーラームーン』を担当した時も研究のために見始めたらすごくハマってしまって、原作も全て読みましたし、テレビアニメもめちゃくちゃ見ました!他の作品でも公開されてから劇場に8回見に行くほど好きになったり、『街の上で』という作品に影響されて、下北に住み始めたりとか(笑)本当に作品に影響されやすいタイプなんです(笑)

KIQ:のめり込むタイプですね!確かに、宣伝ってまずは作品を愛することが重要ですよね。

 

後編では、雫石さんが現在日々の業務の中で感じているジレンマや、今後の目標について聞いたことをお届けする。

 

【Information】

エンタテイメント業界に向けたデータ×デジタルマーケティングサービスを提供しております。
商品一覧:https://www.gem-standard.com/p/service/products
エンタテイメントの価値を最大化する情報メディア「GEM Standard」:https://www.gem-standard.com/

 

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