プロが見たこの映画
宣伝ディレクターが語る「スマホで光るポスタービジュアル」
KIQ REPORTが2021年の締めくくりに実施している「2021年下半期に劇場公開した映画の中から記憶に残る宣伝は?」というアンケートに参加した。
先日、合計25名の映画業界人が選んだポスタービジュアルが発表されたが、その結果はこちら↓
★《発表!》業界人が選ぶ! 記憶に残る【ポスタービジュアル】/2021年下半期
「要素はシンプルに、でも何か気になる」というものをみなさん選ばれている印象です。
ちなみに政治関心度が高い私は、「パンケーキを毒見する」を選びました。毒っけたっぷりの菅さんが最高でした。なんなら宣伝担当に頼み込んで、Tシャツももらっちゃいました!
さて、本題ですが、ここ数年、邦画のポスターは出演キャストが顔見せする形でずらずらっと並び、まるでブロッコリーの形のようにキャラクターを積み上げるパターンが多いですよね。
ちなみにそうゆうのを作ってくださいとデザイナーさんに相談すると嫌がられることが多いなと、個人的には思います。デザイナーさん的には、要素はなるべく絞りこみ、デザインとして何かひっかかりを残す、すなわち作品のオリジナリティをデザインで表現するのが良しということなんだと思います。
その反面、洋画のポスターはどんどんシンプルかつ記号的になっていっているなと思います。最近はあえて余白をたくさん出すデザインが多くなっているなと思います。
その理由は色々とあると思いますが、個人的に思うのは、オンライン用途を意識しているのだと思っております。
コミュニケーションはほぼオンライン、特にスマホにシフトされています。もちろん映画館でポスターを見る機会もあるとは思いますが、接触してもらえる量は圧倒的にスマホを介してが多い。スマホの画面(PCも)でポスターのビジュアルに触れた場合、細々したものとかは印象に入らない。そもそも今の世の中、情報過多すぎるので、いっぱいの情報って脳みそが処理できないのだと思います。
だからこそ、余白を使って、印象に残したいものだけをボンッと置いておく。そんなクリエイティブがまさに今効くコミュニケーションなんだと思っています。
とは言いつつ、情報量がてんこ盛りで、もうお腹いっぱい!みたいなポスターも個人的には嫌いじゃないです。
仕事以外で、あとは子供の付き合い以外では、ほぼ映画館で映画を観ない私ですが、ついつい夜車を走らせレイトショーを観にいっちゃったのが2年前ですが、福田雄一監督の『新解釈・三國志』です。ポスターはこちら↓
いやー、積み上げモリモリですねー(笑) 裏がイラスト調になっていますが、その意図とかもなんだかよくわからないですよ。
そもそも「三国志」が好きなので、アンテナビンビンでしたが、このポスターから溢れ出るエンタメ感、そして宣伝自体もエンタメ感満載で、なんだか見に行かないといけない気分にさせてくれました。映画自体は生粋の三国志好きとしては微妙でしたが、、、
いやはや、完全に宣伝にやられました。流石です。
以上、御後がよろしいようで。
宣伝ディレクター ダビデ
COMMENT
コメントをするにはログインが必要です。不明なエラーが発生しました
tabbytheclown
モリモリブロッコリポスター!