プロが見たこの映画
宣伝のプロが語る「TVドラマ『日本沈没』は面白すぎてもう見ない」
日本のテレビドラマは、クオリティも高くて面白いなーと思っていつも見ている。今シーズンは「日本沈没ー希望のひとー」(TBS)にすっかりとハマってしまった。日曜夜にリラックスして見るには最高のエンタメですよね。そして、まさに今見るべきテーマがたくさん詰まっていて、この先どうなるか?毎週楽しみに見ていました。視聴率も第一話からずっと15%超えをキープしていて、これから終盤に向けて20%超えの可能性も出てきました。
でも、僕はもう「日本沈没」は見ないって決めました。
めちゃくちゃ面白くて次回が見たい気持ちはあるのですが、「もうこれ以上見れない」というのが正直な気持ち。理由は「エンタメがリアルの境界線を超えてきてしまった」というところでした。
全ての情報は政府がコントロールしていて、真実は国民に伝えない感じだったり、道を外れた人間はすぐに潰しにかかる感じだったり、このリアルなところが面白かったのですが、ついに地震が発生しビルが倒れていく姿を見た時に、ドラマとの向き合い方が変わってしまった気がします。その夜はなかなか眠れず、不安感に襲われ夜中に目が覚めてしまう始末。安全な場所でフィクションを楽しむことで成立するはずのエンタメが、不安を掻き立て、警鐘を促す存在になってしまっていました。だから、平和な日曜の夜を守るためにも、もう見ないと決めました。最終回は人類に希望をくれるはずだから、もしかしたら最終回だけ見るかもしれないけど。
それにくらべて、Netflixの大ヒットコンテンツ「イカゲーム」。なんでこんなのが世界的にあたるの?と思った方見てください、めっちゃハマります。これはこれで、残酷なんですが、こっちは引き続き見ています。金欲しさに集まった人たちが、ゲームをして失敗すると次々と殺されていくという話。とっても残酷で映像描写もかなりエグイところもあるのですが、「生き残りゲーム」の中で必死で生きるそれぞれの生き様が楽しい!
絶対こんなことは本当にあるはずないよなー、というフィクションの世界の中で進む物語は、どんなに残酷なことが起きても安心してみていられます。
映画もドラマも制作者的には、いかにリアルにCGを作るか、いかにフィクションの中にリアリティを出していけるか?という事も大事なテーマでもある中で、「嘘の話ですよ」という感覚をギリギリのところでキープできることがエンタメの境目なのかもしれないですね。
話は変わりますが、「日本沈没」はNetflixで同日の3時間後から見れます。日本のテレビは一体どこに向かっているのかよくわかりません。テレビCMを出稿する側でもあるので、便利だなーと思いつつも、今まで、大金を払って視聴率が取れる番組のCMを買っていたので、かなり複雑な気持ちです。
ドラマはオンタイムで見ず、録画でCMスキップ、そして、Netflix、Tver、huluで後で見る。このリアルな行動変化にテレビ局が先にハシゴを外してきたのは、ある意味すごい事だと思いますが、もはやテレビスポットに効果があるなんて信じているのは、もはや発注側だけなのかもしれないですね。
宣伝プロデューサーちくん
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