プロが見たこの映画

【ジジイの時事エンタメ斬り!vol.40】 戦後80年NEW

2025-08-15更新

子供の頃、毎年8月15日、通っていた小学校では正午にサイレンがなって、生徒も先生もみんな1分間の黙とうを捧げたことを覚えています。(今はあんまりやってないですかね)
私はやや落ち着きのない子供で1分間も目を閉じ黙っているのに耐えられず、くにゃくにゃふざけていたら、後ろから先生にバチコーン!と目が眩むほど叩かれました。先生の目は真剣でした。
だから余計に体に染みついたのだと思いますが、戦争を知らない私にとっても、この日はなんかちょっと厳粛にしなければいけないという想いがあります。

しかしもう終戦から80年なんですね。
先日ドキュメンタリー映画で「巣鴨日記〜あるBC級戦犯の生涯」というのを観ました。戦争犯罪人の獄中話ですが、犯罪者が罪に向き合うだけの話ではなく、様々に当時の状況、昔の日本人の考え方に触れる興味深い映画でした。「戦犯の多くは我々と同じ普通の日本人。戦争は普通の人に犯罪をさせる、それ以外の選択肢をなくしてしまう」というコメントが印象的でした。いろんな状況があるのもわかりました。それも犯罪なのか?というのもあります。ですが、80年も経つと、そういうことと関係なく一概に「戦争犯罪人」ということでしかない。
「それはちょっとあまりに悲しいな」
と、この映画を観ると思います。少なくとも、この「戦犯」は勝った方が負けた方を裁くので、通常の司法の裁きとは違うということを覚えておく必要があるでしょう。何より思うのは、日本人は外国人に裁かれるだけで、自らの手であの戦争を振り返っていないのが問題でしょう。ここまで我々は反省一辺倒の思考停止で生々しい中味に触れようとせず、アメリカまかせだったわけですから。
例えば、
「なぜ日本人は80年前、ソ連じゃなくて、アメリカと戦ってしまったのか?」
これは謎ですよね。
地勢的に本来はソ連が敵国だったはずですが、日本はいつの間にか中国大陸の戦争にはまり、その後ろにいるアメリカと戦うことを望んでしまいます。これは日本人が自ら解かなければならない謎だと思います。
もちろん軍部の独走もあるでしょうが、当時の新聞をみると「鬼畜米英!」皆やれやれ!って感じですよね。ちょっと調べるといくつか原因が見えてきます。現代の教科書でもテレビ番組でもあまりフォローされてないのが、ゾルゲ事件ですよね。これはナチスドイツ党員に化けたソ連共産党のスパイ、リヒャルト・ゾルゲと朝日新聞記者の尾崎秀実(ほつみ)らによる対日工作で、これは「敵はソ連ではなく中国とそのバックにいるアメリカだ!」といわゆる南進論に日本を変えさせるに大きな役割を担っていたと考えられます。尾崎は近衛内閣のブレーンでもあったので、政府と世論どちらにも働きかけられる、今でいうスター文化人という感じでした。

ま、他にもいろいろあると思いますが、
結構日本人はこの手の世論操作には弱いんだと思います。のせられちゃう。
たぶん今も変わってないと思いますね。
こういうことは自ら省みないと見えてこない。単純に時の流れで忘れ去られ、また日本人はのせられちゃうでしょう。

「ロードオブ・ザ・リング」の主人公フロドが、クライマックスで「力の指輪」を自分で捨てれなかった、というのが心の傷となり、その後の彼の生涯に大きな影響を及ぼしますが、日本人も一旦付けた「力の指輪」は自分で捨てなければならないと思いますね。

たんす屋(共感シアタースタッフ)

 

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