業界人インタビュー
【ENDROLL】「飛び込んでから考えろ。」映像作家 小松原茂幸さん ~後編~NEW
この業界、とにかく面白い人が多い。
そんな気づきから、映画・エンタメ業界で働く人とその成りに焦点を当てたインタビュー企画「ENDROLL エンドロール ~業界人に聞いてみた」。
業界の最前線で働く方にインタビューを行い、現在業界で働いている人はもちろんのこと、この業界を目指している人にも刺激を与えていきたいと思う!
今回は映像作家の小松原茂幸さんにインタビュー!
後編では、小松原さんの学生時代の映画体験から、音楽や映像への幅広い関心、そして“まずは飛び込む”という仕事観などについて伺った。
映画に夢中だった青春時代
KIQ: 映画好きになったきっかけは何だったんですか?
小松原: 明確に父親の影響ですね。父が映画好きで、家にテレビ放送された映画を録画したビデオテープがたくさんありました。子供のころから『スター・ウォーズ』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』やブルース・リーの映画、80年代のハリウッド映画をよく観ていましたね。中高時代も映画が好きで、学校をサボって『タイタニック』を3回くらい観に行ったのを覚えています(笑)。
KIQ: そのころから、映像を撮ることにも興味があったんですか?
小松原: そうですね。でも、どうやったら映画監督になれるのかよくわからなかったし、なれるとも思っていませんでした。ただ、同級生に映画好きな友達がいて、一緒に脚本を真似して書いてみたりしてましたね。
KIQ: へー!
小松原: 二人ともアル・パチーノ作品や、『スカーフェイス』みたいなギャング映画が好きで、“掃除屋”とかそういうワードが好きだったんです。で、僕たちが書いた脚本は、あるアジトに本物のお掃除の人がやってきて、“掃除屋”(殺し屋)と勘違いされるってストーリーでした。「いや俺、掃除屋です」「やっぱお前、“掃除屋”か!」みたいな(笑)。
KIQ: 面白そう!今からでもぜひ撮って欲しいです!
興味は横に広げて、まずは飛び込め!
KIQ: お話を聞いていて、音楽に映画に、興味のあるもののジャンルやカテゴリーがシームレスで並列している点が印象的です。
小松原: そうですね。映画もクエンティン・タランティーノも好きだけど、『ビフォア』三部作も好きだし、『ブルーバレンタイン』も好きだし、ドゥニ・ヴィルヌーヴの『メッセージ』も好きだし。音楽もテクノからブラックミュージックまで好きだし、中学生の頃にはLUNA SEAとか聞いていました(笑)。高校ではバンドでギターもやりましたね。
KIQ: すごい!
小松原: でも、大学に入ったら周りがシネフィルばかりで、みんなフランソワ・トリュフォーとか、ジャン=リュック・ゴダールとかを観ていて。ちょっとカルチャーショックを受けましたね。当時は図書館で映画をたくさん観ることができたので、そういった作品もずっと観ていました。
KIQ: その頃から具体的に進路は考えていたんですか?
小松原: いや、全くなかったですね(笑)
KIQ: でも好きなことを突き詰めたら、結果今ここにいる、と。
小松原: そんな感じでいいと思うんです。とにかく業界に入らないと。飛び込まないと始まらないんじゃないですかね。学生のときって自分が何になりたいかよくわからないものだし、自分も業界に入ってからディレクターとプロデューサーの違いを知りましたからね。わからないじゃないですか、そういうこと。業界に入ったら自ずとわかってくることもあると思います。
KIQ: そうですね。
小松原: 監督を目指している人は、難しいことは考えずに早く作品を作った方が良いと思いますね。とくにドキュメンタリーは撮ることへのハードルが低いと思いますよ。役者さんとかもいなくていいですからね。
KIQ: 小松原さんは、これからも社会派ドキュメンタリーを撮られていくんですか?
小松原: 違うジャンルの作品も撮ってみたいですね。実は、『i-新聞記者ドキュメント-』が終わった後に、音楽家の方にフィーチャーした作品を撮り進めていたんですが、そのタイミングでちょうどコロナウイルスが流行ってしまってちょっと途中で頓挫してしまいました。
KIQ: そうだったんですね。 ちなみに、コロナウイルス流行の期間中はどうされていたんですか?
小松原: 仕事が全てなくなったので、映画監督をやっている友人と「今のうちに短編でも撮ろう」という話になりました。周りの役者さんとかカメラマンさんもお仕事が全部なくなっていたので、あのときの給付金10万円を全部つぎ込んでコロナをテーマにした作品を作ったんです。(『A MIDSUMMER DAY’s DREAM』) バイト先の店長と、店員の女の子がコロナをきっかけに離れ離れになって、5年後に再会するという内容でした。この作品が、山形国際ムービーフェスティバル やShort Shorts Film Festival & ASIA2021の「Cinematic Tokyo」部門やで入選しました。
KIQ: すごい!とても素敵な10万円の使い方ですね。
小松原: ありがとうございます。
KIQ: これまで多くの経験をされてきましたが、最後に今後の展望をお聞かせください。
小松原: これからもいろんな場所でいろんなものを撮っていきたいと思いますが、やはり映画が好きなので、映画に携わる仕事は続けていきたいですね。
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