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WEBパブリシストが語る「日本特撮界を盛り上げる怪獣たち」

2021-12-27更新

 

今年はゴジラが新たな挑戦をした年ではなかっただろうか。春にはNetflixで新作アニメシリーズ『ゴジラS.P〈シンギュラポイント〉』の配信が始まり、7月には多くの映画ファンが待ち望んだ『ゴジラ vs コング』が公開され、大ヒットを記録した。

日本で製作されたゴジラシリーズでは初めて核エネルギーとは無縁のゴジラを描く『ゴジラS.P』は、これまでのゴジラ作品が内包していた時代性や社会的なメッセージよりもエンターテインメントに振り切った作風になっており、全く新しい作品像を確立した。そして『ゴジラ vs コング』はハリウッド超大作ど真ん中の作品である。1954年に1作目が公開されてから67年。特撮作品という形では無いかもしれないが、ゴジラは常に新たな可能性に挑戦し続けている。ゴジラ好きとしては嬉しい限りだ。

 

一方で、日本を代表するもう1体の怪獣であるガメラはまた違った道を歩んでいる。ガメラの作品は2016年に誕生50周年を記念に作られたプロモーション映像が新作としては最後だし、映画に限れば2006年に公開された『小さき勇者たち』以降、新作映画は発表されていない。

それでも2020年より始まったガメラ55周年プロジェクトで、平成ガメラシリーズの4KHDR版が全国7館のドルビーシネマで上映されるなど、また違った盛り上がりを見せている。ちなみに筆者は今年の4月より上映された『ガメラ3 邪神覚醒』の4K上映を4回鑑賞したが、どの回も多くの観客が入っており、改めて平成ガメラの人気を実感した。なお今年の夏に開催された妖怪特撮映画祭では昭和版ガメラと『小さき勇者たち』が上映されるなど、ガメラはリバイバル上映を積極的に行っている

 

こうして見ると特撮映画が非常に盛り上がっているように感じるかもしれないが、それでもやはり特撮作品の人気は以前に比べるとだいぶ下火だ。1990年代〜2000年代中盤という、毎年のように怪獣特撮映画が公開されていた時代に幼少期・少年期を過ごしていた筆者としては、昨今の怪獣特撮作品の少なさは些か寂しいものがある。昔はゴジラの平成VSシリーズがあって、平成ガメラがあって、平成モスラがあって、ゴジラのミレニアムシリーズがあって・・・。あぁ、何といい時代だったのだろうか。

でも一方で、仕方のない事であるとも理解している。特撮映画はやはり制作するのにお金がかかるし、しかもヒットが確実とは言えないジャンルだ。映画会社が中々制作に踏み込めないのも納得である。

だから新作であれ、リバイバルであれ、私たち観客に怪獣特撮を観る機会を提供してくれたゴジラやガメラは非常に嬉しい存在だ。まぁゴジラの新作はアニメシリーズとゴリゴリのCGを使ったもので、厳密には特撮ではないかもしれないが、それでもゴジラが観れるだけで嬉しい。子供の頃、目を輝かせて観ていたガメラを、当時よりもさらに素晴らしい上映環境で観れるというのも、やはり嬉しい。

 

日本の特撮は世界に誇れる文化だと思うし、実際に海外の監督にも日本の特撮作品ファンは多い。今の若い世代は特撮作品、特にゴジラやガメラのような怪獣特撮を観る機会は中々限られているとは思うが、新作であれ、リバイバルであれ、是非ともゴジラやガメラのような怪獣特撮に少しでも触れて、その素晴らしさを体感して欲しいなと、そんな想いを抱きつつ、「自分も歳を取ったなぁ」と感じる30歳手前の私なのであった・・・

P.S.平成モスラもリバイバルして欲しいなぁ

 

WEBパブリシスト 大西D

 

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