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KITT RADIO#37|マイクロメディアの価値【マーケティングあれこれ雑談】

2025-04-17更新

マーケティング目線で世の中を見ると、見えるものが変わってくる!
映画の宣伝プロデューサーが日々考えていることをあれこれ雑談する
「KITT RADIO|マーケティングあれこれ雑談」。
出演:木村徳永さん(KICCORIT)、ターニャ(KIQ REPORT)、ダビデ(KIQ REPORT)

今回のテーマは、「マイクロメディアの価値」。
マイクロに目を向けると、やれることも、やることも盛りだくさん!?

【主なトピックス】
1. 時代の変化とメディアの進化
2. 「理由」が重要になる時代
3. マイクロメディアの価値
4. 「マスの消失」がもたらす新たな戦略

気になるキーワードがあったら、本編ご視聴くださいー!

【Spotify】

番組ではご感想やご意見、その他宣伝プロデューサーに聞きたいことなど、リスナーの皆様からの質問も募集中!
こちらまで<info@kitt-marketing.com>お寄せください。 

YouTubeやテキストでご覧になりたい方は下記よりどうぞ。

【Spotify】

【TEXT】(文字起こし) 
木村:

今世間的には、色々社会が変わり始めているじゃないすか。トランプ政権になって大きく変わっていることもあるし、日本の首相も変わって色々変わり始めているところもあるし、あとはね、ずっとラジオでも言っているけどマスメディアみたいなところがもう大きく崩壊しているというか、ポジションが変わってきてる感じあるじゃないですか。

ターニャ:
そうですね!

木村:
テレビの視聴率とかずっと毎日見ていますけど、どんどん下がってきて、下げ止まりみたいな感じにはなっていて。ゴールデンタイムで見られている視聴率でも、世帯で10%ぐらいの感じで、大体1桁ぐらいですよね、視聴率って。
だから前よりかは減っているけど、その人たちが見てないかっていうとTVerで見てたりとか、YouTubeとか、あとはドラマなんかはNetflixで同時で見てたりとか、色々変わってきている中で、宣伝のコミュニケーションもマスメディアにはもう頼れないところまで来てるなという風に感じてますけどね。

ターニャ:
そうですね。すごい時代が変わっているというか、ざわざわしているし、変わっていく雰囲気をすごい感じますね。

木村:
何かが弱まると、必ず何かが強くなっているはずなんですよ。

ターニャ:
あー、なるほどですね。

木村:
だから何が変わってんのかなっていうのを考えていくと、前はマスメディアが強かったときは、熱量が高くて人気があって、すごくいい場所っていうのが明確に光っていたと思うんですよね。だからそこに参加をすること、参加をしているっていうステータスがあるから、そこにいること自体が理由になってたっていうところがあったと思うんですけれども。

ターニャ:
はい。

木村:
もうちょっと今マスメディアがなくなってきて、力がなくなってきてっていうところでいくと、やっぱりそこにいるだけじゃ意味がなくなってるんですね。なんでそこに参加するのかっていうこと、参加をする理由がすごい大事になってきているような気がするんですよね。

ターニャ:
はい。

木村:
だから映画の宣伝やっていても最近感じるのは、前はポスターとか作ってて、出演されているタレントさんの事務所の確認を取ったりすることもありますけど、前はその事務所の人とやり取りをしていることが多かったですけれども、最近は皆さんご本人の意思っていうのをすごく、今までももちろんあったと思うんですけれども、最近特にダイレクトに感じるようになってきてると思うんですよね。

ターニャ:
はい。

木村:
だから、出演する側もそれだけその作品にコミットをする気持ちが強まっているっていうところはあると思うんですけれども、だからそれに対して我々も、なぜこのビジュアルがいいと思っているのか、なぜこのキャッチコピーがいいと思っているのかっていうプロセスとか、考え方とか、そういったところまできちんと理解をしてもらっていかないと、なかなかOKが出ないっていう感じがしてるんですよね。
だから、一つ一つにコミットしていくっていう力が強まっている気がしてます。

ターニャ:
うん、うん。

木村:
だからメディアの強さみたいなところも100万人が見ている媒体と、10万人が見ている媒体だと、今までのロジックだと100万人の方が強かった、有効であるっていう見方だったんだけれども、やっぱりそのコミット力っていうところの目線でいくと、100万人が何となく見ているか見てないか分からない状態で垂れ流しているものよりか、10万人がしっかりと番組に対してコミットして選んで見ているっていう方がやっぱ価値が上がってると思うんですよね。

ターニャ:
うん、うん、うん、確かに。

木村:
そう考えるとマスメディアっていうよりかは、マイクロメディアの方が価値が上がっている気がしていて。
最近ラジオとかよく聞くんですよ。

ターニャ:
はい!

木村:
ラジオっていいんですよね!
テレビって、インタビューとかしていただくこととかよくありますけど、30分話しても、やっぱ使われるのって30分丸々って使われないですよね。

ターニャ:
確かに、そうですね。

木村:
すごく編集して、一部分が切り取られて、こういう切り取り方をすると面白く見えるよねっていうところを上手に使ってくれる感じがあって、それはそれでプラスもあると思うんですけれども。ラジオってもっと何かダラッとしてるというか・・・。

ターニャ:
うん、うん!

木村:
今日寒いですねーみたいなところから始まるんですよね。その人の人となりが分かるし、そこのスタジオに来るまでの道のりも想像できるし、このスタジオの場所って外がこういうふうに見えてんのかみたいなこととか、天気の話だけでも、雨がそういう風に降ってるのかみたいなことが、その人たちを通じて見えてくる感じがあって、すごく距離が近いんですよね。

ターニャ:
めっちゃわかります!想像力がすごい膨らみますよね。

木村:
膨らむ、膨らむ。
だからさっきの冒頭の話にも近いんだけど、伝えたい情報だけがそこの部分だけ切り取られて、何月何日にこれがやるよっていう風に伝わってくるだけではあんまり意味がなくて、前後の文脈、こういう人が、こういう思いでスタジオに来て、何のためにスタジオに来たのかと言えば、今この映画に出ていてこんな気持ちでやってるのか、っていうところまでも全部が分かると、やっぱね、心が動くんですよね。

ターニャ:
確かに、うん!

木村:
だから人の気持ちにすごく丁寧に向き合っている気がして、ラジオって。

ターニャ:
なるほど、うん!

ダビデ:
これって元々そうなんですかね?ラジオって。
テレビがグワーっと来て、ラジオがどっちかっていうとメインストリームじゃなくてニッチな方になっていった時代しか、僕はちょっと分からないんですけど。

木村:
ラジオは昔から今の形に近かったのは、今こういうSNSの時代になる前から、はがきでリスナーの人と直接コミュニケーションを取るっていうのをずっとやってきているわけですよ。

ターニャ:
はい!

木村:
革命的だったのは、コント55号の欽ちゃんが、「欽ちゃんのドンといってみよう!」、欽ドン!っていう番組を、ラジオ番組でやってたんですよね。

ターニャ:
はい、はい。

木村:
それではがきをもらって、それで面白いことを言って、ばーっとウケるっていう世界があって、それがすごく盛り上がって、最終的にはテレビでやるようになった。ラジオでやっていることをテレビで。テレビで、はがきを読んでみたいなことに発展していったっていうところがあって、元々ラジオはそういうコミュニケーションを取っていて、今でもメールでコミュニケーションとっているじゃないですか。
だからリスナーとの距離感みたいなところは昔から近かったんだと思いますけどね。

ダビデ:
なるほど!

木村:
知ってる?「欽どこ」って?

ダビデ:
聞いたことあります。名前は聞いたことありますけど、番組とか分かんないっすね。

ターニャ:
私も分からなかった。

木村:
すごい有名な。欽ちゃんは知ってるでしょ?

ダビデターニャ
欽ちゃんは知ってます!

木村:
テレビは知ってる人がいてもラジオで「欽ちゃんのどこまでやるの!」…

ターニャ:
そうですよね。

木村:
「欽どこ」っていうのがテレビで、「欽ドン!」っていうのがラジオだったかな、ちょっと忘れちゃったけど。
あとはね、オールナイトニッポンもずっと昔からあるでしょ。

ターニャ:
そうですね。

木村:
アーティストの人とかも、ADOとか顔出さないけど、すごい喋るわけじゃないですか。

ターニャ:
そうですよね!

ダビデ:
好きになっちゃいますよね、聞いていると。その人のことが意外と長く聞いていられるから、その人のパーソナリティとか中身がもっとイメージできるし。だからオールナイトニッポンの福山雅治とか、僕ちょうど聞きながら受験勉強していた記憶があるんですけど、なんかテレビとかで見る福山雅治ってかっこいいイケメンみたいな感じだったんですけど、ラジオだとものすごい下ネタトークとかしてて、気さくなんですよ。もう全然違うんすよ、イメージと。

ターニャ:
はい。

ダビデ:
もうそれでいきなり好きになるじゃないですか。ちゃんとしっかりと伝えるメディアとしては確かにラジオはいいですね。

ターニャ:
確かに。

ダビデ:
ネットとかでも、最近YouTubeばっかり見てますけど、YouTubeも長いのを全然見れちゃいますもんね。ちょっと長い方が、何となく好きになってちゃうから、本当短いショート動画を見て、誰かのことを好きになるってあんまないんだけど、ファンコミュニティとしてはYouTubeとかラジオとか長い、長くちゃんとダラダラ話すメディアの方が確かにいい気がしてきました。

木村:
そうですね。あとは、最近の変化でいくと、ショート動画。

ターニャ:
はい。

木村:
見たいものは長い尺でしっかり見るっていう流れがありますけど、それを見終わった後に次何見るかっていうと、ショート動画が目の前に出てくるじゃないですか。

ターニャ:
はい、出てきますね!

木村:
1個見ちゃうと、次々縦型のショート動画がどんどん出てきて、あれもう面白いところだけつまんでるから、面白いなって思って続きが見たくなって、その大元の方に飛んで、見るっていう流れが結構ありますよね。

ターニャ:
そうですね。

木村:
残念なのが、これ面白いから見ようと思ってクリックして大元に飛ぶんだけど、なんかスムーズに長尺動画にリンクしたことってほぼないですね。

ターニャ:
ないかも、確かに。

木村:
そこまで見たいって思ってないから、もうぱっと見れれば見るんだけど、飛んだ先でぱっと出てこない場合は、もうやめちゃいますね。

ターニャ:
確かに。

木村:
でもその呼び水としては、ショート動画って有効だし、あれちょっとアルゴリズムが違うと思うんだけど、YouTubeのおすすめっていうのが出てくるじゃないですか、自分の嗜好に合わせて。それは大体濃い情報で出てきちゃうんだけど。

ターニャ:
はい。

木村:
ショート動画はあんまりそこにとらわれてないっていうか、普段見てないようなものも出てくるんですよね、おすすめとして。だから逆にちょっと興味が出てくるっていうか。

ターニャ:
なるほど。

木村:
そう。アルゴリズムは別に開示されてないから、自分の体感を信じて出していくしかないんだけど。

ターニャ:
はい。

木村:
だから映画の予告編もYouTube出すときは今後はうまく、そのショート動画を使いながら、予告編にリーチをさせるっていうところも、細かく丁寧にやっていこうかなと思ってますけどね。

ダビデ:
確かに。ショート動画って今のところ、(公開)直前にやっちゃうイメージがありますけど、予告編を見せたいときに、予告編を見せるためにショート動画を回すとか、同じタイミングで突っ込んだ方が良さそうっすね。

木村:
そう思いますね!
あとは想像している以上に、大量に色々なバリエーションを投下していく方がいいんじゃないかってちょっと思ってます。
今までは、20パターン作って、その中から一番いいやつをA/Bテストで絞り込んで、効率がいいやつに寄せていくような感覚でやってたんですけど、そうじゃないんじゃないかっていう感覚で。100人が選ぶのはこっちだけど、2人が選ぶっていうのも、やっぱ意味があるんですよね。2人選ぶんだから。0人は意味がないんだけど、数が多い少ないじゃなくて、やっぱそれにコミットする気持ちっていうのを大事にしていかなきゃいけない時代だから。

ターニャ:
なるほど!

木村:
そう、だからとにかく色々な形で大量にコミュニケーションを取っていくっていう年にしようと思ってます。

ターニャ:
それはすごい面白いですね!

木村:
今までの倍以上の労力がかかるんですけど、でもマスメディアがなくなるっていうのはそういうことかなと思って。マスがないんだから、個人にアプローチするっていうことじゃないすか、大げさにいうと。

ターニャ:
はい。

木村:
てことは仕事なんかも10倍も20倍にも増えるって話で、だから忙しくなってないとただマスメディアがなくなっただけになっちゃうと思うんですよね。だからこそ1人でできなければ、チームを作って色々な人の協力をもらいながらやってかないと駄目なんですけど。

ターニャ:
うん。

木村:
だからもうとにかくやり方自体が大きく変わる年なんじゃないかなっていうふうに思ってます。

ターニャ:
なるほど、なるほど。なんかすごいなんかその先が見たいですね。マイクロでやったその先が、何か楽しみな感じしますね。

木村:
そうですよね。だってやっぱり去年でいうと、このラジオでも取り上げた『ルックバック』

ターニャ:
はい。

木村:
あれなんて宣伝の力じゃないじゃないですか。

ターニャ:
そうですね。

木村:
コミュニケーションの力っていうか、まさにマイクロメディアの力の集大成で20億ですよ。

ターニャ:
すごい!

木村:
だって僕らなんてね、大きな宣伝予算預かって20億いくかって言ったらもう恥ずかしくて言えませんよ、申し訳なくて。予算があれば、大きくアプローチできて深く刺さるかっていうと全然そんなことないから。

ターニャ:
そうですね。

では、本日はここまでとさせていただきます! 
ありがとうございました! 


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