業界人インタビュー
【ENDROLL】「新次元のフォトセッション」株式会社日テレイベンツ 足立実央さん ~後編~
この業界、とにかく面白い人が多い。
そんな気づきから、映画・エンタメ業界で働く人とその成りに焦点を当てたインタビュー企画「ENDROLL エンドロール ~業界人に聞いてみた」。
業界の最前線で働く方にインタビューを行い、現在業界で働いている人はもちろんのこと、この業界を目指している人にも刺激を与えていきたいと思う!
今回も前回に引き続き、日本テレビグループの総力を駆使して、番組の制作発表や映画・配信作品のPRイベントなど、様々なイベントや式典の企画・制作を手がける株式会社日テレイベンツの足立実央さんにインタビューした内容をお届けする。
後編では、現在のイベントのトレンドや、足立さんを長年虜にしているイベント制作のやりがいと魅力について詳しく聞いてみた。また、足立さんが今最も刷新したいと考えている、舞台挨拶のある演出についても教えてもらった。
★【ENDROLL】「演出とは気配り」株式会社日テレイベンツ 足立実央さん ~前編~
それぞれの楽しさを見つけて
インタビュー中、度々「この仕事が楽しい!」と語っていた足立さん。そんな足立さんだからこそ、後輩に対して願っていることとは?
KIQ:やっぱり最近はSNSでバズったり、映えるようなイベントにしたいといった要望が多いんですか。
足立:もちろんテレビなどのメディア露出をどう狙っていくかが一番重要ではあると思いますが、メディア露出にも限りがあるので、やっぱりSNSでのコミュニケーションをどこまで活発化できるかということは、ここ数年より重要になってきていると感じてます。
KIQ:テレビでの露出を狙う場合は、番組内で紹介してもらえるようなコメントをどう引き出すかということが重要になっていたと思いますが、SNSでの反響を狙う場合は、映える空間作りが必要になってきますよね?だから、昔と比べると御社の業務範囲が広がってきているのではないでしょうか。
足立:確かに、例えば劇場ロビーでフォトスポットを設置するなど、スクリーン以外で何かをやる機会は増えてきていると思います。
KIQ:あとは、ローカル(地方)でのイベントを任されることもあるんですか。
足立:地方での舞台挨拶などもあります。ローカルの場合は下見に行けないのと、舞台挨拶で望まれる内容もまたちょっと地方ごとに違ってたりするので難しいんですよ。
KIQ:へー、それは知らなかったです!映像系のイベントならではのやりがいはどんなところでしょうか。
足立:1つ1つが短期間で終わるので飽きないですし、単発的に毎回違うイベントを作り上げていくことが楽しいです。新しいことにチャレンジできる喜びみたいなのがずっと続いてるというか。例えば、テレビだと番組が続く限りずっと続きますが、イベントは作品ごとで区切れると言いますか、短期間で設けられたゴールに向かっていくということが自分の性に合っているんだと思います。
KIQ:作品が変わると、一緒に仕事をする人も大きく変わるんですか。
足立:そうですね、変わります。たまに映画業界以外の方とお仕事をして思うのが、映画業界の方は個性豊かで刺激的な方が多いなと(笑)それも仕事が楽しい理由の一つなのかもしれないです。
KIQ:良い意味でクセが強めな方が多いですよね(笑)現在は、後輩の育成ということにも力を入れているんですか。
足立:はい。でもそこは日々悩むことが多いです。私は、もちろん辛いこともあるけど、この仕事を通じてたくさん知り合いもできたし、すごく楽しいので、みんなにもそれを感じてもらえたらなと思うんです。でも、そんなのは押し付けにもなるじゃないですか。だから、それぞれ自分なりのこの仕事の楽しみ方を見つけてもらえるといいなと。私、辛いことがあってもその辛さを次の日になると忘れているんですよね(笑)
KIQ:それちょっとわかります!この業界の人ってそう言ってる方が何故か多い気がします。
目指すは、新次元のフォトセッション!
休日は様々な場所へ足を運ぶなど、イベントのアイディアになるヒントを常に探しているという足立さんが、今最も「変えたい!」と思っている舞台挨拶の演出とは?
KIQ:イベント制作の過程で一番大変だったり、苦労する部分は?
足立:やっぱりイベントのアイディアを出してから、やることが具体的に決まるまでが一番大変ですね。方向性さえ決まってしまえば、あとはゴールに向けて良いチームを組んで全力を尽くすのみ!というか。
KIQ:方向性が決まるまでが大変なのですね。足立さんは休日は何をされているんですか。
足立:面白そうなイベントや新しいスポット、プロレス、音楽やお笑いのライブなどは、勉強も兼ねてよく行きます。観終わった後はひとりでお酒を飲むことが多いです(笑)
KIQ:休日も色々なところに意識的に足を運ばれているんですね!以前、空港で行ったイベントに一緒に携わらせていただいた時に「このまま里帰りします!」とスーツケースを持っていらっしゃったことがありませんでしたか?あの時、すごいタフな方だなと思った記憶があります(笑)
足立:そんなこともありましたね!(笑)結構どこかに遠出するのも好きなんです。ちなみに、明日、明後日は有給を取って大阪へ行きます!
KIQ:すごい行動力ですね!
足立:と思ったら、一歩も家から出ずにお酒だけ飲んでる日もありますが(笑)
KIQ:そういう日も大事ですよね。話は変わりますが、業界に対しての不満や、もっとこうなったらいいのにと思うことはありますか。
足立:他の業界を経験してないので、この業界特有なのかはわからないですけど、最終判断が何でもギリギリになりますよね。最初にタイムラインを設定しても、結局毎回最後はギリギリになるというか。やっぱりこれからは働き方改革として、業務時間を短くしたり、残業もなるべく減らした方がいいと思うのでそこは課題なのかなと。
KIQ:演出のアイディアなどは、ギリギリまで粘りたいというのもあるんでしょうね。
足立:そうですよね、難しいですよね…。
KIQ:イベントの演出に関して、これは変えられないのかな?と思うこととかはありますか。
足立:舞台挨拶やイベントの最後に、毎回出演者の方々が揃って行うフォトセッションがあるんですけど、あれってどの作品もフォトセッション用のパネルがあって、作品のロゴがあって、公開日があって…と絵面が全く同じじゃないですか?なので、あれの新しい発明がずっとしたいんです!
KIQ:言われて見れば確かにそうですね…!でもそのスタイルではなくてはいけないって決まりはないですもんね。
足立:結局、その決めカットがニュースなどには多く出るので、タイトルは必ず入ってなくてはいけないとは思いますが、タイトルの出し方って他にないのかな?といつも思うんです。まだ誰も見たことがないフォトセッションを作りたいですね!
KIQ:貼りパネ(ポスターパネル)とかも気になりますよね。あれに変わる何かを開発したら儲かるんじゃないかといつも思ってます(笑)
足立:貼りパネ(ポスターパネル)も絶対に劇場だと照明で白跳びしちゃうんですよ…。だから、そうならないような新しいものを開発できるといいですよね。
KIQ:映画の宣伝って昔からの風習でやってることが多い気がするので、他のところでも改革ポイントが眠ってるかもしれないですね。
★【ENDROLL】「演出とは気配り」株式会社日テレイベンツ 足立実央さん ~前編~
【Back number】
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