プロが見たこの映画

WEBパブリシストが語る「あらゆる意味で“涙なし”では見られない映画」

2022-02-10更新

 

1996年放映のウルトラマンティガ第5話「怪獣が出てきた日」は突如として浜に打ち上げられた怪獣の死体(後に生き返る)がとんでもない悪臭を放っていると地域住民から苦情が寄せられ、その死体を処理しようとするシーンが描かれている。放映当時4歳だった筆者は特にそんなことは気にもせず、生き返った怪獣を倒すウルトラマンティガのカッコ良さに魅了されていた。

1999年公開の『ガメラ3 邪神覚醒』ではガメラの攻撃によって爆散したギャオスの肉片が人々の頭上に落ちてきて、文字通り押しつぶすシーンがある。当たり前のように見てきた怪獣の爆散が人々にもたらす被害に子供ながらゾッとした記憶がある。

 

なぜこの様な話をするかというと、当然今色んな意味で話題騒然の『大怪獣のあとしまつ』について述べるためだ。特撮好きとして、もちろん気になっている作品。それもここまで話題になっているとあれば見ないわけにはいかず、映画公開2日目に早速鑑賞してきた。まぁこの映画に対して色々と思うところはあるものの、特撮好きとして嬉しかったポイントがあったことも事実なので、そこの部分について前向きに述べていきたいと思う。

 

まず「怪獣の死体の後始末」という着眼点はかなり面白い。誰が処理するのか?どう処理するのか?人であれ動物であれ、生き物が死ねば死体が残るし、死体ほど処理が大変なものもない。ゴジラやガメラ、ウルトラマンに仮面ライダー、戦隊ヒーローなど数多くの特撮作品があるが、大抵の怪獣は倒されると派手に爆発して、肉片が粉々に吹き飛ぶというケースが多い。ましてやその死体処理に焦点を当てた作品は前例がなく、そういった意味では中々に興味深い作品だった。もちろんそれを描くためのストーリーや演出がこれで正解だったかは、また別の話である。

 

特撮ファンとして最も嬉しかったポイントはやはり出演俳優ではないだろうか。ヒロインを演じた土屋太鳳を初め、数多くの特撮作品出演者がいるが、まず嬉しいポイントの一つは濱田岳だ。あまり知られていないが、彼の映画デビュー作品は1998年の『ウルトラマンガイア』の劇場版。ウルトラマン好きの小学生という役柄だった。まさに子供の頃から知っている彼が、まさかこんな渋い感じになっているとは・・・。時が経つのはやはり早いなぁ・・・

菊地凛子の登場も嬉しい。何と言っても『パシフィック・リム』のマコである。本作では怪獣退治の専門家、というウルトラマンのOPからパクった肩書きを与えられているのだが、そんな彼女もこの映画ではギャグ要員。実生活の夫である染谷将太と共に、ある意味で強烈なインパクトを残している。

そして何と言ってもオダギリジョーだ。「仮面ライダークウガ」の彼が怪獣映画に!これを聞いただけで、私はどれほどワクワクしたことか! このオダギリジョーが主演した「仮面ライダークウガ」がいかに素晴らしい作品だったか、そしてそんなオダギリジョーが特撮作品に出演することがいかに凄い事なのかを書こうとすると、10,000字などあっという間に超えてしまうので、ここでは割愛させて頂くが、とにかくこれは凄い事なのである。

 

先述の通り、この映画に対して思うところがあることは否定しないし、ネットで書かれている感想の数々も、正直言うと凄く分かる。この映画に怒る特撮ファンの気持ちも痛いほど分かる。多くの人が『シン・ゴジラ』的な物語を期待していただろうし、それを考えればこれだけ感想が荒れるのも理解はできる。

 

しかし、一方で、こんなに特撮作品のことが話題に上がる機会は中々無いし、ある意味で語りがいのある作品も、そんなに多いわけではない。もしかしたらサンドバックみたいな状態になるかもしれないが、それでも特撮ファンが共通の感情を持って語れる作品があることは非常に良いことであるとも思ったりもするのだ。なのでネットでの評判を見て、敬遠している特撮ファンにこそこの映画を観てほしいと思いつつ、とりあえず私は『決戦機動増殖都市』でも観るとする。

 

WEBパブリシスト 大西D

 

画像16

大怪獣のあとしまつ
監督:三木聡
出演:山田涼介、土屋太鳳、濱田岳ほか
配給:松竹、東映
全国公開中
(C)2022「大怪獣のあとしまつ」製作委員会

 

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