2011年の3月11日は誰にとっても忘れられない日でしょう。
私は、その日の夜、九段会館で映画の試写会がありまして、「地震があったにも関わらず、誰か会場に来るんじゃないか?」と思って、若い男の子に現場に行ってもらったり(九段会館は崩落事故の現場となりました。)、宣伝中の映画のTVCMやイベントをどうするか?など、今考えれば、速攻全部中止に決まってるようなことを喧々諤々(けんけんがくがく)、多くの関係者と相談していた記憶があります。こんなことは初めてでしたからね。災害というだけでも、映画は“弱いもの”なのに、そもそも地震の映画だったんですよ。無理に決まってます。
「まさかの友こそ真の友」という言葉がありますね。
「東日本大震災」では、世界163カ国から227億円の義援金が集まったと言われてますが、そのベスト3をご存じでしょうか?1位はアメリカ、2位は台湾、3位はタイ、ですね。今更ながら感謝です。
ところが、震災後の4月11日、日本政府は、国際紙「インターナショナル・ヘラルド・トリビューン」と米英仏中韓露の1紙ずつの計7紙に、菅直人首相のメッセージで「『まさかの友は真の友』という言葉を強く感じる」という内容の感謝広告を掲載しましたが、中国への配慮か、台湾の新聞には出さなかったことが問題になった。「なんと情けない真似をするのか」と怒りの声が出てましたね。
“まさかの友”は他にもいました。
4位は意外なことにオマーンです。「何かしたっけ?」これはオマーン国王の祖父が日本人女性と結婚してたからだそうで、戦国時代みたいですが、現代でもそういう繋がりが大きな意味をもってくることがあるのです。
また、6位だったアルジェリアは地震国で、過去に自国で起こった地震の際は、日本から仮設住宅や人道支援、多くの義援金を受けていたので、「今こそ!」とばかりに義援金が集まりました。そういう感情があるんです。
これは、ランキングが高いからエライとかそういう話ではなく、意外な国からこれほどの義援金が集まっているということを、今更ながら知ってほしいのです。人種とか、宗教とか、GDPとか、西側とか、体制やニュースの扱い方、僕らが考える友好国とは別の国々が並んでますよ。
だって、紛争まみれの世界最貧国のアフガニスタンからも数百万円集まってまして、これは驚くべきことです。市内に募金箱を設置したら、一般市民から集まったらしいのですが、きっと現地では知らぬものはいない、中村哲医師など、過去の様々な意志のある日本人の血と汗がこのようなカタチで我々に返ってきていることを、現代人は噛み締めなければなりませんね。こんな人たちの想いを無駄にしてはいけないなと思います。
と、なんだか今回は政治っぽい話をしてしまいすいませんが、別れの季節でもある3月を控えるのこの時期、“まさかの友”を想う機会になればと思います。
あの日、公共交通がマヒした東京で、原付バイクで果敢にも九段会館に向かい、救急車やパトカーが行き来する殺気だった会場の脇で、寒々とした思いを胸に、「本日の試写会は中止です。」というプラカード持って立っていた、若い彼。
もはや会社は辞めてしまいましたが、“まさかの友”に何かあれば、オマーンやアルジェリア、アフガニスタンのようにしなければいけない、と想いを新たにしております。
たんす屋(共感シアタースタッフ)

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