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推し活女子が語る、この俳優が気になる!Vol.2 「仲野太賀」 どんな役でも演じられる“実力派”俳優!

2024-08-21更新

俳優推し活歴10年、日々求めているのは推しの最新情報。朝起きたらまず推しの名前を検索することが日課の筆者が、気になる俳優さんを出演作と交えて紹介させていただきます!

ドラマや映画が好きな筆者には、定期的に気になる俳優が現れます。そして、その人のことを知りたい症候群になり、過去の推しを漁りまくる日々になる習性があります。推し活をされている方は、過去の映画やドラマ、動画やインタビュー記事など隅から隅まで若かりし推しを漁った経験があるのではないでしょうか。覚えのある方は、きっと同士です(笑)そんな筆者が、これまで漁ってきた俳優やこれから知りたいと思う俳優を独自にピックアップしていこうと思います!

今回ご紹介するのは、筆者が思う「この人が出演するなら見たい」と思う俳優ランキングNO.1の仲野太賀さんです!

太賀さんといえば、今年のNHK連続テレビ小説『虎に翼』、7月フジテレビ系ドラマ『新宿野戦病院』と話題作への出演が続いているほか、先日には2026年のNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』で主演を務めることが発表されるなど、今後ますますの活躍が期待されている俳優さんです。今回は、そんな彼の魅力を出演作品とともにご紹介します!

「とにかくすごい若手俳優がいる」と認識したドラマ『ブラックボード〜時代と戦った教師たち』(2012)

この作品を知っている方、意外と少ないのではないでしょうか?2012年にTBSで放送されたスペシャルドラマ『ブラックボード〜時代と戦った教師たち〜』。筆者がはじめて俳優・仲野太賀を知り、あまりの演技力の高さに衝撃を受けた作品です。戦争直後、高度経済成長期、東日本大震災後とそれぞれ3つの劇的な時代を生きた教師たちを描き3夜連続で放送された本作ですが、太賀さんは1夜目の戦争直後の時代の生徒役として出演し、戦争により仲間を失った喪失で心が壊れてしまった青年を熱演されています。目に光を宿さない静の狂い、そして突然魂が宿ったように暴れ出す動の狂い。その振り幅のある表現を10代(当時高校生)にして完璧に演じた太賀さん、本当に恐るべき演技の才能です。

そんな太賀さんですが、現在放送中の2024年度NHK連続テレビ小説『虎に翼』でも戦時下を生き、出征するヒロインの夫を演じられたのが記憶に新しいですよね!戦時下という同じ時代を生徒役として、夫役として生きる太賀さんを見て月日の流れを感じるとともに、まったく別の作品なのに、「成長したなぁ」とつい親目線で見てしまう筆者です。そして本作には、太賀さんのほかにも学生役に菅田将暉さん、野村周平さん、泉澤祐希さん、中村蒼さんと数多くの作品で活躍している俳優さんが総出演されているのも、推し活女子としては見逃せないポイントです!見たことがないという方は必見です。

「コメディ路線もいけるのか!」と驚かされたドラマ『ゆとりですがなにか』(2016)&『今日から俺は』(2018)

抜群の演技力を持つ太賀さんですが、中でも注目されたのがコメディ作品での演技!皆さんの中にも、この2作品で太賀さんを知ったという方いらっしゃるのではないでしょうか?特に筆者は、2016年に放送された日テレ系ドラマ『ゆとりですがなにか』で世間をざわつかせた“ゆとりモンスター”こと山岸くんが印象的で、彼を「とんでもない奴だな」と思いつつも、共感できてしまう部分もあり、かなり困惑させられたキャラでした。ちなみに、本作のプロモーション動画の一つに山岸が配信アプリ“Hulu”のことを「フルー」とドヤ顔で彼女に紹介している動画があり、筆者はこれがかなりツボでおそらく30回は再生したと思います。(マニアックですが…)

そして、2018年に放送された日テレ系ドラマ『今日から俺は』の今井も愛すべきおバカキャラで中毒になる役でしたよね!原作キャラと見た目は違うものの、再現度100%。誰にも文句を言わせない完璧な今井を演じた太賀さんにSNS では賞賛の声が沢山あがっていました。助演としての立場を守りつつも誰よりも際立ち、誰よりも愛されるキャラを演じた太賀さんの惹きつけ力に魅了されまくる2作品です。

仲野太賀さんといえば、どんな役でも演じることができる“実力派”俳優。実力派というと、なんだか安易な言い方のようで凄みが伝わらないかもですが、筆者が思うに“実力派”にも2つのタイプがいると思っています。それは、“俳優自身のバリューも含めて評価される実力派“と、”役として評価される実力派“の2タイプです。決してどちらが良い悪いという話ではなく、それぞれに良さがあるのが前提ですが、筆者の中では太賀さんは後者タイプです。これこそが俳優・仲野太賀の魅力であり、好きなところでもあります。

「爪痕残しすぎでしょ」と演技力に圧倒された映画『淵に立つ』、『すばらしき世界』、『あの頃。』

錚々たる俳優が揃っている作品でも、やはり仲野太賀はすごかった。と思わず言葉を失うほどに圧巻の演技を見せつけられたのがこちらの映画3作品。主演作を選びたい気持ちもありますが、筆者が好きな太賀さんは助演として作品を支える姿にあるのです。

『淵に立つ』(2016)
俳優推し活をきっかけに映画を見るのも好きになった筆者には、イチオシ監督がいます。それが、『淵に立つ』を手掛けた深田晃司監督です。本作のほかに『海を駆ける』(18)、『LOVE LIFE』(22)など国内外で高い評価を得る深田監督ですが、実は太賀さんは深田監督作品に縁深く、これまで4度タッグを組んでいます!平凡な家族のもとに突然現れた男によって家族の闇が露見していく様を描いた映画『淵に立つ』。本作で太賀さんは、突然現れた男(浅野忠信)の息子・孝司を演じており、物語を大きく左右する重要な役柄となっています。深田監督作品特有の歪な距離感と、抑揚をつけずに内情を映し出す演出、演じるにはかなり高度な技術が必要だと素人目ながらに感じる深田作品ですが、流石の演技力で攻めと受けの間を独特の間合いで表現する太賀さん。名だたる俳優陣の中で一際存在感を放ち、物語に確かな深みを与えています。この演技が評価され、太賀さんは本作で第38回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞を受賞されています!

『すばらしき世界』(2018)
人生の大半を刑務所で過ごした殺人犯・三上(役所広司)の刑期後の再出発の日々を描いた映画『すばらしき世界』(21)。本作で太賀さんは、三上が更生していく様子をTV番組にしようと画策するディレクター・津乃田を演じています。過激な社会的制裁がなされる日本では、人を殺めた犯罪者は到底受け入れられないと思いますが、本作ではそんな社会の中で生きる人々と犯罪者にできた溝を少しずつ和らげていく役割、つまり本作と観客を繋ぐ役割を太賀さんが担っています。人を殺めた三上を見つめ続け想いを馳せ観客の心にも寄り添う、対極にいたはずの双方が映画を見終えたあとには顔を向け合っている。そんな世界が、津乃田というキャラクターによって創られていきます。決してどちらの敵にもなってはならない非常に難しい役を熱演されています。ラストシーンは一度見たら頭から離れないほど壮絶な演技です。主演の役所広司さん、長澤まさみさんをはじめとする豪華キャストとの競演も見どころです!

『あの頃。』(2018)
“藤本美貴”と書かれた真っ赤なハチマキと、全男子を敵にまわしそうな闘争心溢れる目。彼こそが真のオタクと言わんばかりの佇まいをしている映画『あの頃。』は、“ハロプロ”に魅せられた仲間たちの笑いと涙の日々を描いた作品です。太賀さんは、アイドルオタクの主人公・樹人(松坂桃李)とともに昼夜オタ活に勤しむオタク仲間・コズミンを演じています。コズミンがこれまたいいキャラをしているのです。決していい奴と断言できるような人ではないけれど、むしろ無愛想で器も小さいけれど、それなのに憎めない。コズミンのように捻くれてたり、山岸のように横柄だったり、側から見ると嫌に見えてしまう人物が愛おしいと思えるのは、個性溢れる太賀さんの表現力あってのものです。そんなコズミンは、本作のムードメーカーであり、オタク仲間たちの人生を大きく動かすキーパーソンでもあります。そして本作は、推し活女子が思わず共感してしまうことや心に刺さるシーンが沢山あるのも見どころです!初めて推しに会うイベントに当選した時の喜びの胸騒ぎ、推し活仲間と推しの魅力についてマシンガントークする楽しさ、推し活が盛んにやらなくなる切なさなど、推し活経験者は自分の人生と照らし合わせながら見てしまうこと間違いなしです。推し活に人生を捧げる彼らの、煌びやかな青春の1ページをぜひ見届けてください!

さて、筆者の好きな太賀さん出演作品をご紹介させていただきましたが、皆さん今回も長々とここまで読んでくださりありがとうございます!個性的なキャラからごく普通の青年まで、どんな役でも物語の世界に溶け込んでその世界の住人になってしまう太賀さんの魅力は、言葉で表現するよりも全身で体感するべきものだと思います。ここでは紹介できなかった主演作『生きちゃった』、『母さんがどんなに僕を嫌いでも』、ドラマ『コントが始まる』、『初恋の悪魔』、舞台『もうがまんできない』など、、、まだまだまだまだ沢山あります。そして今後は、主演映画『十一人の賊軍』、『本心』、舞台『峠の我が家』、そして大河ドラマ『豊臣兄弟!』と待機作が目白押しとなっております!過去作を漁るもよし、待機作を待つもよし、これから来る“仲野太賀無双時代”を一緒に楽しみましょう!

Nami

(C)TBS (C)NHK (C)日本テレビ (C)2016映画「淵に立つ」製作委員会/COMME DES CINEMA (C)佐木隆三/2021「すばらしき世界」製作委員会 (C)2020「あの頃。」製作委員会

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