調査レポート
エンタメエリート層、ゆるふわ層…映画ファンのタイプは何種類?【映画ファンのスタイル別分類①】
映画ファンの生態や動向を解明する調査分析レポート「KIQ REPORT」。
かねてよりマーケティングの世界では性年代別といったデモグラフィック、また移住地域などのジオグラフィックを用いて購買層が分類されてきました。
しかし今回、KIQ REPORTでは、さらに映画ファンの生態を探るべく、趣味嗜好・行動などのライフスタイルで映画ファンを分類することに注力しました。
今週から3回にわたり、そんな映画ファンの“タイプ”を模索していきたいと思います。
分類のために用意したのは、映画、エンタメ、ネットリテラシー、ライフスタイルなどに関する27の設問。この27の設問からエンタメに関する【こだわり】【社交性】【アニメ】【娯楽】【流行・情報】の5つの要素を抽出し、モニターごとに数値化。映画ファンを7タイプに分類しました。
Point☛ 5つの要素で探る!映画ファンの分類方法
■映画ファンのタイプを決定する5つの要素
①こだわり 監督や作家性を優先し、質にこだわります
②社交性 誰と楽しむかなど、人との関わりを重視します
③アニメ アニメやマンガに強い関心を示します
④娯楽 娯楽性・楽しさを重視します
⑤流行・情報 情報感度が高く、流行に敏感です
Point☛ 映画ファンの7タイプの特徴は?
それでは、各5つの要素を数値化し、分析の結果から見えてきた7タイプの映画ファンの特徴を各層ごとに解説していきたいと思います。
■映画ファンの7タイプの特徴
①エンタメエリート層
映画ファン意識がきわめて高く、映画のみならず、アニメ、マンガ、ドラマなど幅広くカバーする文字通り、エンタメの“エリート”。情報収集力や知識に加えて発信力や行動力も持ち合わせています。構成比としては、全体の8%程度の一握りの人々で10~30代を中心に、やや男性に多く見られました。
②こだわりマニア層
映画ファン意識が高く、 “監督”や“作家性”を重視する、こだわりの持ち主です。その一方で、「新作映画の公開情報をよくチェックする」人は21%に留まり、新作にはあまり関心がなく、映画館での鑑賞にもこだわりません。男性に多く、年齢を問わず比較的幅広く分布しています。
③洋画派実写ファン層
こだわりマニア層と似た傾向を持っていますが、決定的に異なるのはアニメへの関心の低さです。また、洋画を好む傾向が顕著でアカデミー賞などの映画賞もチェックしています。社交性がやや低い点も特徴です。シニア層に多く見られ、60代以上では3割がこの層となりました。
④高感度リア充層
若年層に多く、特に女性10代では3割が該当します。「世間で話題になったものはチェックしたい」に78%があてはまると回答し、SNSにも積極的で情報収集力ではエンタメエリート層を上回りました。映画ファン意識は上の3層に比べると低く、ドラマや動画配信など広く関心を抱いている点も特徴です。
⑤ゆるふわ層
社交性は高いものの、映画ファン意識は低く、こだわりはありません。 「映画は誰かと一緒に見た方が楽しい」が59%に達し、映画は娯楽・イベントと割り切って楽しんでいるようです。若年層に多く、女性10代では25%を占めました。
⑥アニメファン層
その名の通り、アニメ・マンガへの高い関心が特徴ですが、映画ファン意識はほとんどありません。男性がやや多く、20~40代を中心に比較的幅広い年代で見られました。
⑦低関心層
エンタメ全般に関する興味・意識が低く、社交性も低く、SNSの活用に積極的ではありません。今回の調査では最大となる19%を占め、年齢層ではシニア層に集中し、男性60代では37%を占めました。
最後に、5要素の中の2つ、【こだわり】と【社交性】を軸に、上記の7タイプをグラフ上にマッピングしました。こうしてみると“映画ファン”とは単純に一括りにできず、各映画ファンで求めるものに違いがあるようです。皆さんはどの映画ファンでしょうか?
次回のレポートでは【各映画ファンタイプの違い】について、さらに深堀した各層ごとの特徴をご紹介します。
★各タイプの性・年代、鑑賞頻度との相関 https://kiq-report.com/Item/324
【調査概要】
調査 時期:2021年4月9日(金)~2021年4月16日(金)
調査 手法 :インターネット調査(FastAsk利用 )
調査対象:計28545名 (15歳~60歳以上男女)
調査定義:映画ヘビーファン=月に1本以上劇場で映画鑑賞する人/映画ミドル=2~3ヶ月に1本程度劇場で映画鑑賞する人/映画ライトファン=半年に1本程度劇場で映画鑑賞する人
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