調査レポート

大ヒットの鍵を握るのはあのファン層!? 7タイプの映画ファンの意識とこだわり、情報感度を分析【映画ファンのスタイル別分類③】

2021-07-15更新

映画ファンの生態や動向を解明する調査分析レポート「KIQ REPORT」。
前回のレポートでは、「映画ファンの7タイプと性・年代別や映画鑑賞頻度との相関」について紹介しました。

3回目は映画鑑賞に関する5つの質問から、映画ファン7タイプの映画鑑賞スタイルを掘り下げてみたいと思います。
その前に、下記の表で【映画ファンの7タイプ】をもう一度確認しておきましょう。

Point☛ 5つの質問から見る、映画ファンの映画鑑賞スタイル
それでは、それぞれの質問から各映画ファンの映画鑑賞スタイルを解説していきたいと思います。今回は映画ファンの人物像をより詳細に掴むために、7タイプ区分のグラフだけでなく、《性別》《性年代別》《鑑賞頻度別》の数値もご用意しました。7タイプ区分と合わせて、見ていきましょう。

【1】映画ファン意識の強いファン層は…
1つ目の質問は、自身を「映画ファンだと意識しているか」について聞いてみました。結果は下記の通り。

まず、男女別の特徴として挙げられるのは、女性よりも男性の方がファン意識が強いという点です。
7タイプの区分でみると、上位4層と下位3層にはっきりとした差が見られ、上位層の中でも【エンタメエリート層】【こだわりマニア層】はファン意識の強さが際立っています。洋画と実写映画を好む【洋画派実写ファン層】と映画鑑賞頻度の高く流行に左右される【高感度リア充層】は、自身が映画ファンであるという意識はそれほど強くなく、ファン意識がないという人が3割以上いる点がポイントと言えそうです。

【2】「誰かと観たい!」のは高感度リア充層とゆるふわ層
2つ目は「映画は誰かと一緒に観る方が楽しいか」という質問です。

性・年代別で見ると、女性が男性を、10~20代が30代以上を大きく上回りました。
鑑賞頻度別では、鑑賞頻度が高くなるにつれて「誰かと一緒に観たい」という割合がやや多くなっていくようです。
面白いのは7タイプ区分です。この分類では、10代中心の若年層で形成されている【高感度リア充層】【ゆるふわ層】が高いスコアを示し、この2層は映画本編だけでなく、映画鑑賞を通じたコミュニケーションをも楽しむ姿が浮かび上がります。

【3】こだわりマニア層に“映画館へのこだわり”はない!
3つ目は、「映画はなるべくスクリーンで観たいか」について聞いてみました。

「映画はスクリーンで観るべき」と考えている人は年代別では20代以下の若年層に多く、次に50~60代のシニア層が続き、子育て世代が多い30~40代がもっとも少ない結果となりました。
7タイプ別に見ると、若年層が中心の【高感度リア充層】と50-60代の多い【洋画派実写ファン層】が60~70%に達する一方で、“監督”や“作家性”を重視する【こだわりマニア層】は43%にとどまり、映画は娯楽のひとつと割り切る【ゆるふわ層】とほとんど差がありません。【こだわりマニア層】は作品選びには“こだわり”を持っていますが、映画館にはあまりこだわらないようです。

【4】ゆるふわ層の新作チェック度は…?
4つ目は「新作映画の情報をチェックしているか」という質問です。

まず驚いたことに、「新作情報をよくチェックしている」と答えた人は映画ファン全体の27%にとどまりました。
この結果は、映画鑑賞頻度と強い相関が見られ、ファン区分による差もはっきりと表れました。【エンタメエリート層】【高感度リア充層】では80~90%がチェックしていますが、【アニメファン層】【低関心層】はもちろん、ヒット作を中心に鑑賞する【ゆるふわ層】でさえも新作情報を能動的にチェックしている人は意外なことにほぼ皆無という結果になりました。また、映画館での鑑賞意識が低い【こだわりマニア層】は21%にとどまり、新作への意識の低さが伺えます。

【5】映画の大ヒットのカギを握るのは…あのファン層!
最後の質問は、映画に関わらず「世間で話題になったものをチェックするか」についてです。

「世間で話題になったものをチェックする」と答えた人は、映画ファン全体で40%となり、性・年代別では女性10~20代が57%と突出したスコアとなりました。
映画ファン区分別に見ると、エンタメリテラシーの高い【エンタメエリート層】、流行を見逃さない【高感度リア充層】は予想通りのスコアといえますが、【ゆるふわ層】が52%という高いスコアを叩き出した点が注目です。新作映画をほとんどチェックしない【ゆるふわ層】ですが、世間で話題になれば乗るというスタンスが鮮明に表れ、映画の大ヒットのカギを握る存在と言えそうです。

次回のレポートでは、日本の総人口と照らし合わせ【映画ファンの人口】を導きたいと思います。

【関連リンク:映画ファンのスタイル別7タイプ】
各タイプの特徴・概要 https://kiq-report.com/Item/321

各タイプの性・年代、鑑賞頻度との相関 https://kiq-report.com/Item/324
★各タイプの人口統計 https://kiq-report.com/Item/332
★各タイプのコンテンツとの関わり方 https://kiq-report.com/Item/335

【調査概要】
調査 時期:2021年4月9日(金)~2021年4月16日(金)

調査 手法 :インターネット調査(FastAsk利用 )
調査対象:計28545名 (15歳~60歳以上男女)
調査定義:映画ヘビーファン=月に1本以上劇場で映画鑑賞する人/映画ミドル=2~3ヶ月に1本程度劇場で映画鑑賞する人/映画ライトファン=半年に1本程度劇場で映画鑑賞する人/映画ノン=年1回程度劇場で映画鑑賞する人

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