業界人インタビュー

【ENDROLL】「女性として、プロとして、映画で生きる。」 MOTTO 谷川和子さん ~前編~NEW

2025-05-21更新

この業界、とにかく面白い人が多い。

そんな気づきから、映画・エンタメ業界で働く人とその成りに焦点を当てたインタビュー企画「ENDROLL エンドロール ~業界人に聞いてみた」。
業界の最前線で働く方にインタビューを行い、現在業界で働いている人はもちろんのこと、この業界を目指している人にも刺激を与えていきたいと思う!

今回は有限会社KICCORIT(キコリ)でSNS運用を担当するMOTTO(モット)に所属する谷川和子さんにインタビュー!

前編では、谷川さんのこれまでのキャリアについて詳しく聞いてみた。

ウリは宣プロ視点のSNS運用

KIQ: まず、普段どんなお仕事をされているのか教えてください。

谷川 宣伝プロデューサー集団であるKICCORITの中で、映画宣伝におけるSNSの部分を担当しています。映画宣伝をしていく中で、これまでのようにマスに向けた宣伝だけでは難しいというか、今の時代はもっと細かいマイクロコミュニケーションが必要で、そこがすごく大事だよねと社内でも話しているんです。その中でSNSは今後も映画宣伝の中でより大切になってくると感じています。

KIQ:確かに、今は映画宣伝の中でもSNSにおける戦略は重要ですよね。

谷川 そうなんです。結局一番見られるところってSNSだし、時間的にも長く過ごす場所だと思うので、(お客さんと)接触できる機会も多い。チャンスが多いということはとても重要なのかなと考えています。元々は宣伝チームの中にAP(アシスタントプロデューサー)がいて、その先にSNSを運用してくれる方がいたり、AP自身がやったりするというケースがありましたが、SNSにおけるプロモーションに特化したチームとして、自分の今いるMOTTOができました。宣伝プロデューサーの視点でSNS運用を極めていければと思っています!

KIQ: 谷川さんも、元々は宣伝プロデューサーをされていたんですね。

谷川 はい、キコリに入社して6年半くらい、APとたまに宣伝プロデューサーをやっていました。実は、その6年半くらいで一度違う業界に転職した経緯もありまして。

KIQ: えっ! そうなんですね。つまり、違う業界に行ったけどまた映画業界……しかも同じ会社(キコリ)に戻ってきたと?

谷川 はい。映画業界でこれから長く生きていくのか、生きていけるのかみたいなことを、人生的にも、年齢的にも、女性としてもふと色々考えたりして。その結果、「今までは仕事一筋で思いっきり好きなことをやってきたけど、一回割り切って自分のライフスタイルを優先に考えて仕事をするのはどうかな」って思い始めたんです。離れるなら早めの方が良いと思って、相談して一度辞めさせてもらいました。

KIQ: 「このまま映画業界にいても良いのかな?」という悩みが生まれたタイミングやきっかけについてもう少し聞いても良いですか?

谷川 大学卒業してから2年ぐらいは全然違う会社で働いて、多分25歳くらいでキコリに入ったと思うんですけど、そこからはもう本当に必死でした。わかんないけどやるしかないみたいな(笑)そしたら知らないうちに5年経っていて、もう自分は30歳になっていて、ゆくゆくは「結婚したい」「子供を産みたい」と漠然と思っていた中で、急に色々焦り始めました。ただ、その時は担当している作品もあったので、「まだ1年は辞められないな」と思いつつ、やはり30歳になってなんかふと、我に返ったみたいな感じですね。

KIQ: 30歳をひとつの節目に捉えていたんですね。

谷川 はい。別にその時点で今すぐ結婚したいとかは特に…って思っていたんですけど、人生設計の先を考えた時、現状のままいくのは良くないのかなって。女性には期限があると考えだしたら少し焦りました。

KIQ: なるほど。

谷川 忙しかったのもありますが、やはり一つは子供が生まれた時に本当に私はこの第一線で働けるのかって思って。やるなら最前線で、中途半端な働き方はしたくない気持ちも大きかったので、それができなさそうであれば、もう全然違う業界でもいいのかもしれないって思ったんです。

KIQ: 転職先の会社ではどんなお仕事をされていたんですか?

谷川 そうですね、退職してから半年くらい地元に帰ったり、海外へ行ったりとゆっくりしつつ、転職活動もしてました。本当はフルリモートで海外で暮らすという野望もあったんですけど、まあ、それはは結局失敗しました(笑)ただ、いつでもどこからでも働けるようにフルリモートで働きたい気持ちを軸に転職活動をしていて、また映画宣伝をやっていた時からSNSは興味深いと思っていたんです。AP時代には、そこだけにフォーカスすることはなかなかできなかった中でで、今後長い目で見た時に、自分が得たらプラスになるスキルだし、自分の人生設計的にもなんか上手くできそうなんじゃないかという気持ちで、フルリモートのSNSマーケティング会社に入りました。そこは映画とか全く関係なくて、一般企業さんの企業案件というか、企業さんのSNS運用を何個か掛け持ちするような仕事を担当していました。全体の流れを見ながら、ディレクションを中心にやらせていただきましたね。

映画業界に戻った理由

KIQ: それでもやはり映画業界に戻ってきた。やはり映画の仕事に思い入れがあったのでしょうか?

谷川 別にシネフィルってことでは全然ないけど、映画は小さい頃から好きでした。だから新卒での就活の時に映画会社に行きたい気持ちはなんとなくあったけど、学歴的に少し怯んでしまうところもあって。そもそも就活も本当に嫌いで苦手だったし、早く終わらせて海外に行きたかったんですよね(笑)だから業界の違う会社の営業職に内定をもらって、営業なんかわからないけどお給料は良かったし、面接官に「あなたは楽しくて良いですね」みたいなこと言われたから「ああ、私のままでいいんだ」って気持ちになって。それで気持ちよく会社を決めて、大学の後期はバイトと海外旅行しかしていませんでした。

KIQ: キャリアの始まりは映画会社じゃなかったんですね。

谷川 はい。その会社は今思えばベンチャーで、割とガツガツ攻めていくタイプだったんです。社内でも“やばい”と噂される営業所に配属されました。環境も環境だったと思うのですが、その時に出会った同期の子たちも「なんかやりたいことじゃないよね」って感じで、逆に他にやりたいことがある、意志がある子たちだったんです。そういうのもあって、私もずっと営業の仕事はやりたくないと思って。とはいえ、1年目に成績を残していなかったので、意地で2年務め、表彰状をもらえたので「これでやめるって言っても何も文句言われないな」と思ってやめることができました。やりたくない仕事を通して、次は本当にやりたいことをやろうってマインドになっていて、映画がやはり元々やりたかったから映画業界に入るために転職活動をしました。その時、たまたまキコリが募集していたので面接に行き、働かせていただくことになりました。

KIQ: そうしてキコリで働き始めて、離れる決心をして、また改めてキコリに戻ってこようと思ったのはなぜ?

谷川 映画業界を離れましたが、シンプルに働いてみて楽しくなかったんです。私でなくてもいい、誰がやってもいいような仕事に感じることもあったり、ライフワークバランスが良いと思ってたけど意外と忙しかったり。そんな時キコリの人と話す機会があり、状況を伝えると、「その働き方や仕事は、ウチでもできるじゃん」と言ってもらえて。それで、どうせ忙しく働くなら楽しいことをしたい!って気持ちになって。働く上で私には楽しさも大切なんだなということを再認識して、そこで戻らせていただきました。

KIQ: 戻れる場所があるっていいですね!

谷川 家族や友達にもそう言われました!本当にありがたかったです。実際出戻りなので辞める必要があったかというと、まあ辞めたからちょっと違う働き方も見つけられたので、結果オーライですね!(笑)

後編(5/30UP)に続く>

 

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