プロが見たこの映画
コナンマニアがおススメする「とりあえずコナン映画はこれを観ておけ!」NEW
4月18日より公開される『名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)』。この映画は名探偵コナンの劇場版28作目で、毎年4月のコナン映画はもはや風物詩と言えるものでしょう。毎年劇場版が公開されるアニメ作品は多くあるが、その中でも『名探偵コナン』は、ここ数年毎年興収を右肩上がりに記録しており、もはや毎年のように社会現象とも言えるような大ヒットを記録している。
もはやコナン好き以外の映画ファンも無視できない程の興収を記録している名探偵コナンだが、名探偵コナンは1994年の発刊以来、現在まで106巻の単行本が出ており、テレビアニメも1996年から放映が始まり、その話数は既に1000を余裕で超えている。劇場版は今年の映画で28本目。せめて映画だけは追いかけたくても「初めから全部見ないといけないのか?」と思う方も多いかもしれないが、それはかなり時間がかかる(MCUに比べると楽ちんですが)。
そこで今回は、名探偵コナン映画を全て観ている(アニメや単行本もある程度追ってます!)私が、とりあえずこれは観ておいて欲しい!という名探偵コナン映画4本をご紹介!
≪やっぱり1本目は観て欲しい≫
『時計仕掛けの摩天楼』(1997)
まず名探偵コナンの劇場版では、映画の冒頭になぜ工藤新一が小さくなったのか、誰を追っているのか、基本となる人間関係が簡単にではあるが、あらかた説明される。これは基本的に全ての劇場版で行われる。なので、名探偵コナンを知らない人であっても、ある程度入り込めるように工夫されているのが特徴の一つとなっている。
昨今のコナン映画は派手なアクションや爆発が多くなっているが、1作目である『時計仕掛けの摩天楼』は爆弾魔を追う物語ではあるものの、謎解き要素が強い。長寿アニメの定めか、近年はキャラ数も増えてきて、覚えるのが大変だが、本作はコナン(新一)とヒロインである毛利蘭のロマンスと、連続爆弾魔を追うシンプルな物語。ハラハラする緊張感と、まだ初々しい感じの、まさに青春感が最高の1本だ。高校生である新一と蘭がオールナイト上映に行こうとするなど、この時代ならではの絶妙に緩いコンプラ感も、今となっては懐かしくて、それも良い。
≪コナン映画最高傑作はこの作品≫
『ベイカー街の亡霊』(2002)
四半世紀に渡って毎年映画が公開されているコナン映画だが、その中でもぶっちぎりに面白く、映画としての完成度も高いのは、やはり『ベイカー街の亡霊』だろう。2002年の作品だが、バーチャルリアリティ(VR)のマシンで、100年前のロンドンにタイムスリップし、実際にロンドンを震撼させたジャック・ザ・リッパーを捕まえるという物語。人工知能や仮想体験という時代を先取りした設定、仮想体験だからこそ実現した「仲間の死」という状況、そして空想上の名探偵シャーロック・ホームズとの夢の競演。まさに映画だからこそ実現した物語だ。
仮想世界でコナンが謎を追う中、現実世界で起きた事件はコナン(新一)の父である工藤優作が解決する。この父と子の物語は、実はこの映画での大きなテーマの一つでもある。コナン映画を観るなら、絶対に観て欲しい1本だ。
≪本格的にド派手な映画に舵を切った、コナン映画のターニングポイント≫
『純黒の悪夢』(2016)
名探偵コナンの映画は1作目から19年目までは興収は多くても40億円前後を記録する、いわゆる毎年恒例の風物詩的なアニメ映画だったが、本作『純黒の悪夢』をきっかけに、一気にメガヒットアニメ映画にレベルアップする。コナン映画史上初めて興収60億を突破したこの映画以降、コロナ禍で公開が延期された『緋色の弾丸』以外は、コナン映画は毎年興収記録を更新している。
コナン(新一)の身体を小さくした黒の組織、それを追う人気キャラ、FBIの赤井秀一、考案の安室徹が激しく戦うこの映画は、謎解き要素は一切なく、とにかくド派手なアクションに全振りしたこともあって、とにかくスケールがデカい映画となっている。黒の組織を追いながらも敵対する赤井と安室、最後はコナンを交えて3人で組織に立ち向かう、バトル漫画並みの激熱な映画、まさに最高のポップコーンムービーと言えるだろう。
≪遂に興収150億円を突破!≫
『100万ドルの五稜星』(2024)
コナンの原作者である青山先生の作品『まじっく快斗』の登場キャラである怪盗キッド。もはやコナン作品の準レギュラーで、度々コナン映画にも登場するが、本作はそんな怪盗キッドと、同じく人気キャラクターの服部平次が共闘する。ド派手なアクション、謎解き、高校生のロマンス、という要素が程よく盛り込まれたこの映画は、コナン映画としては初の興収150億円、観客動員数1000万人を突破した。
ちなみに本作には、同じく青山先生原作の「YAIBA」のキャラクターも登場しており、青山ユニバース的な作品になっている。とは言え、それらの作品を知らなくても問題は無いのでそこは安心して頂きたい。
いかがだっただろうか?
長寿アニメの宿命か、登場キャラが増えて覚えるのは大変かもしれないが、劇場版を楽しむぐらいであれば、映画が始まる前に説明をしてくれるので、気負う必要はない。遂に昨年は興収150億円を突破して、今年はそれを超えるのかどうかも気になるところ。恐らく上映館や上映回数は十分すぎるほどあると思うので、是非上記4本を観たうえで、今年の映画をチャックして頂きたい。
コナンマニア 大西D
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