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【KITT RADIO #11】期待値が爆上がりする事前情報は必要なのか?

2024-03-14更新

マーケティング目線で世の中を見ると、見えるものが変わってくる!

映画の宣伝プロデューサーが日々考えていることをあれこれ雑談す
「KITT RADIO|マーケティングあれこれ雑談」

出演:木村徳永さん(KICCORIT)、ターニャ(KIQ REPORT編集部)

 <#11のキーワード>
・ミスリードに注意
・どこまで期待値を上げる?
・結末+@の体験が満足度につながる

気になるキーワードがあったら下記をチェック!

【Spotify】

番組では宣伝プロデューサーに聞きたいことなど、リスナーの皆様からの質問も募集中!
その他、ご意見・ご感想はこちらまでお寄せください。

 

YouTubeやテキストでご覧になりたい方は下記よりどうぞ。

【YouTube】

【Text】(文字起こし)

ターニャ
映画業界お役立ち情報満載のリサーチメディアKIQ REPORT編集部のターニャです。よろしくお願いします。この番組は、映画の宣伝プロデューサーが日々考えていることを話す番組です。マーケティング目線で世の中を見ると見えるものが変わってくるということで、キコリの木村さんをお招きして放送しております。木村さんよろしくお願いします。

木  村
よろしくお願いします。

ターニャ
今日、木村さん、何を話そうかというところなんですけど。

木  村
ターニャは、最近どうなんですか?

ターニャ
最近ですね、私ちょっとお休みをいただいて、ポルトガルに旅行に行ってきたんです。2週間。

木  村
そうなの、ポルトガルいいね。行ったことないよ。

ターニャ
本当ですか。ポルトガル実は私、大学生の頃も行ったことがあって、すごいご飯美味しかったりとかして、なんか大好きな国だったんですよね。

木  村
もう全然情報ないですね。

ターニャ
本当ですか。暖かかったりとか、天気がよかったりとか、綺麗なところが多かったりとか、人も良かったりとか、いい国だなっと思っていて。もう1回行きたいなと思って、行ってきたんですけど。

木  村
じゃーあれじゃない?大人になって行くポルトガルはさぞかし良かったんじゃないですか。

ターニャ
もう本当に濃い時間を過ごさせていただいて、できることもちょっと知恵がついたので色々できて、でも何かですね20代の頃感じた海外旅行と30代に行く海外旅行って、だいぶ違ってて、今回行って気づいたのが、やっぱりネットがある。ネットがもう相当便利になっている時代なので、20代の頃はすごい苦労して、何か見に行ったりとか苦労してご飯食べに行ったんですけど、今はもうGoogleマップ一つさえあればどこにでも行けて、どこにでも美味しいレストラン探せてみたいな感じで、情報もめっちゃわかるっていう感じで、そういうドキドキわくわくっていうのがちょっと何か変わったなっていうところは、すごい感じた旅行だったんですよね

木  村
なるほどねー。確かにGoogleさえネットに繋がってれば、東京で、美味しいご飯屋さん検索しても、ポルトガルで検索しても同じだもんね。マップ見て、そこに行くだけだし。

ターニャ
そうなんですよ。なんかあのとき、昔はもっとアナログで、何か知らないものを知ったりとか、知らないものを見つけてやってみた、みたいな感じだったんですけど。

木  村
「地球の歩き方」とかじっくり見て、このエリアは行くとやばいよ、みたいなね。

ターニャ
そうなんです、そうなんです。でも情報が溢れすぎちゃってて、そういう意味で快適でプラスオンみたいなこともできたりはするんですけど、なんかその体験の仕方というか、旅行の仕方っていうのは変わってきてるんだなっていうのを、すごく感じた旅行でした。はい。

木  村
情報が事前にあるっていうのも、その場ですぐ取れるっていうのも便利だけど、ちょっと失っているものも若干あるのかもしれないですね。

ターニャ
そうなんですよね。

木  村
そういうのでいくと、あれですよね。映画の予告編とか映画の宣伝っていうのも、未知の体験を映画館でしてもらいたいと思ってるけど、

ターニャ
はい。

木  村
事前に情報を与えて、興味を持ってもらって、っていうところで考えると、やっぱり知りすぎちゃってポルトガルに行くとドキドキが減っちゃうのと一緒で、映画もやっぱり知りすぎちゃってから映画に行くとドキドキも減っちゃう可能性あるよね。

ターニャ
そうですね、そうだと思います。

木  村
もう宣伝しない方がいいんじゃないかっていう気がするけどどうなんですか。
必要ですかね映画の宣伝は?

ターニャ
いや難しいですね。でも、その映画の存在さえも知らないとたどり着かないから、難しいですよね。

木  村
そうだよね。予告編とかって、どうなの?

ターニャ
いやそうですよね。実はですね、予告編についてそういえば、質問が来ていて。

木  村
そうなの?

ターニャ
そうなんですよ。

木  村
また何か質問とか言いながら、この宣伝は失敗でしょうかみたいなそういう質問がちょっと多くて困るんだけど、そういうの受け付けてないからね(笑)

ターニャ
そうですね。でも木村さんの宣伝がということではなく、その方がそういうふうに感じたっていうこともあるので、それを受けて木村さんのご意見をお伺いしたいな、というところなんですけど。

質問がですね、「ユニークな予告編が気になって映画を見に行ったら、期待したより面白くなかった、思っていたのと違ったということがしばしばあります。宣伝的には予告編でお客さん呼べたのは成功だけど、期待をしたより面白くなかったとマイナスな口コミが広がってしまうのは失敗とも言えると思います。この場合は期待の煽り方を間違えているのでしょうか?」という映画の予告編に関して質問いただいたんですけど、どうですか?

木  村
なるほど。予告が気になって見に行ったら、思ってたのと違った、だから面白くなかった。それは宣伝間違ってんじゃないの?って言ってますね。

ターニャ
そうですね。

木  村
さっきのポルトガルの話とはまたちょっと違うけど、情報知りすぎちゃって見たからつまんなかったっていうことよりも、煽られた方向性と見た映画がずれてたっていうことかもしれないですね、この質問者の意図は。

ターニャ
うんうん、そうですね。

木  村
誰がやったかわからない宣伝に対して、僕が一生懸命答えるのって、答えにくいから、質問するときは、この映画のこの予告を見たらこんな気持ちになってって具体で聞いてほしいよね(笑)

ターニャ
そうですね。ちょっとそれはそれで言いづらいところもあるんですけど、私としては。

木  村
そうだよね。

自分のことだと思って答えると、一つは、思ってたのと違ったとしても、その宣伝を見て、見たいと思ってくれたんだとしたら、ありがたいですよね。宣伝の効果があったっていうことで。見終わった後に、本編よりも宣伝の方が面白いじゃんっていうキーワードが出てきたとしたら、それはもしかしたらある意味、宣伝に対する褒め言葉かもしれないなっていう気はちょっとしますが。

ターニャ
はい。

木  村
一方で、こういう映画だと思って見に行ったら、全然違う映画だったじゃん、っていうことだとしたら、それは宣伝のミスリードだから、それは失敗っていうことかもしれないですね。煽り方が間違ってたから満足度を下げちゃったっていうことなので。

ターニャ
はい。

木  村
それはあんまりよくないかもしれないですね。

ターニャ
うん、そうですね。

木  村
なんかね、ご飯屋さんとかのメニューとか、すごい大きいエビが写真に載ってたとして、こんなでっかいエビが2本も付いてていいねって頼んだら、小さいエビしか出てこなかったら、それは何だよマジかよ、詐欺かよ、みたいな気持ちになるじゃん。

ターニャ
なります。めちゃくちゃなります(笑)

木  村
でもそれは詐欺なんだけど、やっぱりお店は美味しいご飯を提供したいと思ってるから、料理を美味しそうに写真を撮るっていうのは、それはあり。写真とあまりにも違ったらあれだけど、写真がすごく美味しそうに見えたっていうのは、これは詐欺じゃないじゃないですか。

ターニャ
そうですね、はい。

木  村
美味しそうに見せたいという努力だから。

ターニャ
はい、はい、はい。

木  村
だからやっぱり嘘はついちゃいけないけど、良く見せようとするっていうのはやっぱりあった方がいいんじゃないかなっていう気がするんですよ。この映画おもしろいと思いますよ、ここが面白いから見てねっていうところはやっぱり、面白そうに見せるっていうのが、宣伝の大事な部分なので。

ターニャ
はい。

木  村
だからそこがちょっとずれちゃったりとかしてると、予告編詐欺みたいなことを言われちゃっても仕方ないのかなっていう気がするんですけど。だからどこをどれだけ面白そうに見せるのかっていうところの加減がやっぱり難しいですよね。

ターニャ
うん、そうですね。

木  村
やっぱり期待値の作り方だから、

ターニャ
はい。

木  村
KITTラジオの最初の頃にも「期待って何?」みたいな話とか、「どう期待をさせるか?」っていう話をしましたけど、

ターニャ
はい。

木  村
宣伝的に言うと期待値は高い方がいいわけですよ。どんどんどんどん期待が高まって欲しいなと思ってやってるけど、その期待値の高め方も、ポイントですよね。期待値が上がれば上がるほど、ハードルが上がっちゃうから本編見たときに、期待値を超えられるかみたいなことがあるじゃない。

ターニャ
そうですね。

木  村
だから昭和のお父さん像を思い浮かべると、いつもゴロゴロしているうちのお父さんは、期待値がすごい低いところにあったとしたら、ちょっと掃除とかすると、あらやだ、お父さん。今日はどうしちゃったのかしらってなるけど。すごい良いお父さんを演じて、うちのお父さんは良いのよ、すごく協力的でってすごい期待値高い感じで普段からやってると、ちょっと手伝ったぐらいじゃその期待値超えないですからね。

ターニャ
そうですね。

木  村
そう。逆にそれが普通になっちゃうから、ちょっと手伝ったぐらいでやったつもりになってるところがむかつくとか言われちゃうわけですよ。

ターニャ
ハハハ(笑)そうですね。

木  村
そう。だからこの期待値を高くしすぎないところ、でも期待をさせないと見てくれないわけだから、その加減がポイントかなという気がしますね。

ターニャ
なるほど。

木  村
だからこの質問者の答えで言うと、期待したより面白くなかったっていうのがどの映画を見てどういう気持ちになったかっていうのはありますけど。

ターニャ
はい。

木  村
期待した。こういう映画だと思ったら全然違ったっていうことだとしたら、それは煽り方が間違ってるっていうふうに思いますけれども。まあね、映画が面白いと思うか思わないかは人によっても違うわけなので。

ターニャ
そうですね。そこは本当ありますよね。

木  村
そう、宣伝っていうのはそういうね、期待を作るっていうことだから、ある程度面白そうに、どこの部分にフォーカスを当てて面白そうに見せるかっていうところが期待に繋がるので。そこがポイントなんですけど。ただ、単にこの先どうなるでしょうっていう、期待を作ったとして、映画を見に行ったら、なるほど、その先はこうだったのかっていう答えがわかるとするじゃないすか。

ターニャ
はい、はい、はい。

木  村
でもそれだけでは、満足するはずないですよね。だって、1+1の答えを知りに行くだけだから。

ターニャ
なるほど。

木  村
そう。映画はやっぱりエンターテイメントだから、期待をさせた答えを知らせるっていうことだけじゃなくて、その答えを知り、さらにプラスアルファ何をお持ち帰りいただくかってところがやっぱりエンターテイメントだと思うんですよ。

ターニャ
なるほど、はい!

木  村
結末の先に何があるのか、そこには想像を超えた驚きだったりとか、カタルシスだったりとか、知的好奇心を満たしてくれる学びだったりとか、メッセージだったりとか、なんかそこの部分を、サプライズとして持って帰ってもらいたいなっていうことを念頭に置きながら、どこまで煽るのか、何をお土産として取っておくのかっていうことが、映画を見た後の満足度っていうところに繋がってくるんじゃないかなというふうに思います。

ターニャ
なるほどなるほど。

木  村
うん。

ターニャ
ありがとうございます。そうですよね、答えを知るっていうよりはプラスアルファがないと、感情に残るっていうところが大事ですね。すごい染みました。

木  村
だってさ、犯人は誰かっていう気持ちで見て、この人が犯人かってわかるだけじゃつまんないじゃん。

ターニャ
そうですね。確かに!

木  村
まさかこの人が犯人だったの、しかもこの人の人生を見ていくと、お金が欲しくてやってるんじゃなくて、実は人助けだったんじゃんっていうところが面白いわけじゃないですか、映画の。

ターニャ
そうですね。

木  村
だから、それを言っちゃあ楽しみなくなっちゃうよっていうところは取っておいて、どこまで期待を上げてくか、というところがうまくいくと、質問者もいやいや、映画って面白いっすねっていうことになるんじゃないかなと思いますね。

ターニャ
なるほどなるほど、ありがとうございます。では本日はこんなところで、以上にしたいと思います。木村さん、次回のテーマはどうしましょうか。

木  村
次回ね。

ターニャ
はい。

木  村
ターニャはどうですか。ChatGPTとか使ってますか?

ターニャ
うわー、ちょっと遠いです、私。

木  村
なんかもう映画の宣伝もね、AIが勝手にやってくれる時代なんじゃないかなと思ってるんで、なんかその辺の話ができると。

ターニャ
なるほど。わー、すごい面白そうです。ありがとうございます。では次回はそのお話でお願いします。

木  村
はい。

ターニャ
では、KITTラジオでは、リスナーの皆様からの質問を募集中です。概要欄に記載のメールアドレスに日々の生活に役立てたい、こんな話を聞きたいなど、ぜひお送りください。木村さん、今日もありがとうございました。

木  村
ありがとうございます。

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