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【KITT RADIO #10】 宣伝のジレンマ

2024-03-07更新

マーケティング目線で世の中を見ると、見えるものが変わってくる!

映画の宣伝プロデューサーが日々考えていることをあれこれ雑談す
「KITT RADIO|マーケティングあれこれ雑談」

出演:木村徳永さん(KICCORIT)、ターニャ(KIQ REPORT編集部)

 <#10のキーワード>
・興行収入目標or映画のメッセージ
・映画だからこそ伝えられるメッセージ
・決めたら迷わないが鉄則

気になるキーワードがあったら下記をチェック!

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番組では宣伝プロデューサーに聞きたいことなど、リスナーの皆様からの質問も募集中!
その他、ご意見・ご感想はこちらまでお寄せください。

 

YouTubeやテキストでご覧になりたい方は下記よりどうぞ。

【YouTube】

【Text】(文字起こし)

ターニャ
映画業界お役立ち情報満載のリサーチメディアKIQ REPORT編集部のターニャです。よろしくお願いします。この番組は、映画の宣伝プロデューサーが日々考えていることを話す番組です。マーケティング目線で世の中を見ると見えるものが変わってくるということで、キコリの木村さんをお招きして放送しております。木村さんよろしくお願いします。

木  村
よろしくお願いします。

ターニャ
お願いします。前回は泣けるという宣伝はリスクかというところでお話をしていただきましたが、今日は何をお話ししましょうか?

木  村
そうですね、今日は、本当にあれこれ雑談をしていいですか。

ターニャ
あー、最高ですね。いいと思います。ぜひお願いします!

木  村
いや前回、僕らが普通にやってる宣伝、これがいいかなと思って宣伝してるわけじゃないですか。

ターニャ
はい、はい。

木  村
でもそれに対して、見る人の感情を制限させるリスクをどう考えてるかって聞かれたことで、いろいろ考えすぎちゃって。

ターニャ
なるほど。

木  村
そう、これリスクなのかなとかあ。どうしたらいいのかなっていうのがちょっと悩んでるんですよね。

ターニャ
なるほどですね。

木  村
難しくないですか?映画ヒットさせるのって?

ターニャ
いや、超難しいと思います。

木  村
教えて欲しいですよね、こうやったらいいよって。

ターニャ
はい、そうですよね。
運とかもあるんじゃないかなとかもちょっと思うんですよね、どうなんですか?

木  村
そうそう、運もあるし、映画が面白ければ勝手に当たるんじゃないのっていう気しません?

ターニャ
うん、そうですね。

木  村
それを言っちゃおしまいなのかもしれませんけど。

ターニャ
そうですねー。

木  村
でも、つまらない映画が当たるってあんまないじゃないすか。

ターニャ
なかなかない。

木  村
結局当たっている映画は面白いし、つまらない映画自体がそんなないですけどね。どんな作品でも面白いから。

ターニャ
うん、うん、うん。

木  村
僕らが仕事をいただくとまず、目標設定があるんですよ。

ターニャ
どんな感じなんですか?

木  村
興行収入のね。

ターニャ
あーはい!

木  村
そう、目標いくらですかって聞くと、これはもう20億は超えてもらいたいですっていうところから始まるんですよ。

ターニャ
なるほどー。

木  村
目標設定の20億ってそれはどこから出てるのかっていうと、何か数字をはじき出して20億って言ってるってことはほとんどなくて、やっぱり20億ぐらいいくとヒット感あるよねっていうところで、10億は超えたい、15も超えて20億目指しましょうみたいなことで、言ってることが多いんですけど。でも僕らは20は無理ですよ、5億にしましょうよなんていう立場じゃないから、わかりました20億行くにはどうすればいいかっていうのを考えていくのが仕事なわけですよね

ターニャ
なるほどですね。

木  村
そうすると1人でも多くの人に、この映画が好きな人も嫌いな人も、もうとにかく振り向いてほしいということでやってくから。なんか暗くて重く見えるよりかは、軽くてライトな方が、嫌われないじゃないですか。

ターニャ
うん、そうですね。

木  村
でも好かれるだけが宣伝じゃないよっていうふうに、いつも心にはあるんですけど。どうしてもその高い目標に対して向かってこうとすると、嫌われたくないなみたいな気持ちが出てきちゃうわけですよね。

ターニャ
なるほど、なるほど。

木  村
それこそリスクがある方とリスクがない方って言ったら、あまりにも大きい目標設定の場合はリスクがない方を選んじゃったりするんですけど。果たしてそれが正しいのかっていう、やっぱり常にジレンマがあるわけですよ。

ターニャ
なるほど。

木  村
だから結局映画を見に来てくれる方はもう集団で見に来てくれるわけじゃなくて1人1人が動いた結果、何十億ってなるわけじゃないすか。だから宣伝して届ける相手は、マスじゃなくて、個人なわけですよね。個人の心に届いて、見たくなるかどうかっていうところだから

ターニャ
うん。

木  村
何かマスに向けて宣伝しようと思うとどうしてもAっていう人もBっていう人もいろんな人のニーズに合わせて、見たくなるように宣伝をしなきゃいけないから、どうしても角が丸くなってきちゃうわけですよね。

ターニャ
そうですねー。

木  村
そうすると何かズバッとした深いメッセージみたいなところが弱まっちゃって、いやあ、この宣伝でよかったのかなみたいに思うときも結構あるんですけど。

ターニャ
なるほど。

木  村
どうですか普段宣伝見てて思うことあります?

ターニャ
そうですねー、やっぱそんなに映画の情報って調べないと届かない、たどり着かないもんなんだなっていうのは私結構思っていて、それこそ普段普通に生きていたら入ってくる情報って、テレビぐらいなんだなっていうのをちょっと最近私は肌で感じてるんですよね。

木  村
そうですよね。だからテレビで考えると、やっぱ角、エッジがねあんまり効いてるとね。

ターニャ
そう。

木  村
そうなると広い人に情報は届くけれども出していく情報が、どっちかっていうと均一化されてしまって。個性が出せてないっていう風な見え方もあるじゃないですか。

ターニャ
何となく似てるようにも見えますよね。

木  村
そうそうそう。それこそ泣けるよってジャンルでまとめざるを得ないっていうか。でも宣伝してる立場からするとやっぱりもっと深いメッセージがあるよっていうのは知りながら宣伝してるわけだから本当はそのシーンを届けたいわけですよね。

ターニャ
はいはいはいはい。

木  村
でも、作品によっては、いきなりそのシーンを言われても、いやいやいや、そんな説教くさいこと言われても、っていう気持ちもあるじゃないすか。

ターニャ
そうですね、一気に来られてもちょっと、うっ!となっちゃうっていうか。そうですね。

木  村
うん、そう。だからそこ難しいんだけどなんか最近思うのは、配信がここまで普及してくると、配信で見るのか、映画館で見るのかっていうところが、まず1個目あるじゃないですか。そうするとそこは同じ土俵じゃないとして、やっぱり色々な、均一化された情報しか発信してないと、なんか配信でいいやみたいな気持ちになっちゃうんじゃないかなって思い始めてるんですよね。やっぱりそれぞれが持っている嗜好性を強く刺激するためには、世の中に溢れているような薄い情報よりも、深くて、ぐさっとくる情報、メッセージの方が、やっぱり人を動かすんじゃないかなって思ってて。1000人に向けて情報を伝えて、その1000人の中の10人が映画館に行くっていう宣伝もありますけど、深い情報にグーッと絞ることで、10人にしか情報が届かないかもしれないけど、その10人全員が来てくれる可能性もあるんじゃないかなって気がするんですよ。

ターニャ
なるほどなるほど。

木  村
情報の深度を深くすることで。

ターニャ
はい。

木  村
だからちょっと何か打ち出し方とかも、世の中も変わってきてるから、そういう映画館にわざわざお金を払って、映画を見に行くっていう人に対しては、何か今までの薄いエンタメ的なアプローチだけじゃない打ち出し方もする必要があるよなみたいな気持ちでいますね。

ターニャ
なるほどなるほど。なんか確かに最近結構個性的な方が出てきたりとか、そういう人たちが何か人気になったりとか、映画も何かちょっと個性的な映画とか、単館系だけどバズる映画とかってそういうのもあると思うんですけど、そういうのが時代の流れ的にも、やっぱ出てきてる感じはありますよね。

木  村
そうですね。なんかね鬼滅の刃とかも、あんなに大ヒットした一番最初の頃に、出てきた話って、何こんなシーン、大丈夫なの、みたいなのありませんでした?

ターニャ
ありましたね、確かに。

木  村
刺激が強いし。

ターニャ
はい、確かに。なかなか、そうですね。でも大人気ですからね。

木  村
そう時代が違えばああいうシーンは、ちょっと受け入れられなかった可能性もあるけど、深いメッセージがあるから、ああいうあの視覚的な部分はOKになってたりとか。

ターニャ
なるほどなるほど。

木  村
時代も変わって人の感情も変わってきているところがあるから、ちょっと深いメッセージをうまく伝えたいなと思いますけど、やっぱりあれなんですよね。映画っていいなって本当に思うのは、どんなに深くて重いメッセージ、物語だったとしても、映画っていうフィルターに包むと、大画面のスクリーンの向こう側で行われている安心感みたいのがあると、伝わり方違うじゃないですか。映画のフィルターを通過して、メッセージが届くっていう。だからメッセージがねドーンと出しちゃうと、ドキュメンタリーだったりとか、それこそニュースだったりとか、それはもう、出来事をそのまま深いものをドーンと伝えるっていうメディアだから。でも映画って本当にね、それを物語とか、いろんな音楽とか、いろんなそういう情報で映画っていうものに包み込んで、その奥底にあるメッセージを届けるっていう。

ターニャ
はいはいはい。

木  村
やっぱり映画じゃなきゃ届かない深いメッセージっていうのは本当にあるよなって最近、つくづく思っています

ターニャ
それはすごい思いますね。なんか普段だったら触れないし、深く考えないけど、映画によって考えさせられるきっかけをもらうっていうことは、私もすごい経験しますね。

木  村
そうですよね。なんか僕らの仕事って、映画を当てるっていうのが仕事にはなってるんだけど、やっぱり忘れちゃいけないのは、人の心を動かすっていうのが仕事ですし、映画を見終わった後のお客様の心に何が残っているのかっていうところをしっかり考えながら、結果、たくさんの人が見てくれたっていう、そこを忘れちゃいけないなと思いますけど、どうしてもやっぱり目標設定で何十億みたいな数字が出てきちゃうと、もう軽くせざるを得ないみたいな、固定概念がどうしても出てきちゃって、逆にそっちにいっちゃうことがすごくリスクだと思うので。

ターニャ
そうですね。

木  村
作品の一番大事な部分を届けるっていう目線からちょっと外れちゃう部分もあると思うんですけどね。

ターニャ
本当に深いメッセージを伝えたいからこそ、そういう情報として出したいけど、でもそれを出しすぎると目標設定に対してリスクになってしまうというところだと思うんですけど、そこをなんか一種のジレンマなのかなっていうふうにちょっと感じたんですけどそこを打破するためにどうされているんですか?

木  村
これはもう、やってみなきゃわからないっていうことと、あとすごく本気で信じられるメッセージがあったら、そのメッセージをどっしりと込めて、クリエイティブに落とし込んで、出していくってことじゃないすかね。

ターニャ
なるほど。

木  村
結果やってみないとわかんないのと、うまくいってもいかなくても、映画の公開は1回しかできないので、あっちの宣伝の方がよかったかなと思っても、もう確認はできないわけですよね。

ターニャ
そうですね、そうですね。

木  村
うん。だからいかに迷いがない状態まで考え尽くせるかっていうことと、あとはその映画を作るために出資をしているパートナーの皆様が、いいね、それで行こうよって本当に全員が心の底から思ってくれるようにきちんと説明をしていくってことがやっぱり大事かなと思いますね。

ターニャ
そうですね。やっぱ一つに一致団結するっていうのは、何かポイントですよね。一つのマインドになるというか。

木  村
いや本当そうですよ。宣伝プロデューサーが勝手に宣伝してるわけじゃないので、お預かりして皆さんの代表としてやっているので。まあそんな悩みも持ちながら、日々頑張ってやってますよっていう雑談でした。

ターニャ
ありがとうございます。そうですよね。悩みますよね。

木  村
同じやり方やってもが映画当たらないですからね。前回これやって当たったからそれと同じ宣伝やろうって言っても、映画も違うし、出てる人も違うし、時代も違うので、同じ施策は効き目がないので。

ターニャ
うん、確かに。多分見てる人たちにもばれてきますよね。

木  村
いやいや、もうばれてますよ。だってもう、日本中の人たちが仕掛ける側なんだもん、今。

ターニャ
うんうん、そうですよね。確かに。そういう時代ですよね。

木  村
ドッキリカメラで、えーってテレビのこっち側でびっくりしてた人がね、みんな自分たちでドッキリ仕掛けてるわけで、もうこれはもう宣伝だなっていうのをわかった上で接触してますからね。いろんな情報にね。

ターニャ
確かに時代も変わってますね。はい。ありがとうございます。では本日はここまでとさせていただければと思います。

KITTラジオでは、リスナーの皆様からの質問を募集中です。概要欄に記載のメールアドレスに日々の生活に役立てたい、こんな話を聞きたいなど、ぜひお送りください。
今日もありがとうございました。

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