KIQ REPORTでは、半年に一度、映画業界で働く“映画業界人”の記憶に残った＜ベスト映画宣伝＞を発表しています。

前回の【ポスタービジュアル】に続き、今回は2023年下半期（7月〜12月）公開の映画の中で、記憶に残った【映画宣伝】の発表です。
宣伝プロデューサーやパブリシスト、映像ディレクター、グラフィックデザイナー、WEB編集者、ライターなど映画業界人総勢51名から様々な宣伝施策が挙げられました。

今回は、ポスタービジュアルに引き続き、映画宣伝になくてはならない映画宣伝クリエイティブ【キャッチコピー】【予告編】に集まった声をお届けします。

＞＞＞【ポスタービジュアル】の発表はこちら！

タイトル、ポスタービジュアル、キャチコピーの組み合わせが完璧だった『コカイン・ベア』

まずは、業界人の記憶に残った【キャッチコピー】です。タイトル、ポスタービジュアル、キャチコピーが組み合わさることで、より効果的な作品訴求に成功した『コカイン・ベア』のほか、言葉のインパクトで興味を引いた作品が挙がりました。

「このクマ、最高にキマってる。」

『コカイン・ベア』
★「タイトルとコピーで作品の中身が全部わかり、ナイスだと思いました」（40代男性・宣伝プロデューサー）
★「ビジュアルとコピーが完璧な組み合わせだった」（40代男性・映画記者）

「観る前の自分には戻れない」

『正欲』
★「見る前の自分には戻れない」というキャッチコピーが印象的です。映画を見たら一体どのような自分になるのだろう、と興味を惹かれました」（20代女性・宣伝アシスタント）

「狂ってやがる。」

『首』
★「短いフレーズが潔くて好きでした。映画を観てまた納得、ホントに狂った奴ばかり（誉めてます）」（30代女性・パブ宣伝）

「霊、ヤバい、キモチいい。」

『TALK TO ME トーク・トゥ・ミー』
★「かなり大胆で攻めてる…！と第一印象感じたけれど作品を観終って、キモチいい、分かる！！と大共感したコピーです！」（20代女性・宣伝アシスタント）

本編より面白かった予告編・・・！？

【予告編】には、業界人ならではの視点で記憶に残った作品が多く挙がりました。中には本編よりも面白かったという予告編も！

『ミッション：インポッシブル／デッドレコニング PART ONE』

★「公開のだいぶ前からトムがバイクでジャンプする映像が使用され、トップガンから続く本物のアクションの期待感を高めた。メイキング映像で予告になるのはトムだけだと思った」（40代男性・映画記者）

『アントニオ猪木をさがして』

★「特にアントニオ猪木のファンでもないのに、涙が出てきてしまうほど熱い予告編だった」（40代男性・映画記者）

『キリエのうた』

★「キャラポスなどほかの宣材物も合わせて、だいぶストイックにおしゃれな印象。初めて触れた時にインパクトは強かったように思いました」（30代女性・宣伝）

『翔んで埼玉～琵琶湖より愛をこめて～』

★「本編全ての台詞が面白いので、どの場面を切り取っても強いなと感心した」（40代男性・映画記者）

『ゴジラ-1.0』

★「予告編を観たときの期待感に関しては今年一番だったと思う。正直本編よりも面白かった」（30代男性・動画ディレクター）

『幽☆遊☆白書』（Netflix）

『ゴールデンカムイ』

★「『幽☆遊☆白書』はキャスト発表の時点ではすごい叩かれ方してましたが、予告のサブキャストたちで追い風に変わったのが印象的でした。その点一気にサブキャラを出しつつ、原作者のコメントを添えた『ゴールデンカムイ』は原作ファンへかなり気遣いを感じました」（30女性・プロデューサー）

『コカインベア』
予告編

15秒スポット～感動(?)編～

★「森のくまさんのイントロから入る予告を見て、ベタだけどうまい！と思った。感動編のスポットを見たときは、この映画で感動売りするギャグ感が最高だなと思ったし、同じ画でも音楽、ナレーション、テンションで全く違う見せ方が出来るのを見せつけられた」（40代女性・WEB編集）

プロモーション特別映像ではラップの起用がアツい！！

最後に、プロモーション特別映像もご紹介します。多くの作品で、ターゲット・戦略に合わせた特別映像が制作されていますが、今回は、ラップ紹介がインパクトを残したようです。中でも呂布カルマさんの活躍が目立ちます！

『SISU/シス 不死身の男』(呂布カルマ ラップで解説)

★「呂布カルマのラップ解説動画他いろいろ頑張ってるなぁという印象」（50代男性・宣伝プロデューサー）

 『PLUTO』（Netflix）

★「ラップも映像も非常に洗礼されていて、各分野のプロフェッショナルが力を発揮しつつ、それを宣材物に落とし込んでいるのがすごい。宣伝物でありながらそれ自体が１つのエンタメとして成り立っている。こんなのいつか作りたいです」（20代男性・予告ディレクター）

『ウィッシュ』×『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』

★「ディズニー映画が他作品のアニメ映画とコラボしている印象がなかったことと、この冬に公開する映画で、一番知名度と人気がある映画同士がコラボしていたのが、すごいことだし、ズルいなとも思ったからです」（20代男性・宣伝アシスタント）

次回は、SNS施策をはじめ、まだまだある業界人の記憶に残った宣伝を紹介します。映画宣伝の歴史に残るほど大きな話題を集めた“あの”作品も登場！お楽しみに！

【関連リンク】
《発表！》業界人が選ぶ！　記憶に残る【ポスタービジュアル】／2023年下半期
《発表！》業界人が選ぶ！　記憶に残る【宣伝施策】／2023年上半期　～前編～
《発表！》業界人が選ぶ！　記憶に残る【宣伝施策】／2023年上半期　～後編～

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