調査レポート
10年でどう変わった? 映画情報源のトレンド変化
近年はマスメディアの影響力が低下し、SNSを中心としたネットメディアの存在感が増しています。
映画業界においても、テレビ一強と思われてていた時代が過ぎ、本当に訴求力のあるメディアが見えづらくなっている宣伝マンも多いのではないでしょうか?
そこで今回は、映画鑑賞の決め手となる「情報源」について、約3万5000名の劇場鑑賞者の鑑賞後アンケートの結果から探っていきます。今から10年前となる2013年を起点に、2017年、2022年の3つの時期を比較しながらトレンドの変化を検証します。
テレビもいまだ影響力がある一方で、SNSの影響力が急拡大
まず「映画館」についてですが、結論から言うと大きな変化はありません。「映画館の予告編」はどの時期でもトップを奪取し、ダントツの強さを誇ります。実際に映画鑑賞が行われる現場での先取り情報は重要な情報源のようです。
続いて、マスメディアの雄である「テレビ」についてですが、こちらは低下傾向にあるようです。特に落ち込みの大きい「テレビCM」は10年前と比べると12ポイントの大幅な減少となりました。「テレビ番組」も6ポイント低下し、ダウントレンドが明確です。しかし、映画館に次ぐ2位の座を死守しており、いまだ影響力大といえるでしょう。
次に、「ネット・SNS」ですが「映画情報サイト・公式ホームページ」はやや増加、「作品レビュー・ブログ」は変わらず、SNSについては10年前の2.5倍の大幅増という結果となりました。特にSNSは対象メディアの中でもっとも強いトレンドが出ており、影響力の拡大を数値で確認することができました。数年内に「テレビCM」を逆転しそうな勢いです。
その他のカテゴリーでは「知人・家族との会話」が落ち込みました。口コミの主戦場がSNSに写った影響もありそうですが、新型コロナの感染拡大がありそうで、大きなトレンド変化を感じさせます。
今回は「情報源」に関するトレンドを探ってみました。「予告編がもっとも有効で、SNSの影響力が急拡大しているが、テレビもいまだ影響力大」という結論となりました。現場の肌感に合う、違和感のない数値ではないでしょうか。
【調査概要】
調査対象:計35411名 (2013年:3949名/2017年:16508名/2022年:15137名 15歳~59歳の男女)
調査手法 :インターネット調査(利用プレコグ社利用)
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