調査レポート

映画ファンをライフスタイル別に分類! 〈新〉ライフスタイル別映画ファンの基本データ

2024-07-29更新

KIQ REPORTでは、「性年代」や「映画鑑賞頻度」で分類されることが多い映画ファンを、趣味嗜好・心理・行動など「ライフスタイル」で分類しています。

前回の分類調査から3年が経過し、映画館を取り巻く状況が大きく変化するとともに、映画ファンの意識や行動にも変化が見られます。劇場アニメの躍進、推し文化の定着、SNSへの依存度の高まりなど、2021年当時に設定したタイプ分けがあまり当てはまらなくなってきました。
そこで今回は、質問内容を刷新し、新たな映画ファンのタイプ別の分類を試みます。

分類はアンケートと統計手法を用いて行います。まず年1回以上映画館に足を運ぶ映画ファンを抽出し、エンタメ全般やライフスタイルに関わる30の質問を投げかけ、質問間の背景にある要素(因子)を見つけてスコア化します。要素別のスコア傾向が似た人々をグルーピングし、ユーザーのタイプ分けを行う手順です。

>>>ライフスタイル別映画ファン、3年前とどう変わった?

映画ファン分類のキーとなる6つの要素

まずは、エンタメ全般の意識や行動に関わる要素(因子)についてご紹介します。
エンタメやライフスタイルに関する30の設問から、映画ファン(年1回以上の劇場鑑賞者)の分類に有効な6つの要素は6つ見つかりました。

映画ファンの分類のキーとなる6要素の特徴
新作     映画ファン意識が高く、新作をチェックし、映画館によく足を運ぶ
高感度    時事ニュースに目を配り、アートへの関心が高く、洋画を中心に鑑賞
アニメ    アニメファンを自認し、テレビアニメをくまなくチェック
流行・社交  社交的で流行に敏感であり、常に他人の動向をチェック
SNS・情報  SNSを活用して情報発信・収集。推し活にも積極的
こだわり   作品選びに独自の基準を持っているが、新作や映画館への関心は薄い

上記は各要素の特徴に沿ってネーミングしたものです。2021年との違いは、映画に直接関わる要素として、新作・映画館志向の強い「新作」と強くない「こだわり」に分かれたことです。さらに、時事やアートなど世の中への高い関心を示す「高感度」要素が加わりました。

新・ライフスタイル別映画ファン

続いて、上記6つの要素を使ってクラスター分析という手法で統計的な分類を試み、映画ファンを7タイプに分けました。
まずは、各タイプの特徴をご紹介します。

【1】エンタメマスター
映画ファン意識がきわめて高く、映画のみならず、エンタメ全般を幅広くカバーします。情報収集力、発信力、行動力も持ち合わせ、映画館で新作を見ることにこだわりを持つ層です。20~30代が中心
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【2】オールラウンド・シネマセレクター
映画は好きだが、映画館への足がやや遠のいています。監督や映画賞で作品を選ぶなどのこだわりがあり、洋画を好む人が多いです。映画ファンの27%を占める多数派であり、男性30-40代が多いです

【3】実写派シネマ知識人
新作志向が高く、時事やアートには関心を持っているが、流行には無頓着でSNSに疎い層です。映画に関心があり、新作志向も強いものの、アニメはまったく見ません。男女50-60代に多く見られます

【4】アクティブ・アニメエンジョイヤー
アニメに強い関心を持ち、社交性が高く、抜群の情報収集力があります。鑑賞頻度は高いものの、映画館はあくまでも推し活の場であり、映画ファン意識は高くありません。男女10-20代に集中しています
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【5】インドア・アニメラバー
アニメへの関心が高いものの、その名の通りのインドア派。流行への感度・社交性は低く、映画ファン意識もほとんどありません。男性20~50代を中心に比較的幅広い年代に分布しています。

【6】リア充トレンドキャッチャー
流行・話題に敏感で社交性が高いものの、映画にはあまり関心がありません。邦画実写を好み、アニメや洋画をほとんど見ない点が特徴です。女性に多く、10~50代まで幅広く分布しています

【7】受動型エンタメフォロワー
エンタメ全般に関する興味・意識が低く、社交性も低く、情報感度も高くありません。映画鑑賞頻度は7タイプ中でもっとも低く、邦画実写を好む傾向があり、40代以上の中高年層に集中しています。

7タイプのポジショニング

下記は、新作映画の鑑賞意欲を横軸、流行・話題性への感度を縦軸にしたポジショニングMAPで、円の大きさは各層のボリュームを表しています。

この図を見ると「新作映画志向」と「流行・社交性」は相関している様子が伺えます。年間6回以上映画館に足を運ぶエンタメマスターが突出しており、もっとも大きなボリュームを誇るオールラウンド・シネマセレクター実写派シネマ知識人アクティブ・アニメエンジョイヤーが追随しています。新作映画鑑賞に積極的なのはこの4層までといえるでしょう。
リア充トレンドキャッチャーインドア・アニメラバー受動型エンタメフォロワーが映画館に足を運ぶのは年2回程度の消極層であり、映画鑑賞には何かしらのきっかけが必要だと思われます。

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【調査概要】
調査時期:2024年4月25日〜2024年5月1日
調査手法:インターネット調査(FastAsk利用 )
調査対象:計30428名 (15歳以上の男女)

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