調査レポート
映画リピーターってどんな人? データで読み解くその傾向
近年、同じ作品を何度も映画館で鑑賞する、いわゆる「リピーター」の存在が顕著化していると言われています。週替わりで入場者プレゼントを提供するなど、一つの作品を繰り返し観てもらおうとする施策なども増えてきていますね。
では、そのリピーターは一体どこにいるのでしょうか? どういった層がリピート鑑賞する傾向にあり、また、どんな作品にリピーターがつきやすいのか気になるところ。
KIQ REPORTでは、全国の15歳〜69歳の男女30,428名を対象に行った意識調査をもとに、今回は、性年代別のリピーター傾向と作品の持つリピート要素についてレポートしていきます。
女性10代を筆頭に、若年層がリピーター傾向に
まずは「好きな映画は何回も映画館で観たいと思う」というテーマで、性年代別のリピーター傾向を調査。
該当者(「あてはまる」「どちらかといえばあてはまる」と回答した人)の全体平均が27%であるのに対して、女性10代は約2倍の50%にものぼります。男性10代も平均より10%以上多い38%、さらに20代が女性37%、男性33%と続きます。年齢が若いほど、好きな映画は何度でも映画館で繰り返し見たいという意識があることがわかりました。
リピーターにとって「出演俳優」は作品選びの大きな基準
では、彼らは何を理由に映画をリピート鑑賞しているのでしょうか。
理由はさまざま考えられますが、今回は「出演俳優」に着目してみます。
「映画を選ぶ際は「出演者」を重視する」というテーマのアンケートでは、リピーター傾向の最も強い女性10代では58%が該当し「あてはまる」と明確に回答した人も25%に上ります。他の性年代とは明確な差が出ました。
そこで、リピーターは「出演者」を重視する傾向があるという仮説をもとにクロス集計を行い、全体とリピーターでの構成比を比較してみました。
すると、出演者を重視する人の割合は、リピーター傾向のある人では半数以上に達し、全体構成と大きな差がつく結果に。リピーターは「出演俳優」で観る映画を選ぶ傾向があり、とくに女性にその傾向が強いようです。よって、リピーターにとっては「お目当ての俳優」が大きな鑑賞動機になっているといえるのではないでしょうか。
ちなみに、リピーター傾向の強い若年層が好んでいる映画カテゴリーは下表の通り、男性10-20代は邦画アニメ、女性10-20代は邦画実写となります。
今回の調査結果から、リピーターにとって、作品の「出演俳優」は作品選びの大きな基準となっている様子がうかがえました。お目当ての俳優・声優・キャラクターを何度も見るために、同じ作品を繰り返し鑑賞するという、リピーターの一つのパターンが想定されますね。
【調査概要】
調査時期:2023年07月20日〜2023年07月27日
調査対象:計30,428名 (15歳~69歳の男女)
調査手法 :インターネット調査(FastAsk利用)
調査定義:映画ヘビーファン=月に1本以上劇場で映画鑑賞する人/映画ミドル=2~3ヶ月に1本程度劇場で映画鑑賞する人/映画ライトファン=半年に1本程度劇場で映画鑑賞する人/映画ノン=年に1本程度劇場で映画鑑賞する人
※本調査に関するフルレポートおよびコンサルタントもご提供可能です。ご希望の方はこちらまでご連絡ください。
© 2023 KITT All Rights Reserved.
COMMENT
コメントをするにはログインが必要です。不明なエラーが発生しました