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【今週のおすすめ】タランティーノ映画の舞台裏大暴露!こんなにワクワクするドキュメンタリーは初めてだ!/『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』
「好きな映画監督は誰か?」映画ファンであれば、誰しもが一度は考えたことがあり、語り合ったことがあるテーマではないだろうか。好きな映画のタイプが人によって異なるように、好きな映画監督も千差万別。クリストファー・ノーラン、デヴィッド・フィンチャー、マーティン・スコセッシ、クリント・イーストウッド、ジェームズ・キャメロンなど現役で活躍する映画監督もいる。フランソワ・トリュフォー、ロベルト・ロッセリーニ、アンジェイ・ワイダ、ジョン・フォード、黒澤明など、映画の歴史に名を遺すような名匠が好きかもしれない。「好きな映画監督」というのは、1日ではとても時間が足りない程に、語りがいのあるテーマだ。
では今週公開される『クエンティン・タランティーノ 映画に愛された男』で取り上げられるクエンティン・タランティーノはどうだろうか。タランティーノの映画は、かなり癖がある作品が多い。そのため、例えばスティーブン・スピルバーグのような、万人が楽しめるような作品と言うのは少ないかもしれないが、その分強烈なファンが多いのがタランティーノだ。
タランティーノと言う男の人生は多くの映画ファンにとって“憧れの的”ではないだろうか。母親が大の映画マニアで、一緒に映画を観て育ち、ビデオショップの店員として働きながら客と映画について語らい、そこでプロデューサーとも出会い、そして映画監督としてデビュー。監督2作目の『パルプ・フィクション』では早くもカンヌ国際映画祭でパルム・ドール受賞だ。その後も浴びるように映画を観ながら、自分が作りたいと思う映画を製作。傍から観れば、映画好きの誰もが羨む人生だ。
そんな“映画バカ”(褒めている)のタランティーノ映画の裏側に迫ったドキュメンタリー映画なんて、誰もが観たいに決まっている。本作はデビュー作の『レザボア・ドッグス』から監督8作目の『ヘイトフル・エイト』までに出演した俳優が登場し、その衝撃的なタランティーノ映画の舞台裏を映し出す。思わず「マジかよ!」と上映中に叫んでしまいそうなエピソードの連続だ。
タランティーノは映画監督業を10本で引退することを明言しており、既にここまで9本の映画を監督している。あぁ、いつの日か酔っぱらったまま舞台挨拶に登壇し、放送禁止用語も発し、マイクを叩きつけて「映画を観ようぜ!」と叫び、映画ファンを喜ばせたタランティーノが遠い昔のようだ。映画評論家をテーマにした映画を製作する予定だ。撮影は今年秋より開始される。タランティーノの映画監督引退が迫った今だからこそ、このタイミングでこの映画を観ることには大きな意味があるだろう。
ヒカセン兼業ライター 大西D
【ストーリー】
『レザボア・ドッグス』の伝説の耳切りシーンはこうして生まれた!『パルプ・フィクション』のジョン・トラヴォルタの役は、別の俳優の予定だった!『ジャッキー・ブラウン』の亡きロバート・フォスター感涙秘話。『キル・ビル』でのユマ・サーマン、事故の真相が今明かされる!タランティーノのスタントマンへの愛に胸が熱い『デス・プルーフ in グラインドハウス』。アカデミー賞俳優ジェイミー・フォックスが、『ジャンゴ 繋がれざる者』でタランティーノからまさかの説教!「クエンティンに殺されると思った」と語るダイアン・クルーガー、『イングロリアス・バスターズ』で何が?『ヘイトフル・エイト』の天才的脚本の裏側。最後にティム・ロスが「少し知っている」と明かす引退後の計画とは?謎めいたタランティーノの頭のなかを、ぶった斬る!
出演:ゾーイ・ベル/ブルース・ダーン/ロバート・フォスター/ジェイミー・フォックス/サミュエル・L・ジャクソン/ジェニファー・ジェイソン・リー/ダイアン・クルーガー/ルーシー・リュー/マイケル・マドセン/イーライ・ロス/ティム・ロス/カート・ラッセル/クリストフ・ヴァルツ
監督・脚本:タラ・ウッド(『21 Years: Richard Linklater』)
2019年/アメリカ/英語/101分/カラー/ビスタ/5.1ch/原題: QT8: THE FIRST EIGHT/R15+/日本語字幕: 高橋彩
配給:ショウゲート
© 2019 Wood Entertainment
公式HP:https://qt-movie.jp
公式SNS:@showgate_youga
8/11(金・祝)より、ヒューマントラストシネマ渋谷、新宿シネマカリテほか全国ロードショー
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