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【KITT RADIO|マーケティングあれこれ雑談 #6】 スキージャンプでアイディアは生まれる!?

2024-02-01更新

マーケティング目線で世の中を見ると、見えるものが変わってくる!

映画の宣伝プロデューサーが日々考えていることをあれこれ雑談す
「KITT RADIO|マーケティングあれこれ雑談」

出演:木村徳永さん(KICCORIT)、ターニャ&シーニャ(KIQ REPORT編集部)

 <#6のキーワード>
・インプット、寝る、走る!
・アイディアを生み出す3つのサイクル
・アイディアは育てる

気になるキーワードがあったら下記をチェック!

【PodCast】

番組では宣伝プロデューサーに聞きたいことなど、リスナーの皆様からの質問も募集中!
その他、ご意見・ご感想はこちらまでお寄せください。

 

YouTubeやテキストでご覧になりたい方は下記よりどうぞ。

【YouTube】

【Text】(文字起こし)

ターニャ
この番組は、映画の宣伝プロデューサーが日々考えていることを話す番組です。マーケティング目線で世の中を見ると見えるものが変わってくるということで、キコリの木村さんをお招きして放送しております。よろしくお願いします。
今日は「アイディアの考え方」について木村さんにお話を伺っていきたいなというふうに思ってます。木村さん、今日もよろしくお願いします。

木  村
よろしくお願いします。

ターニャ
木村さん、普段どうやってアイディアを考えていらっしゃるんですか?

木  村
これ、先に言っとくと、これをやるとアイディアが出ますよっていうことでは多分ないと思います。僕ってアイディア考えるの苦手なんですよ。すごく。

ターニャ
本当ですか。

木  村
すごく苦手で、でも、職業的にいつまでに良いアイディアを思いつかなきゃいけない、この映画の宣伝の売り方を思いつかなきゃいけない、っていう常に締め切りがあるんですよ。

ターニャ
うんうん、そうですよね。

木  村
そう、それがもう恐怖なんですよね。また僕がみんなで考えるっていうのは苦手なので、いつも1人で抱えて考えるタイプなんですよ。

ターニャ
なるほど。

木  村
そうすると、こうやればアイディアが出るっていうやり方が見つかれば、ちょっと不安が減るかなと思って。

ターニャ
はい。

木  村
良いアイディアが出た時に、それを客観的に見て、どういうタイミングでいいアイディアが出てるのかっていうのを気づく度に、どんどんメモで溜めてったんですよ。

ターニャ
はい。

木  村
そしたら、一つ法則が見えたので毎回それをやったらアイディアが出るようになったので、一応僕はそれをルーティン化してやってます。この間、アイディア出すのってスキージャンプみたいなことですよって言いましたけど。リフトに乗って上に上がる、風向きを見ながらセットして、スタートして滑走して、いいタイミングで踏み切るっていうふうに言ったじゃないですか。これってルーティンになってるじゃないすか。同じようにアイディアを考えるプロセスをルーティン化したいなと。

ターニャ
なるほど。

木  村
アイディアが出なくて、机に座って悶々としてるときの状態を考えると、もうね、「考えなきゃ考えなきゃ」ってずっと頭の中で考えてる。考えなきゃ締め切りがきちゃう、早くしなきゃ、みたいなことばっかり考えてるんすよ、頭ん中で。でも、閃いた時ってウォーキングしてたりとか、自転車に乗ってたりとか、シャワーを浴びてたりとか、なんかね、全然考えようとしてないときに出てくるんですよね、アイディアって。

ターニャ
ほー。解放されてるときなんですかね?

木  村
そうなんだと思うんですよ。だから何かこう、見よう見ようとすると、それが逃げてっちゃうみたいな、なんかそんな状況なのかなって思って。じゃあその考えているっていう状態を、自然に作るにはどうすればいいかっていうとこから考え始めたんですけど。

ターニャ
はい。

木  村
でもアイディアって、自分の知識がゼロだったら出てこないんですよね。

ターニャ
なるほど、はい。

木  村
何かその、全く同じものをパクるってことじゃないんだけど、いろんな情報が頭の中にあるから、頭の中にある情報を新しい形で組み合わせることで、こういうのどうかなって出てくるわけじゃないですか。

ターニャ
なるほど。

木  村
だから、シンプルに言うと、インプットがなければアウトプットがないっていうところなんで、新しい何か課題があって考えなきゃいけないっていうときはもうとにかくまずはインプットするところから始めます。

ターニャ
なるほどなるほど。すごい大事ですね。

木  村
そうそう、とにかくとにかく関連性のあるものを、うわーって頭の中に情報として詰め込んで、もうそれがもう関係あろうがなかろうが、もうなんとなく、必要そうな情報をどんどんどんどん、すごい時間をかけて、インプットしていくんですよ。

ターニャ
なるほど。

木  村
で、それをどうアウトプットするのかっていうところでいくと、脳ってよくできてて、勝手に忘れてくれるんですよね。意思をもって「よしこれ忘れるぞ」って言っても忘れられないじゃないすか。

ターニャ
うん、そうですね。

木  村
脳って、寝ると整理されるんですよね。いらない情報が消えてくっていうか、読んだ本全部覚えてたら頭パンクしちゃうじゃないですか。やっぱり大事なことだけ覚えてるように、脳を休めると、整理されるんで、もうとにかくとにかく圧倒的な情報をインプットして、その後しっかりと休むと。その後に、思い付くきっかけを与えると、ひらめくっていう状態になると思ってて、そのひらめくきっかけっていうのがさっき言ってた、考えなきゃって机の上でやってるときじゃないとき。

ターニャ
はい。

木  村
だから僕は情報のインプットが済んで、それも何週間かかけて情報をインプットしていくので、インプットしたり、寝たり、インプットしたりっていうていうことを繰り返すんだけど。よし、もうこれ以上インプットないぞって思ったら、そこからは思いつく環境を作るっていうところなんですけど。

ターニャ
はい。

木  村
脳がリラックスしてるとAとBっていう情報が組み合わさって新しい情報に変換されるんですけど。僕は全然関係のない本を読んでたりとか、あとは走ってたりとか、なんかそういうときなんですよね。一番うまい具合に脳がリラックスして考えられる状態っていうのが、何かテキストを読んでるときなんですよね。

ターニャ
へえーーー。

木  村
そう、雑誌を読んでたりとか、小説を読んでたりとか、もう全然関係ないものを読んでるんだけど、ある日突然考えなきゃいけないその宿題の答えがちゃんと出てくるんですよね。そういう状態になってると。

ターニャ
へえ、どんな本でもいいんですか、それはもう。

木  村
それもう全然。リラックスして、全然関係ない本を読む。だからインプットとは違う、楽しんで読める本を読んでると、突然思いついたりとか、後は走るっていうのもよくて。

走るっていうのって何にも考えてないわけじゃなくて、やっぱりいろんなことを制御してるんですよね。転ばないようにとか、信号見たりとか、スピードとか、いろんなことを勝手に考えながら走ってるわけじゃないですか。だからそういうときも、アイディアが出やすかったりとか、なんかそんな気がしてます。一番アイディアが出ない状況は何かっていうと、スマホを見てるとき、スマホで何かショート動画とか見ると延々続いちゃうときあるじゃないですか。

ああいうときは絶対にアイディア出ないっすね。何にも考えなさすぎて、思考が停止しちゃうんですよね。だから何か考えなきゃいけないときはスマホとか見ないですね。それよりも何かテキスト、本を読んだり、ウォーキングしながらいろんなものを見て視覚的に情報を与えていくみたいなことを積極的にやると、僕は今までは何とかアイディアは出てるっていう状況ですね。それでも上手くいかないときはあるんですよ。

ターニャ
はい。

木  村
もう明日の朝10時までに企画書仕上げなきゃいけない。でももう夜の11時でももう何にも考えまとまらないみたいなときがあるんですよ。そういうときが一番困っちゃうんですけど。

ターニャ
そうですね。絶体絶命ですねそれは。

木  村
絶体絶命。でもそうなると考えなきゃ考えなきゃっていう脳みそになっちゃうんですよ。一番考えてない脳みその状態になっちゃう。

ターニャ
確かに。

木  村
そういうときはもう死んだ気になって、僕は寝ます。

ターニャ
へえーーーー。

木  村
もう勇気を振り絞って寝る。
10時までに仕上げなきゃいけないから、朝5時に目覚ましかければ、まだ5時間あるから、とにかく寝て5時に起きて、起きた瞬間やり始めるんですよ。そうすると大体間に合います。

ターニャ
うまくいくんですか。

木  村
はい。やっぱ寝ると整理されるのだと思いますよ。

ターニャ
はい、なるほど。

木  村
なんか勝手に考えてくれるっていう感じがします。なんか企画書に向かって打ち始めると、ワーッて出てきたりとかするから。

ターニャ
なるほどです。でももう、そっか、でもそれはやっぱインプットがないとちょっと一貫の終わりですよね。

木  村
インプットなかったらもうただ寝てるだけの人です(笑)

ターニャ
そうですよね(笑)

木  村
それは駄目ですね。

ターニャ
そうですよね。それはでも、木村さんが相当のインプットされたからこそ、寝るとそぎ落とされて残って、絶体絶命も何とかなってるっていう感じですよね。

木  村
そう。だからサイクルとしては、「インプット→寝る→きっかけを作る」っていうそのサイクルですね

ターニャ
なるほどなるほど。そっか。

木  村
でもインプットってきりないんですよね。どこまでインプットしたらいいのかってわかんないじゃないすか。

ターニャ
そうですね。あと私みたいな素人はインプットしてるとなんかだんだん違うところまで行ってて、なんか無駄な時間過ごしてんじゃないかみたいな気持ちにもなってきたりとか、意外とインプットもなんか難しい。

木  村
無駄にはなんないと思いますよ。僕も全然違う方面に行っちゃいますけど、何がきっかけになって、アイディアに繋がるかって本当にわかんないので。

ターニャ
そうですね、確かに。アイディアって考えるときに、やることが何か似てきちゃうというか、あれこのアイディアちょっと違う映画でも見たみたいな被ることとかって、ないのかなっていうのと、逆にそういうところの考え方って木村さんってどうされてるんですか?

木  村
アイディアってやっぱ被んない方がいいですよね?

ターニャ
被んないほうがいいですね。

木  村
そう。アイディアが被っちゃうってことは、何か考え方が違ってんのかもしれないですね。だって同じアイディアになるわけないもん、映画が違うんだから。

ターニャ
そうですよね。

木  村
そう。だから何かアウトプットばっかり考えて、面白いことをしてやろうだけで考えていたら、同じアイデアになっちゃうのかもしれないけど、僕はあんまり同じことにはなんないかな。

ターニャ
やっぱその作品に合うものっていうところが、大事ですもんね。

木  村
やっぱりね、施策から考えちゃ駄目だと思いますよ。具体的に、インプットで何してるかっていうと、他の映画がどんな宣伝してるのかなっていうインプットは全然してなくて、例えば原作がベースの実写の映画化だったら、まず原作読みますよね。で、それを書いた作者の気持ちを、知りたくなるわけですよ、なんでこの人は書いたんだろうって。1作目だったら、じゃあその人の1作目を書くまでの人生はどんな人生だったのか、みたいなこととか、過去に書いた作品はどんな内容だったんだろうって知りたくなるわけですよ。そうすると、その原作者が書いた過去の作品を、どんどんどんどん読んでったりとか、あとはそれを映画化する監督に今度は興味が出てくると、この人はどういうテーマで映画を撮ってるんだろうとか過去にどんなものがとか、過去の作品ではどんなインタビューでどういうことを答えてるんだろうとか、いろんなことが気になってしょうがないですよね。

ターニャ
なるほど。

木  村
だからやっぱりね、映画っていうのは人が作ってますから。誰のどういう思いで作られてるのかっていうところを一番理解をして、そこからアイディアを考え始めると同じところには行き着かないんじゃないかなっていうふうに思いますけどね。

ターニャ
なるほどですね。ちょっと根本的なインプットっていうところも、何か私のイメージしているものとは違っていました。なるほど。ありがとうございます。ちなみに木村さんそのアイディアってどう出てくるんですか?文字で出てくるのか、映像とか、イメージがぱっと脳みそに浮かんでくるのかって何かありますか。ケースバイケースですか?

木  村
僕手書きでやるパターンと打つパターンとありますけど、

ターニャ
はい。

木  村
なんか書き始めると、続きが書けるみたいなそういう感じですね。書きながら思いついてくっていうか、思いついたから何か書こうっていうよりかは、書いてると思いついてくるみたいな、なんかそんな感じですね。だから脳が思いついてくれるまで待たないと、自然に出てこないんですよ。考えてる間は。

ターニャ
へー。

木  村
さすがにいいアイディアがビジュアルとして、パーっと浮かんでくる、そんな便利な状態にはなんないっすよ。

ターニャ
なるほどですね。

木  村
逆に知りたいんですよ、みんなどうやって考えてるのか。

ターニャ
本当ですよね。

木  村
誰も教えてくれないから、自分で考えてるんだけど。

ターニャ
いやあ、本当ですよね。
そしてその締め切りが来たらもう締め切りだみたいな気持ちになっちゃってる人もいるんじゃないかなって思うんですけど、でもやっぱそれまでにしっかりと考え尽くすっていうことが大事ですね。木村さんの場合、全体のインプットも何週間もされるっていうことでいうと、どれぐらいかけてらっしゃるんですか?全体でいうと。

木  村
時間ですか?

ターニャ
はい。

木  村
映画の売り方を考えるってなったらすごい時間かかりますよ。2ヶ月ぐらい。
1ヶ月2ヶ月ないと考えられないですよね。そんなぱっと。

ターニャ
そうですよね。

木  村
うん、思い付かないですよ、そんな簡単に。

ターニャ
はい。

木  村
だから何か、苦労しないでぱっとアイディアを出す方法みたいなのを知りたい人はたくさんいるかもしれないけど、でもそういうのはないですよってことかもしれないですね。

ターニャ
そうですね。今回も木村さんと話してて一番考えるのに大事なのはそのインプット。いかにインプットさせるかっていうことがなんかすごい重要なんだなっていうので、なんかすごい勉強になりました。

木  村
あとなんか不思議なのが締め切り。今回は早く始めて、早く終わらせて、別なことやろうって、早めに始めるじゃないですか。でもね、思いつくのって大体ギリギリにしか出てこないんですよ。そう。 あれは不思議ですよね。

ターニャ
確かに、あれはなんですかね。脳みそがいじわるしてるのか。でもそれぐらいまで粘ろうっていう根本的に気持ちがあるのか、なんですかね?

木  村
あとは、考えたことが正しいかどうかとか、いきなり考えたものが素晴らしいもので、突然完成するわけないじゃないですか。

ターニャ
はい、そうですね。

木  村
それをどうやって磨きをかけていくか、自分のアイディアを磨きをかけてるっていう時間もとっても大事で。

その話をさせてもらうと、まず1回インプットして整理をしてアウトプットしたものが、見栄えがいいように企画して落とし込むじゃないですか。今度ね、それを何回も何回も誰かにプレゼンしてくんですよ。「ちょっと聞いてくれる」って言って、人集めて、この映画こういうふうに宣伝やろうと思ってるっていうのをワーッて説明していくと、話しながらここ違うなって自分でもわかったりするし、あとは相手の反応でちょっと反応良くなかったなとか、どう思ったみたいなことを聞きながら、そこでブラッシュアップしていくんですよ。それを大体、4、5回ぐらいやっていくとだいぶブラッシュアップしてきて、またそれを公開までにね、何回も何回もプレゼンしていくことになるんですけど。それを、10回、20回ってプレゼンしてると、さらに気になるポイントが出てくるんですよ。それをどんどんどんどん直していくと、皆さんのアイディアも含めて、気持ちのこもったアイディアに育っていくみたいな感じがあると思うので、考えたら誰かに話すっていうのはとっても大事な作業だと思います。

ターニャ
なるほどなるほど。インプットアウトプット、インプットアウトプット繰り返しですね。

木  村
そう、だっていいアイディアって自分だけいいと思っててもしょうがないですよね。相手がいいと思ってくれないと、仕事なので。

ターニャ
うん、間違いないですね。なるほど今日はすごい勉強になりました。ありがとうございます。

木  村
はい。

ターニャ
本日はここまでとさせていただければと思います。木村さんありがとうございました。

木  村
ありがとうございます。

ターニャ
そしてKITTラジオでは、リスナーの皆様からのご質問も募集中です。概要欄に記載のメールアドレスに日々の生活に役立てたい、こんな話を聞きたいなど、ぜひお送りください。今日もありがとうございました。

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