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【KITT RADIO|マーケティングあれこれ雑談 #2】期待の反対ってなに?

2023-12-15更新

マーケティング目線で世の中を見ると、見えるものが変わってくる!

映画の宣伝プロデューサーが日々考えていることをあれこれ雑談す
「KITT RADIO|マーケティングあれこれ雑談」

出演:木村徳永さん(KICCORIT)、ターニャ&シーニャ(KIQ REPORT編集部)

 <#2のキーワード>
  ・ローキックからの顔面パンチ
  ・缶の中のお守り
    ・説明書に欠如があったら?

気になるキーワードがあったら下記をチェック!

【PodCast】

番組では宣伝プロデューサーに聞きたいことなど、リスナーの皆様からの質問も募集中!
その他、ご意見・ご感想はこちらまでお寄せください。

 

YouTubeやテキストでご覧になりたい方は下記よりどうぞ。

【YouTube】

【Text】(文字起こし)

ターニャ
この番組は、映画の宣伝プロデューサーが日々考えていることをあれこれ話す番組です。マーケティング目線で世の中を見ると見るものが変わってくるということで、キコリの木村さんをお招きして放送しております。
前回は、映画の宣伝プロデューサーがどういう仕事をしているかというお話をお伺いさせていただきまして、今日はその宣伝の中で「期待を煽る」という件について、お伺いできればと思います。

木  村 
期待ってそもそもどうやって作るのかって難しいよね。
期待って何よ?って感じしませんか?

ターニャ
そうですね。

木  村
日々色々なことから連想して、きっかけを探し出すんですが、こないだ格闘技見てたんですよ。格闘技ってローキックで意識を下に持っていっておいて、上のガードが下がったところで顔面殴りにいくみたいなことやってるんですよね。それって期待のさせ方だなと思ったんですよね。下半身責め続けて、次も下かなって期待させといて、上の開いてるところ打つわけじゃないですか。それを見てて思ったのが、逆の期待がプラスを生むみたいなこともあるなとちょっと思って。
最近アルバイトが会社に来てるんですけど、挨拶しないでんすよ、最近の人って。でもまたそこで「何で挨拶しないんだ」って言うといろいろ言われちゃうから、「挨拶しないんだな」と思って僕も挨拶せず仕事してるんだけど。ある日突然、「おはようございます」って挨拶してきたんですよ。そしたら、「あれ?こいつ良くなった?」と思ったんだけど、でもよく考えたら挨拶するって普通じゃないですか。

ターニャ
そうですね、普通の礼儀として。

木  村
他のみんなは全員「おはようございます」ってみんな言ってて、1人だけやってなかった駄目な人が挨拶をしただけで、評価が上がるってすごくないですか。ちゃんと挨拶してる人は評価変わらないのに、してない人がするだけで違う印象になる。これも逆の期待ですよね。
期待ってでも考えようとすると目に見えないものなので、考えると難しい。なので、わかりやすく考える時は逆のものを考える。例えば空気とか目に見えないじゃないですか。空気の存在をわからせるには、空気がなくなったら苦しいと空気の存在を感じる。安心っていうのも目に見えない。安心を感じさせるには、不安な環境を与えれば、安心、ホッとしたという、自分に気づく。なので、そういった逆のことに気づくと、意識できるんじゃないかなって思うんですよね。そうすると期待の反対は何なんだって話ですよね。

ターニャ
期待の反対…何ですか?

木  村  
難しいですよね。僕は「欠如」なんじゃないかなって気がついたんですよね。何か買うと説明書ってついてくるじゃないすか。説明書って読んでいて楽しい気持ちになりませんよね。
説明書って存在自体が「ここに全てのことが書いてある」ってわかっている。そこには欠如はない。
でも小説とかそういうものって、あらすじを読んで本とか買いますが、全部はわからないじゃないですか。その先どうなるかな?という空白の部分が必ずある。それが期待ってことですよね。

ターニャ 
そうですね。

木  村   
「ここから何が始まるのか」っていうのがわからない状態、何かそういうものが期待感に繋がるんじゃないかなって思っていて。例えば何か缶の中にお守りみたいなものが入っていて、振ると「カサカサカサ」と音がなる。「毎日それをカサカサカサって5回振ると、いいことが起こりますよ。」ってもらったら、きっと毎日カサカサすると思うんですよ。でもこれ、「封を開けちゃったら、もう効果ないからね」って言われて毎日振ってると「今日も良いことあった」「今日も良いことあった」「中身何が入ってんのかな?」って言って開けると、紙きれが一枚入ってて、『今日も良いことがありますように』って書いてあるだけだとするじゃないですか。もう開けちゃったらもう効果ないでしょ?ただの紙だから。「中に何が入ってんのかな?」って、わかんない状態でカサカサ振ってるから、期待に繋がるわけじゃないですか。

ターニャ 
確かに。

木  村  
全部わかりやすく全部伝えるというのは、期待に繋がらなくて、逆に決定的な情報が欠如していると、「え、何が起こんの?」みたいなこともそうだし、「どうなっちゃうの?」っていう気持ちが生まれてくると思うんですよね。さっきの缶だと、「何が入ってんの?」っていうことだし。説明書にはそういう欠如がない。欠如がある説明書は欠陥品です。

ターニャ
そうですね。

木  村
宣伝っていうのは、「何を欠如させるか」っていうことが大事かなと思います。それは「どう期待を作るのか」っていうこと。

ターニャ 
何を欠如させるかっていうのはすごく難しいですよね。何か欠如しすぎちゃって、よくわかんないってなる人もいそうじゃないですか。その欠如の選択っていうのがすごい究極そうだなと。

木  村  
そう、なので10人宣伝プロデューサーがいたら10通りの欠如の方法があると思う。ただ気をつけないといけないのは、「売りのポイント」の方が探しやすいんですよ。「ここが売りだから、それを前面に出そう」ってしてしまうことが多いのですが、それは欠如じゃなくて、“アピール”ですよね。そこを出しながら、何か足りない部分をどう作るのかっていうのが宣伝の難しさっていうか、奥深さなんじゃないかなって思います。

予告編を作る場合も同じで、すごく丁寧説明的な予告編を作ってる人もいるのですが、それって期待に繋がっているのか?ってちゃんと考えないとダメですよね。もしかしたら予告編で満足している人もいるかもしれないなって思います。最近よく言われるのが、「最近の若い人は結末がわかって見に行く人が多いから、結末まで出して方が良い」という人がいるんですが、ちょっとそれも違うような気がするんですよね。
期待を心に残して上げることが宣伝なんだと思います。

ターニャ 
宣伝って難しいんですね。SNSでキリトリ映像がたくさん流れてくるんですが、あれって見た気になっちゃうんですよね。それで見なくなっちゃう人もいるような気がします。

木  村  
絶対いると思いますよ。
作品によっても、期待のさせ方が違うし、あらすじ読んだだけで大体こういう話でしょっていうのがわかっちゃう作品もあって。作品によってやり方が違いますよね。

ターニャ
すごく勉強になりました。ありがとうございます。

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