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【KITT RADIO|マーケティングあれこれ雑談 #3】モテたい女子大生と映画要素分解

2024-01-11更新

マーケティング目線で世の中を見ると、見えるものが変わってくる!

映画の宣伝プロデューサーが日々考えていることをあれこれ雑談す
「KITT RADIO|マーケティングあれこれ雑談」

出演:木村徳永さん(KICCORIT)、ターニャ&シーニャ(KIQ REPORT編集部)

 <#3のキーワード>
  ・アピールしすぎはモテない?
  ・かっこいいキャッチコピーの罠
    ・映画の要素分解

気になるキーワードがあったら下記をチェック!

【PodCast】

番組では宣伝プロデューサーに聞きたいことなど、リスナーの皆様からの質問も募集中!
その他、ご意見・ご感想はこちらまでお寄せください。

 

YouTubeやテキストでご覧になりたい方は下記よりどうぞ。

【YouTube】

【Text】(文字起こし)

ターニャ
この番組は、映画の宣伝プロデューサーが日々考えていることを話す番組です。キコリの木村さんをお招きして、本日も放送してまいります。

前回は、「期待を煽る」お話をしていただきましたが、もう少しその「期待を煽ること」について、聞きたいのですが、いかがでしょうか?

木  村
分かりました。前回は「期待は情報の欠如から生まれる」ていう話をしたと思いますが、映画の宣伝で期待を作るって難しいですよね。足りない情報をどこに作るか、情報をどう欠如させるかってことなんですが、具体的に言うと、「その先どうなるのっ?」ていう気持ちを生み出すことですよね。足りない情報を知りたくさせるっていうこと。

これだけ聞くと簡単な感じなんですが、映画の宣伝で時々陥っちゃうのは、かっこいいキャッチコピーとかを思いついたときに、これでいいじゃんってなって、安易に決まっちゃうパターン。これって本当に期待が煽れているのかどうか?ここをきちんと客観的に見ていかないと、プロモーションとしては失敗しちゃうと思ってます。ただ単純にかっこいいキャッチコピーだね、で終わってしまうパターンもあるので気をつけたいところです。

ターニャ
なるほど。

木  村
映画料金2000円払って長時間拘束するわけだから、やっぱりそれなりに具体性がないと人は動かないと思うんですよね。では、映画のどこで期待が煽れるのかっていうと、映画の要素を分解していくともう5個ぐらいしかないと思ってます。

1、「プロジェクト」
2、「キャスト」
3、「スタッフ」
4、「設定」
5、「物語」

期待を作れる要素ってこれぐらいしかないわけですよ。

じゃあ、この中でどれで期待を作れるか?というと、まずプロジェクトはどういう要素かというと、制作費いくらで、あの原作を作りましたなどの、プロジェクトの大きさですよね。あとはよくあるのは、過去に大ヒットした作品を作ったスタッフが作っている場合とかは、何々を作ったスタッフが贈る最新作みたいな言い方もよくあると思います。でも、ここって情報欠如させると、成り立たないじゃないですか。

ターニャ
確かに、良くわからなくなっちゃいますよね。

木  村
そう、なのでプロジェクト要素は、期待を煽るっていうよりかは、入口ですよね。掴みの部分になるので、ここは情報として入れておきましょうと。
じゃあ「キャスト」とか「スタッフ」っていうのは煽りになるのかっていうところでいうと、実はね、ここも煽り・期待の部分には繋がらないと思っていて。なんでかというとキャストが出てるのって当たり前じゃないですか。何か情報の欠如させて煽ることは難しいと思うんです。可能性があるのは、すごいことに挑戦してますみたいなことだったりとか、好きな原作をいかに本気で取り組んだかみたいなことは、煽れると思います。
ただ、煽れるとそれが期待に繋がるんじゃないかと思うんだけど、もちろん期待にも繋がるんだけど、これだけでは見に行く決定的要素にはならないんですよね。

ターニャ
なるほど。

木  村
推しには効くと思うんですよ。コアファンに対しては効くと思うんだけど、あの人が本気でやってるから見に行こうって事にはなかなかならないのかなと思います。

ターニャ
確かに、そうですね。

木  村
あとスタッフはどうかと。なんでこの原作を映画化しようと思ったのかとか、どんなメッセージを伝えようとしていたのかみたいなことを情報として出ていくと、これは少し期待に繋がるんじゃないかなっていう要素かなと思いますと。
あとは設定っていう部分があるけど、設定は、ここはもう前提としては、作品全体をわかりやすくイメージさせることっていうのが設定を伝えることの大切なテーマだから、ここは期待を煽るっていうよりも、わかりやすく想像できるっていうことが大事ですよね。

ターニャ
はい、そうですね。

木  村
そうするともう、期待感を煽るため、情報の欠如させることができる部分っていうのは物語なわけですよね。

ターニャ
なるほどー。

木  村
物語を煽るなんて当たり前の話なんだけど、こそこがちゃんとわかりやすく説明されていて、かつ、期待感を煽るような出し方、打ち出し方をしてくれてないと、見たいって思ってもらえないし、ましてや、映画館にわざわざ足を運んでお金を払ってみるっていうところまでいかないわけですよ。だから、これさっきのかっこいいキャッチコピーだけ作って、ちゃんと煽れてないパターンの話もしましたけど、これって陥りやすい部分で例えば、ものすごい売れてる原作だったり、ものすごい売れてるキャストがキャスティングされた時って、ちょっとそこに頼っちゃうとこあるんですよ。煽りやすいし注目されやすいから。

でも、それは期待感を煽るっていうことよりも、単純にお祭り的に盛り上げて煽ってるっていうことでしかなくて、それも大事なんだけど、もっとたくさんの人の興味を引こうって考えるとやっぱりお話の中から期待感を煽る部分っていうのをしっかりと見つけ出して、しっかりその部分をいろんなクリエイティブの中に反映していくっていうことがとっても大事なんじゃないかなって思ってます。

ターニャ
なるほど。

木  村
それが出来たとしても、それだけじゃなかなか映画館に来てもらえないわけですよ、現実は。配信もあるし、配信期間さえ気にしなければで全く同じ映画がいつでも自宅で見ることもできちゃうわけですよね。だから僕らの仕事っていうのは難しくて、その映画を見たくさせて、なおかつ映画館に来てもらうっていうところがゴールなわけですよ。

配信で見るっていうのは、それはそれで嬉しいんだけど、やっぱり映画館で観てもらいたいと思って宣伝をしているチームだから、そう考えるともう1個何かプラスアルファがないと映画館に来ないと思ってて、やっぱり、映画館にわざわざ行く価値をどう出すかってことが大事なんじゃないかなって思うんですよね。価値があるからわざわざ行くわけじゃないですか。払ったお金に対する対価だったりとか、往復の時間と鑑賞時間合わせて4-5時間かかりますよね。

だからそれに対してお金を払う価値があるのか、見に行く価値があるのかっていうところがさらなるハードルになるんですよね。だから、わー面白そうっていうことで期待を作るだけではなかなか映画館で見てもらうこともできないので、映画館で観る価値がどこにあるのかってことも伝えることが大事なんじゃないかなという風に思ってます。

ターニャ
ありがとうございます!
では本日はここまでです。
次回は「映画館で映画をみる価値について」お話お伺いたいと思います。

そして、KITT RADIOではリスナーの皆様からのご質問も募集中!
概要欄に記載のメールアドレスに、日々の生活に役立てたい、こんな話を聞きたいなど、是非お送りください!
ありがとうございました!

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