調査レポート

映画祭・映画賞の受賞は鑑賞意欲を上げる?【国内編】

2021-10-13更新

映画業界では、年間を通して世界中で多くの映画祭が開催されています。映画宣伝においても「~~映画祭出品」「~~賞ノミネート」「~~賞受賞」というキャッチコピーをよく見かけますね。しかし実際のところ、映画祭・映画賞はどの程度映画ファンの鑑賞意欲に影響を与えているのでしょうか?

KIQ REPORTでは全国の15歳以上の男女772名の半年に1本以上劇場で映画鑑賞をする”映画ファン”を対象に【映画祭・映画賞】に関するインターネット調査を実施。2週にわたり、映画祭・映画賞がどれくらい鑑賞意欲を高めるかについて考察します。

先週は、海外の映画祭・映画賞の影響度について紹介しました。今週は国内編です!

日本アカデミー賞の認知度は81%の抜群の知名度!

映画賞が上位を席巻し、「日本アカデミー賞」が順当に首位となりました。認知度81%は、米国のアカデミー賞の71%を上回り、授賞式の模様が地上波放送されている点が認知の高さに貢献したといえそうです。また、受賞作の鑑賞意欲が高まると回答した人は49%で、女性のスコアは55%に達しました。米国アカデミー賞と遜色のない値となりましたが、賞の発表が劇場公開後となるため、興行収入への貢献は限定的といえそうです。

続く2位の「ブルーリボン賞」は、かなり意外なランキングとなりました。スポーツ誌の映画担当記者が中心となって選出する映画賞で、約60年の歴史を誇ります。この意外な認知度の高さは、覚えやすく印象的なネーミングが影響しているのでしょうか。

また、3位には世界最古ともいわれる映画賞の「キネマ旬報ベスト・テン」がランクイン。男性では作品選びの参考にしている人が一定数おり、比較的注目度が高い結果となりました。

 

一方、映画祭の認知度は全体的に伸び悩み、映画賞の後塵を拝しました。トップの東京国際映画祭の認知は映画ファンの34%で、沖縄国際映画祭の28%とあまり差がありません

 

上位映画賞では、受賞者が一堂に会する豪華表彰式が行われています。「日本アカデミー賞」は例年ゴールデンタイムに特別番組がOAされており、その他の受賞式もその模様が多くのメディアに取り上げられていることを考えても、やはりメディアの影響が大きいのかもしれません。興行収入への貢献を期待すると、公開前に注目される「映画祭」への注目が高まってほしいところ。映画祭にも、よりメディアに取り上げられるような演出・プロモーションが必要なのではないでしょうか。まもなく始まる第34回東京国際映画祭にも期待しましょう!

 

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【調査概要】
調査時期:2021年8月27日(金)~2021年9月3日(金)
調査手法 :インターネット調査(FastAsk利用 )
調査対象:計772名 (15歳以上 男女)
調査定義:映画ヘビーファン=月に1本以上劇場で映画鑑賞する人/映画ミドル=2~3ヶ月に1本程度劇場で映画鑑賞する人/映画ライトファン=半年に1本程度劇場で映画鑑賞する人/映画ノン=年1回程度劇場で映画鑑賞する人

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