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【ジジイの時事エンタメ斬り!vol.44】ヴィンテージNEW

2026-09-04更新

秋はクルマにとっては最高の季節ですよね。

私の知り合いでベンツの年代物のクルマに乗ってる方がいらっしゃいまして、クリーム色の普通のセダンです。彼はカメラマンなんですが、見た目はそれほど大きくもないのに大量の撮影機材をどかどかと乗せられるほど荷室が広く、毎回バタバタバタ…..と独特のエンジン音を響かせてやってきて、仕事が終わるとまたバタバタバタ…と笑顔と共に去っていきます。

これは知る人ぞ知るメルセデス・ベンツW123というクルマ。
高級車メーカー、ベンツの中でも1、2を争う名車なんですね。

良質な鉄を使い、精度の高い部品で組んだ堅牢なつくり、まさにドイツのマイスター(職人)が作った逸品というやつで、適度な整備を行いさえすれば永遠に乗れるクォリティを誇ります。あまりに丈夫なので、次のクルマが売れない、商売としては逆にマイナスなほどのクルマです。

でも、こういうクルマは実はピラミッドのようなもので「現代では実現不可能なロストテクノロジー」となっています。

 

なんで、あんな50年前のクルマが作れないの?
不思議なんですが、そうなんです。原因の一つはその高品質が商売としてはマイナスだという点がありますね。80年代までのドイツ車はそういうの多いです。それじゃだめだということで21世紀に入って、もうちょっと利益のとれるクルマにしたんですが。。

2つ目は中国市場に入り込み過ぎちゃったってことですね。ドイツのクルマメーカー全体的にそうですが、ベンツも一生懸命中国ウケを狙って、それまでは絶対やらなかった、変なブルーの照明をつけたり、マフラー音を作ったり意味不明なギミックに走ったりしました。ところがここ数年は欧州がEVにのめりこんで、逆に安い中国車に国内シェアを奪われるという手痛い状況になっています。

結果ベンツはどうなったか?かつてW123 を生み出したドイツの誇りはもはや車のすみずみまで中国製部品が使われていて、どこまでドイツ製なのか怪しい。様々な故障や不具合の事例も報告されており、ベンツ鉄壁の信頼性は地に堕ちたという意見も多いのです。しかも現在、ベンツ最大の株主は北京汽車、他の中国系企業も合わせると20%近くを占有されており、元に戻そうと思っても簡単には戻せないというわけです。

一方、コネクテッドカー(ネットにつながってるクルマ。自動運転車もそうですが、今の多くのクルマはGPSが付いているのでそれに類するといっていい)の米国での規制が始まっていますね。

中国・ロシア製の部品を搭載した車はバックドアを仕掛けられたら、任意に遠隔操作される危険性があるというわけです。一概には言えないですが、ベンツは今、この対応に追われているでしょう。下手すればアメリカで売れなくなっちゃう。

ま、ボルボのような完全に中国資本となったメーカーとは明確に違うとはいえ、W123のような名車や、そもそも「クルマ」というものをこの世に生み出した自動車業界のリーダーたるベンツが、もう昔のベンツじゃないというのは、時代の流れとはいえ、ちょっと寂しい気持ちですね。

もし、昔のクルマやバイク、それ以外でも90年代くらいまでの工業製品をお持ちの方がいらっしゃいましたら、もはや現代では作ることができないロストテクノロジーの産物かもしれないので「20世紀の遺物だ」と軽んじず、改めてその価値を見つめなおしてみてはいかがでしょうか?

移り変わりの激しい世の中、「何かの進化」は「何かの退化」をもたらすことを感じつつ、共感シアターも最新トレンドを追うだけでなく、ヴィンテージの良さをつねに意識していきたいと思います。

たんす屋(共感シアタースタッフ)

 

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