1961年4月12日、ソ連によって初の有人宇宙衛星船(人工衛星)ボストーク1号が宇宙へ打ち上げられました。
めでたい日かと思いきや、当時冷戦関係にあった米国は戦慄しました。史上初めて自分たちが、“上から本土を攻められる恐怖”に目覚めた日でした。これがアポロ計画の引き金になるわけです。
ま、昔の話ですが、宇宙開発の話というのはワクワクしますよね。だって、夜空に輝く人工衛星を見上げ、恐怖したアメリカ人は、そこからたった8年で人類を月に送るわけですから、コレは凄いパワーだと思います。エベレストの初登頂が1953年で、深海オタクのJ・キャメロンが潜水艇に乗り、深海11000メートルに達したのは2012年ですから最近のことです。1969年に人類が月に行って帰ってきたというのは如何に無理したかわかりますよね(コンピュータの性能は卓上計算機以下だったらしい。。)。そして焦っていたとはいえ、これはアメリカ人のフロンティアスピリット刺激しまくったのでしょう。この時期以降、月旅行はやってないですよね。60~70年代のアメリカ人は超絶ポジティブ、国は違えど、ある種の“昭和パワー”に満ち溢れている感じがします。
ですが、現在進行形で動いてる“昭和パワー”もあります。それが人工衛星。といっても、地球のまわりをくるくる回る「ひまわり」的お天気衛星や、怪しげなスパイ衛星みたいなのではなく、パイオニア10号、パイオニア11号、ボイジャー1号、ボイジャー2号の4台、特別な使命を背負った恒星間軌道衛星のことです。
自律プログラムをもつ彼らが今どのへんにいるか知ってますか?太陽系をほとんど飛び出してるんです。70年代前半に打ち上げられたパイオニア10号なんか、太陽から100億5000万キロ(!)の彼方にいる。68光年先の牛座のアルデバラン星までこの先約200万年の旅路だそうです。なんと我慢強い機械だろうと思いますね。
そして98年、このパイオニア10号を時速14万キロでぶち抜いて一躍「脱太陽系レース」のトップに立ったのが有名なボイジャー1号です。
彼こそ地球文明の生んだ最強の旅人です。77年に打ち上げられたボイジャー1号は80年には木星・土星を観測し、地球に大量の画像を送り、世間の大注目を浴びますが、土星のスイングバイでさらに外へ羽ばたいたっきり、全く音沙汰なし。
スイングバイとは、星の軌道を振り子のように使って加速し、秒速40キロ近くで飛ばす航法技術で、なんというか星の重力というのは帆船の風のようなもので、星をつたって、燃料ほとんど使わず遠くまでいけるんですね。
しかし90年、突如として“彼“はほぼ9年振りにカメラを起動させ、忘却の地球人に向けてメッセージを発します。彼はなんと後ろを振り返り、太陽と金星、地球、木星、土星、天王星、海王星で形成される初の「太陽系家族写真(ポートレート)」を撮影してよこしたのです。
「僕はここにいるよ。」
思わず、彼の言葉が聞こえてくるような出来事でした。9年ぶりのかすかな“承認欲求“に応えて、地球は沸き立ちました。自分の来た道程を振り返った後、ボイジャー1号は太陽系外を目指し、再び沈黙期間にはいっています。あれから、35年が経ちますが、彼が今何を見ているのか?気になる所です。次はいつメッセージを送ってくるのでしょうか?ほとんど「ウォーリー」みたいになってますが、実に感動させる機械があったものです。
たんす屋(共感シアタースタッフ)

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