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【KITT RADIO #17】心って何?もしかして脳!?

2024-05-16更新

マーケティング目線で世の中を見ると、見えるものが変わってくる!

映画の宣伝プロデューサーが日々考えていることをあれこれ雑談す
「KITT RADIO|マーケティングあれこれ雑談」

出演:木村徳永さん(KICCORIT)、ターニャ(KIQ REPORT編集部)

 <#17のキーワード>
・人の心ってなんなんだろう?
AIが人をコントロール
・レッドクリフ宣伝時にかかってきた男の子から電話

気になるキーワードがあったら下記をチェック!

【Spotify】

番組では宣伝プロデューサーに聞きたいことなど、リスナーの皆様からの質問も募集中!
その他、ご意見・ご感想はこちらまでお寄せください。

 

YouTubeやテキストでご覧になりたい方は下記よりどうぞ。

【YouTube】

【Text】(文字起こし)

ターニャ
木村さん、前回は「感情移入の法則」のお話を話していただいて、私実は、あの後、結構感情って何か改めて考えるようになってしまっていて。共感っていうのは結構してきたつもりだし、何か共感が感情移入に近いのかな、みたいなことも考えてたんですけど、それは確かに感情移入じゃないっていうのが、前回<共感+同情×時制>みたいなところで話もしていただいた中で結構いろいろと考えちゃったんですよね。

木  村
そうですよねー。
共感ってね、リアルに会ってる人にも共感するし、それこそテレビで見ている内容にも、そうそうっていう共感簡単にするよね。だって「いいね!」のボタンを押すときって、共感だもんね。いいねの数だけ共感してる。だってあれってもう言い放ってるだけだから。そう思う!私も!と言い放って終わりだから、感情移入じゃないよね。

ターニャ
そうなんですよね。

木  村
だから本当に感情移入っていうのを突き詰めて考えていくと、なんかそう簡単にはしないだろうなって思うし、感情移入してもらいたいと思って宣伝をしているこちら側としては、やっぱりそこをちゃんと理解したいなって思うよね。

ターニャ
そうですね。だから自分自身も振り返っていくと、なんか共感で終わってたことがたくさんあったんだなとかってすごい発見でしたね、本当に。

木  村
こういう答えがないことを考え始めると、頭ん中でぐるぐる回っちゃうんですけど。

ターニャ
うん、そうですよね。

木  村
人の心って何だろうって思うんですよ。心って何ですか?みたいな。心=心臓ってことじゃないじゃん。

ターニャ
そうですね。

木  村
じゃー人を動かしているエンジンは何なのかっていうと、やっぱ理性とか判断とか、好きとか嫌いとか決めてるのは脳みそじゃないですか。

ターニャ
なるほどそうですね、確かに!はい。

木  村
では脳が心なんですか?って言うと、いやいやいや、確かにそうだけど、いや、脳が心ってことでもないんじゃないかみたいな気がしてこない?

ターニャ
いやそうですね、なんかそこは違う気がしますよね。

木  村
そうだよね。じゃー僕らは、何に訴えかけてるのかと。この映画はこういう人に見てもらいたい。その人の心に訴えかけてんのか。でも心って何だって考えていくと、脳に訴えかけてるのかとか。

ターニャ
なるほどー、はい。

木  村
だって脳は実物としてあるじゃん。

ターニャ
そうですね、確かに。

木  村
でも心って概念的なところがあるから、実物ないもんね。

ターニャ
確かに。でも何か宣伝するとき共感みたいなキーワードが湧いて、何となく心に訴えかけようとしてるかもです。

木  村
ね!

ターニャ
うん。

木  村
心って何?心に訴えかける?

ターニャ
でも心ってどこなんですかね、すごい漠然としてますよね。

木  村
そう、心って何なのかって思っていくと、自分の心もどんどん変わるもんね。昨日はいいと思ってたけど、今日は違うと思ったり、Aさんの話を聞いてると許せないって思ってるけど、Bさんの話聞いてると確かにしょうがないなみたいな気持ちにもなるし。それ考えると誰かにアプローチして、何かを感じてもらおうなんて、そもそも、ものすごい大変なことやろうとしてるなって思いますよね。

ターニャ
本当そうですね。だいぶボワっとしてる中で戦ってるっていうか、そういう感じがありますよね。

木  村
僕は映画の宣伝長いことやってて、なんか漠然とした考えで仕事をしていくのが、結構苦手で。

ターニャ
なるほどですね、はい。

木  村
ここで喋れるほど知識がないからうまく喋れないんだけど、勉強してるのは宣伝の勉強とか映画の勉強してるっていうよりかは、心理学の勉強したりとか、あとは脳の仕組み、どういう時どう反応するんだろうみたいな、脳の仕組みの勉強とかは結構やってますね。

ターニャ
なるほどー。

木  村
仕事のためにやってるっていうよりかは、なんかもう興味があるんだな、知りたくてしょうがないっていうか。人それぞれ感性が違うはずなのに、一つの映画が100億円とかドーンていくじゃないすか。

ターニャ
そうですねー。

木  村
みんな同じ感情になるなんて、こんな複雑な世の中の中で、何でそんなことが起こるのかみたいなことも不思議じゃない。

ターニャ
いやー、すっごい不思議です。

木  村
不思議だよね。しかも僕らは自分が担当してる作品がそうなったらいいなって思いながらやってるわけじゃん。

ターニャ
そうですね。

木  村
だから中にはきちんと作品の内容を理解して、面白そうだから行こうって思ってる人もいるし、出ている人が好きだから見たいって言ってる人もいれば、何となく理由はないけど映画館に行ったらやってたからたまたまタイミングがあったから見たらすごい面白かったっていってる人もいるけど。
なんか大ヒットしてる作品ってあれだよね、ヒットしているから行ってみた、みたいな心理もあるじゃないですか。

ターニャ
そうですね、ありますね。

木  村
もうそうなってくると、もう誰もコントロールできないですよね。
と言いつつも、日々何か調べものとかしてるときに、やっぱChatGPTとか安易に使うわけですよ、最近。

ターニャ
はいはいはい。

木  村
そうすると、これについて教えてとか言うと、ザザザザって出てくるじゃないすか。

ターニャ
はい

木  村
それも完全鵜呑みにして資料に入れたりとか、自分の知識の一つとして、あたかも自分が考えたかのようにChatGPTで出てきたことを喋ったりすることも、ときにはあるんですけど。

ターニャ
はいはいはい。

木  村
よく考えたらこれ大丈夫?って感じもするじゃん。

ターニャ
確かにちょっと怖いですよね。

木  村
そう、だから人の気持ちをコントロールするの難しいよと言いながらも、もう既にねAIの世界の中では、人間がコントロールされ始めている事実もあるぞと。

ターニャ
怖い。

木  村
そう、だからChatGPTの何かバグか何かで一つ間違った答えを出すような流れになってたとしたら、みんなそれ信じちゃうじゃないですか。

ターニャ
そうですね。

木  村
怖い時代ですよね。それを、意図的にちょっと操作してる人がいたらいたら、すぐ洗脳されちゃうよね、人とかね。

ターニャ
いや本当ですよね。でもそれが見抜けない人もやっぱいっぱいいるから、本当に怖いと思います、疑わない人もきっといるし。

木  村
だからやっぱりどこまで行っても「自分はどう思うのか?」っていうことを自分の頭と心で考えるっていうことそれが大事だなって思うと、改めて映画っていいよなってつくづく思いますよね。

ターニャ
なるほど。木村さん、映画の宣伝はもう長くやられてらっしゃると思うんですけど、何か続けてらっしゃる理由はあるんですか、こんなにも長く。大変な仕事だと思うんですけど。

木  村
なんか自分が続けている理由は、エンターテインメントが好きっていうのもあるんですが、その中でも映画が好きなのは、やっぱり人生を変える力を持ってるって思うんですよね。人生っていうか、人を変える力を持ってるって思ってて。もちろん配信の映像でも、地上波のテレビの映像でも、もちろん人を変えるパワーを持ってると思うんですけれども。
やっぱり映画は、限られた空間の中で、全ての情報を遮断して、そこに集中してみる。時間の流れがもう、普段と全然変わるわけじゃないですか。

ターニャ
確かに、はい。

木  村
だからこそ、その映像の中に完全に没入できるし、それこそ感情移入して自分とは別の人生を歩むこともできるし、なんかすごく元気ももらえるし、頑張ろうって気持ちにもなれるし、なんかそういう力を持っているのが映画だなって思ってるので、だからとっても大事な仕事だなって思うのと同時に、面白いなと思ってやってるんだけど。昔ね、ちょっとあるエピソードがあって。

ターニャ
はい、なんですか?

木  村
『レッドクリフ』っていう、ジョン・ウー監督の作品を宣伝してたときがあって、あれね「信じる心は残ってるか」っていうメッセージ、「信じる心が奇跡を起こす」そういうキャッチコピーで展開をしてたんですけど、おかげさまで映画は大ヒットして、50億以上の大ヒットしたんだけど。

ターニャ
すごい。

木  村
そしたらね、ある日会社に電話がかかってきたんです、全然知らない人から。『レッドクリフ』の宣伝をしている人と話がしたいですっていう男の子から電話がかかってきて、僕が代わって電話を出たら、その子はね中学生だったかな、高校生だったかちょっとあの年齢は忘れちゃったけど、とにかくずっと引きこもりだった男の子から電話がかかってきたんですよね。
お礼を言われたの。ずっと何年間も引きこもりをしてたんだけれども、『レッドクリフ』の宣伝を見て、何かすごく勇気をもらって、外に出てみたい、この映画だけは見たいって思ったんです。信じる心が奇跡を起こすっていう言葉に、何か居ても立ってもいられずに数年ぶりに外に出て、映画を見に行ったんです、どうもありがとうございましたって電話がかかってきたんですよ。

ターニャ
やばいですね

木  村
すごくないですか?

ターニャ
いやすごいです。本当にそんなふうに誰か1人の心をちゃんと動かしているっていうのを間近に、本当に感じられるなんてないですよね。

木  村
そうなんですよ。何か50億みたいな数字化されちゃうと、よかったね、ワーッって終わっちゃうんだけど、違うんだよね。
その中には1人1人の映画を見てくれた人たちの人生があって、その中の1人がわざわざお礼が言いたくて電話してくれてる、50億円っていう金額の中の1人の言葉が本当に嬉しくて。だからそれ以降は、ターゲットを考えるときに、世の中をマスで見ないっていうか、大衆として見ずに1人1人の心も考えながら宣伝するようにより強くなりましたよね、そのエピソードが。

ターニャ
なるほどですねー、本当ですね。

木  村
そうだから本当にそれは嬉しい話だからいいんだけど、逆のパターンもあるじゃないすか。映画の宣伝がきっかけで、見たいと思ってたけど見なくなっちゃった人がいるかもしれないし、そういう人はわざわざ電話してこないと思うんで、どっかでつぶやくかもしれないけど。やっぱり僕らがやってる仕事ってすごい世の中に影響を与えるし、とっても大切な仕事だなって思ってるので、そう考えると手は抜けないし、もちろんね、作っている人たち、監督もそうだし、照明部とか演出部とかいろんなね、関わっている人たちのことを考えても手は抜けないなってのはもちろん思うんだけど、やっぱりきちんと届けて、人の人生を変えるだけの力を持っているのが映画であるというところを考えると、ちょっとやめられないっていうか、こんな面白い仕事ないなと思ってずっとやってますね、はい。

ターニャ
なるほどなるほど。
ありがとうございます。いやー、本当に映画の宣伝って本当に面白いなと今日お話を聞いてて思いました。はい。では本日はここまでとさせていただければと思います。そしてKITTラジオでは、リスナーの皆様からの質問を募集中です。概要欄のメールアドレスに日々の生活に役立てたい、こんな話を聞きたいなど、ぜひお送りください。今日もありがとうございました。

木  村
ありがとうございます。

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