プロが見たこの映画
【ジジイの時事エンタメ斬り!vol.29】 噂話
そもそも人間を人間たらしめている要素は「噂話」らしいですね。
我々ホモ・サピエンスが太古の昔、アフリカから出て、ネアンデルタール人をはじめ、その他のホモ属(つまり、かつて地球には複数の種類の人間がいたということなんですが、)との競争に勝ち、ホモ・サピエンス単一の世界にしたのは、やっつけちゃった可能性が高いらしいのです。
なんかちょっと罪深い感じがしますが、特に身体的な優位性もなかった我々が何故戦いに勝利したか?その秘密が「噂話」なのです。
通常、動物の集団というのは150人くらいが限界らしく、猿山のサルを見てもらえばわかる通り、リーダーの御威光が通じる最大数がそのくらいで、それ以上になった場合はグループが分かれてしまいます。
ところが、ホモ・サピエンスは「噂話」によって
「あのリーダーは優れているらしい」とか、「あっちの集団に行くのはやめといたほうがいい」
など目の前の情報以外の、いわば耳情報でも判断できるようになった。
(サルも「ライオンが来たよ!」「鷲が来たよ!」という警告は仲間同士でやってるのですが、「~らしい」「~ようだ」というような現時点の出来事でないコミュニケーションはできません。)
さらにホモ・サピエンスは「あの男はライオンと闘って勝った」とか「彼は狼の子孫だ」など、【だから、この集団が強い】というような、価値を妄想できるようになった。話が膨らむのは今も昔も一緒です。
こうなると集団の数が変わってくる。
高い知能を持ち、ホモ・サピエンス以上の体格を持つネアンデルタール人でさえ150人が限界なのに、我々のご先祖はそこに1000人規模の集団で襲い掛かることができた。もしかしたら、ホモ・サピエンスのリーダーはへなちょこだったかもしれませんが、人数が揃ったら結果オーライですよね。
つまり我々のご先祖は元々そんなに強くなかったのに、「噂話好き」と「妄想力」で世界を制圧したことになります。武器じゃないというところがポイントです。
今でいうと「ゴシップ」とか「ワイドショー」、「推し活」とか「宗教」みたいなものが我々の本性なんですね。
もちろん「宣伝」というのはそれらを組み合わせて意図的に行うものなので、究めてホモ・サピエンス的な所業で、20世紀から21世紀にメディア産業がここまで肥大化したのは、必要に迫られたというより、本能的に歯止めがきかなかったんじゃないかと思ってしまいます。
多くの人間が同時に「噂話」と「妄想」ができるようなったマスコミの時代から、人に合わせてターゲティングされた現代の情報化社会へ。大量破壊兵器からピンポイント攻撃ができるようになった最新兵器と一緒ですね。ステマやちょうちん記事を見慣れている私でさえ、明らかに個人情報が洩れてるターゲティング広告や、何度通報しても気が狂ったように出てくるバナー広告をみていると「宣伝こわ」と思うことがあります。かつて他の人類を滅ぼしてホモ・サピエンスに覇権を与えた「宣伝」は、次に我々を滅ぼすことになるかもしれない。武器じゃないんですよね。
まさに「噂話」と「妄想力」100%で成り立っている共感シアターも岐路ですね。、ホモ・サピエンスの未来を提示します!と言いたいけど、できるかなぁ。
たんす屋(共感シアタースタッフ)
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