調査レポート
著名人。だれのオススメなら映画を観に行きたいか? 変わりつつある、テレビの影響力。
(図1:映画の鑑賞動機)
興味深い数字がある。
「著名人のオススメコメント」3.3%いわゆる有名人やタレントなどのお勧めコメントを聞いて映画を観に行きたいという数字はこんなに低い。つまり、映画宣伝において重要だと思われているオピニオンのコメントはあまり意味のないことだとわかっています。
それでも映画宣伝は依然としてタレント宣伝に頼り続けるのはなぜか?問題は、今だメディアの王者であるTVメディアが映画を取り上げる理由がそれしかないからなんですね。ご存知のとおり、「王様のブランチ」以外の情報番組には映画の紹介コーナーというのはほぼないです。映画の情報はそれだけでは視聴率が取れないと思われており、テレビにとっては要らない情報なんですね。それでも、映画の情報が出るのはなぜかといえば、それは「タレントを使っている」から。つまり映画紹介ではなく、イベント&タレントニュースとして紹介しているんですね。
映画宣伝マンは情報を出すために、視聴率が欲しいテレビのプロデューサーの論理に付き合っているようなもので、SNSなどで多くの非難をあびるリスクがタレント宣伝にはありながら、それをやめられない。映画宣伝マンの悲鳴が聞こえてくるようです。
それでは、タレントは頼る意味は一切ないのか?
実はそんなことはないんですね。問題はテレビで露出がとれる著名人と、実際に映画鑑賞に影響を与える著名人は違うということ。
やや前のデータですが、著名人の映画ファンに対する影響度のデータをみてみましょう。
この調査はいわゆるタレント芸能人だけでなく、文化人、映画スタッフ、YOUTUBERなど多様な分野の方をまぜこぜにしてデータとっているので、「木下優樹菜と水溜りボンドどっちが影響力ある?」みたいな異種格闘技的な対比ができます。
ただこれが、25歳以下になってくると少し状況は変わります。
さらに、ワタナベマホトや水溜りボンドというYoutuberもすぐ次くらいにランクインしてきており、若者にとっては彼らの存在は、サッカー日本代表の本田圭祐などのビッグネームに匹敵し、木下優樹菜、きゃりーぱみゅぱみゅなどより上ということがいえると思われます。
さらに、U25の認知度における影響度、つまり支持率・ファン度をみてみると、1位マツコデラックス、2位山田尚子 3位冲方丁(うぶかた とう)4位虚淵玄 (うろぶち げん)5位渡辺直美という結果が出ており、一気にアニメを中心としたサブカル層支持のオピニオンがランクインしてます。
若者世代おいてテレビの影響力は限定的になりつつあることがわかります。それでも1位、2位を保てるマツコと渡辺直美の存在感に逆に驚いてしまう感じがありますが、「テレビで露出がとれるタレントというだけでは劇場意欲度を上げらない」という傾向はさらに進むと思われますので今後の調査に注目してください。(2020年も同様の調査を行う予定です。)
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