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著名人。だれのオススメなら映画を観に行きたいか? 変わりつつある、テレビの影響力。

2019-12-29更新

(図1:映画の鑑賞動機)

興味深い数字がある。

「著名人のオススメコメント」3.3%いわゆる有名人やタレントなどのお勧めコメントを聞いて映画を観に行きたいという数字はこんなに低い。つまり、映画宣伝において重要だと思われているオピニオンのコメントはあまり意味のないことだとわかっています。

それでも映画宣伝は依然としてタレント宣伝に頼り続けるのはなぜか?問題は、今だメディアの王者であるTVメディアが映画を取り上げる理由がそれしかないからなんですね。ご存知のとおり、「王様のブランチ」以外の情報番組には映画の紹介コーナーというのはほぼないです。映画の情報はそれだけでは視聴率が取れないと思われており、テレビにとっては要らない情報なんですね。それでも、映画の情報が出るのはなぜかといえば、それは「タレントを使っている」から。つまり映画紹介ではなく、イベント&タレントニュースとして紹介しているんですね。

映画宣伝マンは情報を出すために、視聴率が欲しいテレビのプロデューサーの論理に付き合っているようなもので、SNSなどで多くの非難をあびるリスクがタレント宣伝にはありながら、それをやめられない。映画宣伝マンの悲鳴が聞こえてくるようです。

 

それでは、タレントは頼る意味は一切ないのか?

実はそんなことはないんですね。問題はテレビで露出がとれる著名人と、実際に映画鑑賞に影響を与える著名人は違うということ。

やや前のデータですが、著名人の映画ファンに対する影響度のデータをみてみましょう。

この調査はいわゆるタレント芸能人だけでなく、文化人、映画スタッフ、YOUTUBERなど多様な分野の方をまぜこぜにしてデータとっているので、「木下優樹菜と水溜りボンドどっちが影響力ある?」みたいな異種格闘技的な対比ができます。

(図2:U25調査まとめ)
15歳~59歳の影響度の1位はマツコ・デラックス、 2位は池上彰 3位はLiLiCo 4位は宮藤勘九郎 5位は渡辺直美 6位林修 7位又吉直樹、8位イモトアヤコ 9位斎藤工となっており、お笑い芸人や解説上手な知識人などテレビのバラエティ番組が大きく影響を及ぼしていることがわかります。

ただこれが、25歳以下になってくると少し状況は変わります。

(図3:図3U25調査まとめ)
U25(25歳以下)ランキングの1位はマツコ・デラックスですが、2位は渡辺直美、3位はイモトアヤコ、4位池上彰 5位水原希子 6位西野カナ 7位藤田ニコル 8位林修 9位山田尚子 ということで、モデル系、アーティスト系が上がってきますし、「けいおん!」などの女性アニメ監督、山田尚子があがってきているのも注目点です。

さらに、ワタナベマホトや水溜りボンドというYoutuberもすぐ次くらいにランクインしてきており、若者にとっては彼らの存在は、サッカー日本代表の本田圭祐などのビッグネームに匹敵し、木下優樹菜、きゃりーぱみゅぱみゅなどより上ということがいえると思われます。

さらに、U25の認知度における影響度、つまり支持率・ファン度をみてみると、1位マツコデラックス、2位山田尚子 3位冲方丁(うぶかた とう)4位虚淵玄 (うろぶち げん)5位渡辺直美という結果が出ており、一気にアニメを中心としたサブカル層支持のオピニオンがランクインしてます。

若者世代おいてテレビの影響力は限定的になりつつあることがわかります。それでも1位、2位を保てるマツコと渡辺直美の存在感に逆に驚いてしまう感じがありますが、「テレビで露出がとれるタレントというだけでは劇場意欲度を上げらない」という傾向はさらに進むと思われますので今後の調査に注目してください。(2020年も同様の調査を行う予定です。)

【調査設計】
調査時期  SCR調査 :2018年9月21日(金)〜2018年9月28日(金)
      本調査    :2018年9月28日(金)〜2018年10月5日(金)
調査手法  インターネット調査
対象者   SCR調査 :全国の男女15歳〜59歳
      本調査条件:2〜3ヶ月に1回以上劇場で鑑賞する人(調査定義:映画ファン)
サンプル数 SCR調査   :7,916s(内25歳以下 157s)
      本調査    :558s(内25歳以下 1,368s)
調査項目  SCR調査 :・映画鑑賞頻度
                                    ・好きな映画タイプ・ジャンル
                                    ・劇場鑑賞に影響を受けるインフルエンサー(FA)
                                    ・タレント、文化人、映像クリエイターなど各ジャンルから選択した30名の著名人の認知度
      本調査  :・各ジャンルの著名人の鑑賞影響度
                                    ・役者アーティスト部門
                                    ・タレント部門
                                    ・お笑い芸人部門
                                    ・文化人・スポーツ選手部門
                                    ・クリエイター部門
                                    ・YouTuber部門
                                    ・映画鑑賞を見るきっかけになっているメディア媒体
                                    ・信頼している映画情報源(FA)

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