業界人インタビュー

【ENDROLL】 「映画館の空間、そのものが好きー」 PRプランナー 髙 未佳さん ~前編~

2022-11-11更新

映画ゴーアーへの定期アンケ―ト調査の結果や過去作品のデータ分析などを日々発信し、映画・エンタメ業界に関わる皆さんにお役に立ちたい、そして映画業界をより活性化していきたいという志の元、KIQ REPORT では兼ねてよりある計画を立てていた。

それは、業界で働く、いわば業界人へのインタビュー。

 

この業界、とにかく面白い人が多い。

 

会社員として働いている方も、フリーで働いている方もその形態は様々だが、なんだろうか、生き様が普通の、俗にいう会社員(サラリーマン)っぽくない人も多数いる。この“面白さ”ってなんだろうか?と考えると見えてくるのが、彼らが持つ「熱」なのである。みんなとにかく熱量が高い。

映画という、ゼロからイチのものを「熱量」を持って作りあげる人たち、その「熱量」を、さらに加熱して世の中に伝播していく人たち。そりゃ「熱量」がないとこの業界では務まらないと思う。(この場合の熱量ってのは、熱苦しいということではなく、胸の中でクールに燃えるってのももちろんある)

まさに映画業界は、人材の宝庫。例え他業界にその身を置いたとしても、大活躍する人たちなんだろうなと容易に想像がつく。

 

という事で、KIQ REPORTでは、この映画・エンタメ業界の宝である、業界人の人と成りに焦点を当てたインタビュー企画を立ち上げた。

その名も、、、、

ENDROLL エンドロール~業界人に聞いてみた

 

本企画では、特に20代から30代の、業界に新たな風を吹き込み、映画業界最前線で活躍している方々に話を伺い、現状だけではなく未来の業界の姿を模索していき、現在業界で働く人はもちろん、この業界を目指している人、エンタメ関連やマーケティング関連の業界で働く人にも刺激を与えていきたいと思っている。

 

その超熱い企画の、記念すべき第1回目は、、、株式会社フラッグでPRプランナーをされている髙 未佳(こう みか)さんに話を伺った。

映画・エンタメ業界だけではなく、メディア業界の「主人公」になった「インターネットメディア」を駆使し、最前線で映画宣伝の実務を行う、髙さんの人と成りを掘り下げて参りたい。

 

お客さんは、どうやって上映作品を知るんだろうか?

就職浪人してまで映画の道に進むと決断していた髙さん。それほど映画を好きになった理由や、映画との関わり方を聞いてみたところ、大学時代に大きなターニングポイントがあったようだ。

KIQ: フラッグさんに入社されて業界5年目と伺いました。

髙 : はい、2018年に新卒で入社しました。就職活動では宣伝会社に限らず映画館や配給会社まで 幅広く受けたのですが、新卒で映画業界に入るのはなかなか難しく、内定をいただいたのがフラッグだけだったんですよね(笑)

KIQ: フラッグさん、見る目ありますね!

髙 : いえいえ。映画業界に絞って就職活動していたこともあって、大学卒業のタイミングでは就職先が決まらず、1年間はアルバイトをしながら就活を続けていたんです。決まったときは嬉しかったですね。

KIQ: そこまで映画業界にこだわった理由が気になります!

髙 : 映画を観ることで頑張ろうと思えたり、心を動かされたりすることってすごいことだと思うんです。そんな映画の良さをいろいろな人に知ってもらいたいと思ったことがきっかけで映画業界を目指すようになりました。

KIQ: 映画はもともとお好きだったんですか?

髙 : 両親も映画が好きで、小さい頃から映画やドラマはよく観ていました。その時は、映画は娯楽だったのですが、大学の専攻授業で、映画というのは社会や時代の流れによって描かれ方なども変わっていき、社会背景も踏まえて作られていることを学び、映画っておもしろいな!と思うようになりました。映画って現実とリンクしているコンテンツなんだ!と。そこから映画をより一層観るようになりました。

KIQ: 真面目! ベタですけど、そんな髙さんの好きな映画は…?

髙 : そうですね…たくさんありますけど、『ラ・ラ・ランド』が一番好きです。ちょうど公開時期は、映画業界での内定が貰えていなくて、このまま就活を続けるか、諦めて違う業界に就職するか迷っていた時だったのですが、この作品を観て、あと一年がんばろうと背中を押してもらいました。私にとってターニングポイントになった作品です。

KIQ: ベストタイミングで出会えた作品ですね! ところで、映画業界の中でなぜ宣伝が第一志望だったんですか?

髙 : 地元の大阪でしていたシネコンのアルバイト経験からです。インフォメーションカウンターで、お客さんにオススメの映画とかをよく聞かれていたんです。

KIQ: そんな光景がいまもあるんですね。しかも関西だとコミュニケーションが活発そうですね!

髙 : そうなんですよ! 特に平日の朝はおじいちゃんおばあちゃんに「今いい映画はどれ?」ってよく聞かれていました(笑)。チラシを見せながら「これはこういう映画で…」と紹介していたんですけど、あるときふと、お客さんってどうやって上映作品を知って映画館に足を運ぶんだろうと考えたことがあって・・・宣伝だ!と。それから宣伝がやりたい!と思うようになりました。劇場に人を連れてくることに携わりたかったんです。

映画館で見ると、ひとりだと気付けないことに気付けるー

KIQ:  劇場での経験が大きかったんですね。

髙 : そうですね。お客さんの会話が聞こえたり、ポップコーンの香りがしたり、大作があるときは行列ができたり…そういう映画館の空間そのものがすごく好きなんです。大きいスクリーンと音響って映画館でしか味わえないし、全然知らない人と観るからこそ、この人ここで泣くんだ、ここで笑うんだとか、一人では気づけないことに気づけたりしますよね。映画館ってそういう特別なところなんだと思います。

KIQ: 今だと、自分が宣伝した作品を観に来たお客さんの行列を見ることもありますよね。

髙 : はい、すごく嬉しいです! 公開後に客層をチェックしに行ったりもするのですが、よかったって言ってくれる人もいれば、泣いている人もいたり…。お客さんがわざわざ観に来てくれて、いろんなことを感じてくれて…そういう姿を目にすると、頑張ってすごくよかったなーと思います。だから、映画を観終わった後の周りの会話を聞くのはすごく好きですね。その時にやりがいを感じます。

KIQ: プライベートでもよく映画館に行かれるんですか。

髙 : 月に1回くらいです。業界に入る前は、忙しくて映画を観る時間がなくなったらどうしようとも思いましたが、実際はそんなことはなくて土日は担当作品の取材やイベントがない限りは休めますし、映画館に行く時間も十分あります。

KIQ: 映画館に行っても仕事目線で見ちゃうことってありません?

髙 :  確かに、一度は見渡して客層をチェックしてしまいますが、作品が始まってしまえば純粋に楽しめます。映画館で映画を観る楽しさは業界に入っても変わらないですね。職場の先輩方もエンタメが好きな人ばかりで情報交換することも多いので、楽しむことは忘れないでいられるのかもしれません。

KIQ:  髙さん自身も映画以外で何かはまっているものがありますか?

髙 :  洋楽が好きで、最近マネスキン(Måneskin)というイタリアのロックバンドにはまっていて、単独ライブにも行きました。仕事に疲れた時は音楽をガンガンに流してエンジンにしています!


※髙さんイチオシ!Maneskinの「ZITTI E BUNONI」のMV。
「彼らが唯一無二の道をいく力強さが歌詞に現れていて、一度聴いたら耳から離れないお気に入りの楽曲です」

 

後編に続く・・・)

 

 

【ENDROLL】「映画館と人をつなぐ役割を。」 PRプランナー 髙 未佳さん ~後編~

 

【Information】

株式会社フラッグ

フラッグは、デジタルマーケティングの総合プロデュースを担うデジタルエージェンシー。オンラインPRやソーシャルメディアマーケティングを手がけるデジタルプロモーション事業のほか、映像制作、ライブ配信、Web制作、VRやARといったインタラクティブコンテンツの制作を手がけるクリエイティブソリューション事業を展開。

エージェンシー機能とプロダクション機能を兼ね備えているのが特徴で、デジタルプロモーション事業部は単館系からハリウッド超大作まで幅広い映画・エンタメコンテンツの宣伝を中心に、一般企業のプロモーションも幅広く行う。2020年からは自社で買付〜配給〜宣伝プロデュースする事業も展開中。これまで8本の公開実績があり、直近では10月28日(金)には、初の日仏国際共同製作・配給作品となる『シャイニー・シュリンプス!世界に羽ばたけ』の公開も控えるなど、事業領域を拡大。また、映画の制作・宣伝を学べる映画学校「ニューシネマワークショップ(NCW)」も運営。

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