調査レポート

《発表!》業界人が選ぶ! 記憶に残る【キャッチコピー】/2021年下半期

2021-12-16更新

完成した1本の映画をどう見せるか、興味を持たせるか、“映画の顔”となる宣伝クリエティブ(予告編・ポスター)が担う役割は非常に大きく、宣伝マンの腕の見せどころ。

そこでKIQ REPORTでは、宣伝プロデューサーやパブリシスト、グラフィックデザイナー、予告編ディレクターなど、映画業界で働く“映画業界人”25名に、2021年下半期(7月~12月)公開映画で1番記憶に残る【ポスタービジュアル】【キャッチコピー】【予告編】を聞いてみました。

前回の【ポスタービジュアル】に続き、今回は2021年下半期、記憶に残った【キャッチコピー】を発表します!

《発表!》業界人が選ぶ! 記憶に残る【ポスタービジュアル】/2021年下半期
《発表!》業界人が選ぶ! 記憶に残る【予告編】/2021年下半期

 

シンプルなメッセージが心に響く!〈胸アツで賞〉は『燃えよ剣』のこのコピー!

「時代を追うな。夢を追え。」
『燃えよ剣』

2021年7月~12月劇場公開の映画で、1番記憶に残る【キャッチコピー】を聞いた結果、最も多い票を集めたのは、岡田准一主演の時代劇『燃えよ剣』「時代を追うな。夢を追え。」でした。

・「端的だし、大義のための志や時代がそれに追いついていなかったことなど、キーになる情報が一発で分かるのが好き」(30代・予告編ディレクター)
・「明治維新の中で負け試合を演じた新選組の心情を表しているから」(20代・広告プランナー)
・「時代劇ながら熱い人間の物語であることが短くまとめられてるから」(20代・予告編ディレクター)
・「クサいセリフ、かつフォントが大きくて目立った」(50代・リサーチャー)

 

新選組の土方歳三の生涯を描く本作において、このキャッチコピーは、激動の幕末を生き抜いた新選組の姿を表すと同時に、現代を生きる私たちの心にもアツく響いてきます。

短い言葉で作品の魅力を伝えるというキャッチコピーの役割を存分に果たしつつ、時代劇がもつ古くさいイメージを払拭するような普遍的なメッセージで心をつかむ、2つのポイントを備えた本キャッチコピーの得票は納得です!

 

エンタメセンスが抜群!〈コピーdeエンタメ賞〉はインド映画2本!

「純朴!寡黙!信心深い! その魂に手錠はかけられない。」

『囚人ディリ』

「暴走牛VS1000人の狂人‼」

『ジャッリカットゥ 牛の怒り』

さすが映画業界人!?今回はインド映画への注目も集まりました。

『囚人ディリ』「純朴!寡黙!信心深い! その魂に手錠はかけられない。」、そして『ジャッリカットゥ 牛の怒り』「暴走牛VS1000人の狂人‼」は、キャッチコピーだけで十分にエンターテインメントとして成立しているような、思わず笑みがこぼれるセンス抜群のキャッチコピーです。

・「バカっぽいB級映画的なキャッチコピーが良い」(『囚人ディリ』20代・パブリシスト)
・「そこ強調する?というポイントと、語呂の良さにやられました」(『囚人ディリ』40代・宣伝プロデューサー)
・「このコピーをスルー出来る人っているんでしょうか。地獄絵図しか浮かばなくてワクワクしっぱなしです」(『ジャッリカットゥ 牛の怒り』40代・映画ライター)

 

インド映画といえば、歌と踊りが特徴の独特な作品が多い印象ですが、こういったエンタメ性の高いキャッチコピーを見ると、それだけで映画が観たくなります。ぶっちゃけ映画内容はあまりよくわかりませんが(笑)楽しい想像が広がります!

 

シンプルorドラマ性のあるコピーが強い!?

今回寄せられた、皆さんの記憶に残るキャッチコピーを見てみると、“シンプル”でわかりやすいものと、“ドラマ性”を打ち出して感情に触れるものが多くありました。

「地球最大の究極対決」
『ゴジラvsコング』

・「とてもわかりやすく残りました」(30代・WEB制作)

 

「空をブチ抜け。」
『ワイルド・スピード ジェットブレイク』

・「えっ、空!?という意外性があり、インパクトが抜群。短くて、強い」(40代・リサーチャー)

・「ワイルド・スピードらしさもあり、このキャッチコピーを見ただけでどんなストーリーか想像できたから」(20代・WEBデベロッパー)

 

「僕らは、未来を作っていると思ってた―」
『映画 太陽の子』

・「コピーの中に物語を感じた」(30代・印刷営業)

 

「その言葉でじゅうぶんだと思う。」
『君は永遠にそいつらより若い』

・「諦めのように聞こえるけど、肯定にも聞こえるし、作りこみ過ぎない日常感を感じる作品に合ったキャッチだと思った」(40代・SNS担当)

 

「空っぽの世界に、光はあるか。」
『空白』

・「観た人を巻き込む問いかけと、ラストに少しだけ希望を見せる作品の内容にも合っていたから」(20代・パブリシスト)

・「作品で描かれている絶望と希望が表れているし、キャッチコピーとして大事な“上手いこと言った感”もあるから」(20代・映画ライター)

 

「2つの家族。親たちがついていた命がけの嘘と秘密とは?」
『そして、バトンは渡された』

・「ただの家族の物語ではなく「嘘」や「秘密」といったあまりにつかわしくないワードがあったので、どういった内容の映画なのか気になりました。」(20代・広告プランナー)

 

次回は、映画業界人の記憶に残った【予告編】を発表します!お楽しみに!

 

今回ご協力いただいた映画業界人25名のうち、約1/4に当たる7名が「記憶に残るキャッチコピーがなかった」と回答しました。もしかしたら一般客はもっと記憶に残っていないのかもしれませんね。SNSの流れを見ても、Facebookからより短文のTwitterへ、さらに近年、特に若年層は写真投稿が主のInstagramへと利用ツールが移ってきています。このような状況をふまえても、映画のポスターにおいても、よりビジュアルでインパクトを残すことに注力していく必要があるかもしれませんね。

 

(C)2021「燃えよ剣」製作委員会 (C)Dream Warrior Pictures, (C)Vivekananda Pictures (C)2019 Jallikattu  (C)2021WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. & LEGENDARY PICTURES PRODUCTIONS LLC.  (C)2021 Universal Studios. All Rights Reserved.  (C)ELEVEN ARTS Studios/2021「太陽の子」フィルムパートナーズ (C)「君は永遠にそいつらより若い」製作委員会 (C)2021「空白」製作委員会 (C)2021 映画「そして、バトンは渡された」製作委員会

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