映画ファンの生態や動向を解明する調査分析レポート「KIQ REPORT」。
今回は 【映画ファンとゲームの関係】 についての調査結果をお届けします。

新型コロナウィルスの感染拡大によって在宅率が急激に上がる中、“家でできるエンタメ”として、ゲームの需要が世界規模での高まりを見せています。「あつもり」こと『あつまれ どうぶつの森』が大ヒットし、Nintendo Switch本体は現在も入手困難な状態が継続中、ゲーム業界はコロナ特需と言っていい状態が続いていると言えるでしょう。

そんな中、映画ファンはゲームをしているのか？どんなプラットフォーム（機種）でプレイしているのか？そして、どんなゲームをプレイしているのか？を調査。
映画をたくさん観る人と観ない人では、ゲームに対する姿勢に差があるのか？そんな気になるポイントを洗い出してみました。

映画ファンの約60%、コアな映画ファンでは約65%がゲームをしている

映画ファン全体では、59.2％の人が「ゲームをする」と回答し、男性は女性よりも10%多い結果に。そして、半年に2本以上劇場鑑賞する「映画コアファン」の中で見てみると、「する」と回答した人の割合は63.7％まで上昇。映画を多く観る人ほど、ゲームをやっている人が多いという結果となりました。

年齢別で観ても、40代まではゲームをすると回答した人が多く、若年層はもちろん、いわゆるファミコン世代まではゲームをしている人の方が多い結果となり、小さい頃からゲームに親しんできた層は、今でもゲームをしていると言えるでしょう。

プラットフォームはスマホが圧倒的多数、Wiiがまだ現役！？

では、「ゲームをする」と回答した人は、どんなプラットフォーム（機種）でゲームをしているのでしょうか。

数字を見ると「スマホ」と回答した人が圧倒的多数で、2位のNintendo Switchを大きく引き離す結果に。Nintendo Switchは、任天堂の最新機種であり、後発ながらプレイステーション4の約900万台を大きく突き放す約1400万台を販売。10人に1人以上は持っている計算となる超人気プラットフォームですが、やはり誰でも持っているスマホには敵わないという結果になりました。

唯一スマホを上回ったのは20代男性で、Nintendo Switchがダントツの1位。やはり“ゲーム機を自分で買えてゲームをやる世代”は、お手軽なスマホゲームもやりつつ、時間をかけてゲームをやり込むというスタイルが主流と言えるでしょう。
そして特筆すべきは、全体の4位になったWii。発売から14年が経過、すでに生産終了している機種であり、プレイステーション3や4のようにブルーレイが再生できるわけでもありません。そんな中、未だ現役でプレイしている人がまだまだいるという結果に驚かされます。

圧倒的人気を誇ったのは「どうぶつの森」シリーズ！

そして、どんなゲームをプレイしているのかという回答については、「どうぶつの森シリーズ」が、「ツムツム」と並んで1位を獲得。
前述のどんな機種でゲームをしているかという回答において、Nintendo Switchはスマホに大きく引き離されていました。しかしスマホゲームの「ツムツム」と並んだということは、「あつもり」がいかに現在人気を博しているかという証拠となる結果といえるでしょう。

映画コア、映画ライトにおいてもその結果はほぼ変わらずでした。

ここまで映画ファンによるゲームの関心度の調査の結果を見てきましたが、映画ファンだからといってゲームの関心度において大きな特色が現れるわけではない、という結果になりました。昨今、ゲーム機の性能も向上し、ゲームの内容も、映画的な演出のものやリアルなグラフィックによるアクションゲームやRPGなどが人気を博し、プロゲーマーの人気も世界的に高まっています。そんな中、日本の映画ファン、特に映画コア層は、そういったゲームを好む傾向にあるのではないか？とも予想されましたが、やはり強かったのはスマホ、Nintendo Switch、どうぶつの森、ツムツムという、いわば日本のゲーム市場そのままの順当な結果となりました。逆に、映画ファンではなく、映画をよく見るゲーマーに質問すればまた違う結果になるかもしれませんし、海外ではまた違う結果になるのかもしれません。